【COLORful Interview】木村竜蔵&木村徹二 坂東玉三郎と夢の競演!異色のコラボで魅せる新しい世界
4月2日、3日、『木村竜蔵 木村徹二が歌う 坂東玉三郎の世界』が新橋演舞場で上演される。構成・演出・MCを担うのは、唯一無二の表現者、坂東玉三郎。そして、不朽の映画音楽、ミュージカルの名曲、ジャズナンバーなど、時代を超えて輝く名曲の数々に新たな命を吹き込むのは、兄・木村竜蔵と弟・木村徹二。兄弟ならではの呼吸と、それぞれの個性が交差する心地良いハーモニーで注目を集めている2人に、坂東玉三郎との出会いや公演にかける意気込みについて話を聞いた。

撮影/岡本隆史
アメリカのスタンダードに日本語で命を吹き込む
坂東玉三郎さんとは昨年の秋に出会われたということですが、どのようなきっかけでお会いしたのですか?
竜蔵 きっかけは、鳥羽一郎、山川豊と木村兄弟でやらせていただいてるファミリーコンサートでした。昨年テレビで放映されたのを玉三郎さんがご覧になって、我々に何か可能性を感じてくださったのか、わざわざ名古屋公演に足を運んでくださいました。そこでお食事の機会をいただいたりして、「せっかくのご縁なので、何かご一緒できることはないでしょうか?」と話をさせていただきました。玉三郎さんが“この二人でステージをプロデュースするとしたら”と考えて、アメリカのスタンダードやジャズのスタンダードを歌う日本人は、いまはなかなかいないと。それをちゃんと日本人に伝わるように、日本語で歌唱するのを聴いてみたいと提案してくださいました。
お話をいただいたときは、どのように思われましたか?
徹二 まったく違う世界の方なので、どういう世界観でご一緒するのかというのがわからなかったですね。僕らはもともと二人でやっていた音楽がポップスですし、僕はいま演歌でやっていますけど、自分たちが持っているものにはまったくないジャンルなわけですから。成功するかどうかは別として、ものすごい糧にはなるなと思いました。 チャレンジのしがいがありますね。
日本語の詞は、どうされているのですか?
徹二 日本語にするという作業は、玉三郎さんが歌詞を書いているものもあれば、兄が書いたりもしています。いまのところはまだ英語の音源を聴いていますが、できてきた日本語の歌詞を、これから頭の中で当てはめていくことになりますね。僕は当てはめる作業ですが、兄は詞を作るところからですから…。
竜蔵 自分が歌うものは、自分で作詞しています。英語の詞をそのまま日本語に直訳しがちですけど、それだとなかなか伝わらない。自分なりの解釈で新しいニュアンスを入れたりもしています。玉三郎さんは瞬発的にそれがわかっていらっしゃるので、多少英語の表現とは違ったとしても、伝わればいいというスタンスなんだと思います。すごく伝わるし、想像しやすい歌詞なんですね。やっぱり表現者ならではの歌詞だなと、すごく感じました。

