【Colorful Interview】エドアルド 気持ち新たに再出発！〜 ”笑顔と感謝を忘れずに”〜（前編）
ブラジル人初の演歌歌手として、2015年に日本の歌謡界にデビューしたエドアルド 。デビュー曲「母きずな」は、まさに自身と母親との愛を彷彿させるストーリーで、聴く者の胸を打ちロングセラーとなった。それから8年。突然襲った難病との闘い、ファンとの交流を阻んだコロナ禍を乗り越え、事務所移籍第一弾となる新曲「夢でもう一度」で歌手・エドアルドが再出発を果たす。これまでの道のり、そしてエドアルドの新たな挑戦となる今作について、前後編2回にわたりお届けする。
演歌歌手を目指して！
僕は、17歳のときにNAC（日本アマチュア歌謡連盟）の大会にブラジル代表として出場するために日本へ来ました。当時は、あの舞台に立つことが僕の夢。まさかその舞台で優勝するとは思ってもみなかったのですが、グランプリをいただき、そこから本格的に歌手を目指そうと決意したのです。
その8年後、2010年に来日しました。それまでは、ブラジルで修行の日々。サンパウロで、師匠の北川彰久先生のもとで日本の演歌を学んでいました。それも、いまでは日本でもない弟子入り修行です！ 北川先生は、大阪の音大を卒業後にまだカラオケがない時代にブラジルに移民で渡っている方で、日本の歌手になるための厳しさや知識を教えることができる人は、ブラジルでは先生しかいなかったと言っても過言ではありません。
先生は厳しくて何度も泣かされましたが、13歳の僕は一度も先生のもとを離れよう、辞めようなどとは思いませんでした。”僕のことを思ってくれているから、厳しく言っているんだ”と感じたときから、この先生についていくしかないと決めたんです。
恩師との別れ
演歌には、たくさん難しい日本語がありますよね。15年間、歌とさまざまな日本語の意味を教えていただき、使い方もすべて北川先生に教えてもらいました。まさに、エドアルドのお父さんは北川先生です。日本でデビューしたときは、はるばるブラジルから、僕のためにだけ来日してくださって、本当にうれしかった。北川先生からすれば、”この子はここまでよく頑張ったな”と思われたかもしれませんが、僕は北川先生がいたから頑張ることができたのです。
そこから毎年、年に1度、先生はNACさんの大会のたびに日本へ来ていたのですが、残念ながら2020年1月に他界されました。前作の「しぐれ雪」のカップリング曲「あなたこそ道しるべ」という歌は、先生への感謝の思いを歌った一曲です。先生を知る皆さんやお弟子さんは、あの曲を聴いていまだに涙を流し、ブラジルでも歌ってくれています。先生も喜んでいるかな。先生への感謝は、一生消えません。
師匠・北川彰久氏とのツーショット
ブラジル人初の演歌歌手・エドアルドの誕生
僕には、お母さんがいっぱいいます。生みの母、育ての母、そして日本に来てからいまも僕を導いてくれているあらい玉英先生。エドアルドは、本当に恵まれている人間ではないでしょうか！
まったくつてもないまま日本に来た僕は、いろいろなカラオケ発表会に参加して歌手になるチャンスを探していました。熱海で行われたカラオケ発表会に出場したとき、僕の前に歌われていた方があらい先生のお弟子さんで、僕の歌を舞台袖で聴かれて、”君の歌をあらい先生に聴かせたい”と声をかけてくれました。
昔、じつはあらい先生の曲をブラジルで歌っていたんです！ ビックリして、”ぜひ紹介してください”とお願いしお会いすることができました。先生とご主人様に歌を聴いていただいたとき、とても気に入っていただいてそこから先生がすぐに曲を作ってくださいました。デビュー曲の「母きずな」が完成し、事務所やレコード会社も先生が探してくださり、僕のデビューにつながっていきました。
師匠・あらい玉英先生と
あらい先生のもとに弟子入りをしたのが2013年末。そして、1年半後にデビュー。本当にご縁に感謝です。恩師のお二人は、神様。先生方がいなければ歌手・エドアルドは誕生していませんでしたし、いまでも先生方の存在が僕のすべてです。
3年ぶりの新曲は深い愛の歌
新曲は3年ぶりの発売になります。その間に闘病し、コロナ禍もありました。病気（多発性硬化症）については、いまでも右手に痺れは残っていますが、ふだんは慣れてしまったのか、病気だったことも忘れているくらいになりました。あたりまえにできることがどれだけありがたいことなのか…。そのときに励ましてくれて支えてくれた皆さんに、心から感謝です。
「夢でもう一度」は、恩師のあらい先生が初めて作曲だけでなく作詞もしてくださいました。先生のお母様が夢に出てきて、何が言いたいのか、何を言おうとしているのかわからないときに、ふと書き出した詞なんだそうです。ですが、お母さんというイメージをあえてこの曲の中には入れていません。お母さんだけではなくお父さんや好きな人、いまは会いたくても会えない人…誰にでも当てはまる思いを歌った深い愛の歌。そういうメッセージが込められています。
先生の初の作詞を歌わせていただけるということもものすごくうれしいです。そして僕のことをとても尊重してくださいながら作ってくれた楽曲なので、好きにならずにいられない！ 本当に歌いたくて歌いたくて仕方がないです（笑）！
レコーディングのときにその思いがあまりにも重すぎて、ディレクターさんやあらい先生、事務所の社長から”もう少し軽くさらっと歌ったほうがいいよ”とアドバイスが…。自分なりに考えて、子守唄を読んでいるような感じで歌えばいいのではないか？と思って歌ったら、”それそれ！”ととても大きな拍手をいただきました（笑）。
（後編へ続く）
【PROFILE】エドアルド 1983年12月9日、ブラジル・サンパウロ出身。5才のころ「浪花節だよ人生は」を聴き、日本の演歌のすごさに感動。26歳のとき日本の演歌歌手になることを夢見て単身来日。アルバイトをしながら多くのカラオケ大会に参加し歌の勉強に励むなか、作曲家・あらい玉英氏に出会い師事。2015年「母きずな」でブラジル人初の演歌歌手としてデビュー。2016年、『第49回日本有線大賞』新人賞を受賞。2023年に事務所を移籍し第一弾「夢でもう一度」を発売。併せてアメブロにて公式ブログをスタート。タイトルの「LAÇOS〜 KIZUNA〜」は、ポルトガル語で「絆」という意味で自身の好きな言葉。「絆、縁、リボンのことも表し大きい意味で「結ぶ」という意味です。ファンとの縁を結ぶという思いを込めて決めました。毎日更新を目標に頑張ります！」（エド）
NEW RELEASE!!
2023年5月17日発売
エドアルド 「夢でもう一度」
「夢でもう一度」
作詞・作曲：あらい玉英 編曲：杉本バッハ
c/w「母きずな」
作詞：たきのえいじ 作曲：あらい玉英 編曲：前田俊明
テイチクエンタテインメント TECA -23027 1,400円（税込）
CHECK!!
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