写真左より、兄の木村竜蔵、弟の木村徹二
表現者・坂東玉三郎は、すべてが“異次元”
実際にお会いしてみて、新たに発見された玉三郎さんの魅力は何でしょうか?
竜蔵 歌舞伎の世界の方とお会いするのも初めてでしたが、一番すごいなと思ったのは、クリエイティブなことに対してかなり貪欲なことです。たくさんのものを見聞きされていて、海外のいろいろな国の話をしてくださったり。こういう作品があって、こういう音楽がいいとか、それらに対する感度がものすごいと思います。もちろん当然のことですが、自分たちのレベルじゃないんです。
徹二 本当に僕らとは、すべての次元が違い過ぎるんですよね。24時間365日、ものを作ることや表現することを考えていらっしゃる方なので、そういう目線でお話しされます。それでいてすごくフランクに接してくださるので、僕らもお食事しながら緊張してガチガチになるようなことはないですが、ただその中での話題はいつもお仕事や表現のこと。そういう姿勢は見習わなければいけないと思いましたね。
公演に向けて、不安に思っていらっしゃることはありますか?
竜蔵 いままでは、兄弟ならではのかけ合いと仲の良さを前面に出してやってきましたが、今回は真逆の動きをしています(笑)。一緒に歌わず、曲を振り分けて歌うので、一曲一曲が個人戦になりそうで、ちょっとヒヤヒヤしますね。彼(徹二)はひとりでもステージに立つことありますが、自分はあんまりないので、そこが不安半分、期待半分でドキドキしています。
徹二 実は、僕らは期待されている中でのステージ経験がいままでないんですよ(笑)。“こいつらは誰なんだ”とか“鳥羽一郎の息子なんて大したことないだろ”と思われているのをバネに、「ぶちかましてやろうぜ」と2人で頑張ってきました。でも、今回はお客様が、“玉三郎さんが選ぶくらいだから、よっぽどいいんだろうな”とご覧になるわけですから…そこのところはドキドキですね。

まだお稽古も始まっていないということですが、いまはどのような気持ちでいらっしゃいますか?
竜蔵 我々に関わったことで、玉三郎さんのお名前に傷がつかないといいなという心配はありますが、玉三郎さんの目は確かだな、面白い人たちを見つけてきたなと、玉三郎さんのファンの方々に思っていただくことが、一番のお返しかなと思っています。そこが一番目指すところだし、そうなるようにしなければいけないですね。心配でもありつつ、楽しみでもあります。
徹二 まだ2人で練習していなくて、それぞれ自分が歌う楽曲に関して詰めている最中です。お互いの進捗状況が全然わかりませんが、そこはもう信頼しています。兄は中途半端な状態でステージに立つような人じゃないし、僕もそうです。相手のことを“大丈夫?”と心配する余裕がないぐらい、いまは曲を体に落とし込む作業が大変です。自分との闘いという感じですね。
最後に、読者の皆さんへメッセージをいただけますか?
竜蔵 我々のことを知っている方にも知らない方も、ぜひ来ていただきたいです。けっこうな規模のオーケストラ演奏になりますし、皆さんが知っているような楽曲もあると思いますよ。ひとつの体験として、頭を空っぽにして楽しんでいただけるような公演にしたいなと思います。ぜひぜひ観に来ていただけたらうれしいです。
徹二 遊園地と一緒です。遊園地に“この乗り物に乗りたくて行く”という人はあまりいなくて、あの空間を楽しみたくて行っていると思うんですよね。きっとそれに近い現象が起きるんじゃないかと予感していて、この歌を聴きに行くとか、どっちの歌を聴きに行くとかというよりも、この公演の世界を味わいに行くような楽しみ方ができると思います。そこを純粋に楽しんでいただければいいなと思います。

【PROFILE】(左)木村竜蔵 1988年11月29日、神奈川県出身。演歌歌手・鳥羽一郎の長男として生まれる。2006年、高校在学中にインデ ィーズデビュー。2012年、ミニアルバム『6本の弦の隙間から』でメジャーデビュー。2016年、弟・徹二と兄弟デュオ「竜徹日記」を結成。父・鳥羽一郎や弟・徹二の作品の作詞作曲を手がけるなど楽曲提供も行っている。 (右)木村徹二 1991年7月11日、神奈川県出身。演歌歌手・鳥羽一郎の次男として生まれる。2016年、兄・竜蔵に誘われ兄弟デュオ「竜徹日記」を結成。2022年には「二代目」で演歌歌手としてデビュー。2023年『第65回 日本レコード大賞』新人賞受賞。2024年、『第38回 日本ゴールドディスク大賞』ベスト・演歌/歌謡曲・ニューアーティスト賞受賞。 撮影/岡本隆史
INFORMATION
『木村竜蔵 木村徹二が歌う 坂東玉三郎の世界』

日程:2026年4月2日(木)~3日(金)
場所:東京・新橋演舞場
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202604_enbujo/


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