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【SIDE-B】三山ひろし 発売直後から反響続々!渦潮に“生き様”重ねた「鳴門海流」。涙のレコーディング秘話も

「人生は、生きるか死ぬか」。力強い歌い出しが印象的な三山ひろしの新曲「鳴門海流」が、6月の発売以来大きな話題を集めている。三山自身が歩んできた道に重なるという表題曲に込めた”渦潮の哲学”、そして母への想いを歌ったカップリング曲「からたち母情」のレコーディングでの出来事など、三山の魅力がぎゅっと詰まった3作品のとっておきエピソードをピックアップして紹介する。

 

自身の生き様と重なる「鳴門海流」

誰もが知る鳴門海峡の渦潮。その迫力ある情景をモチーフにした三山の新曲「鳴門海流」は、明るい曲調に乘って、聴く人の背中をぐいと押すようなストレートな歌詞が印象的だ。

三山 この歌詞をいただいたとき、まず思ったのが「自分の人生との向き合い方と似ているな」。デビュー前の苦しかった出来事を今も鮮明に覚えているというのは、実は当時不安でいっぱいだったのかもしれませんが、「歌い手になる」という一心から後ろ向きになることは一切ありませんでした。「♪人生は、生きるか死ぬか・・・」で始まり、そのあとに「♪ため息ついたら 負けになる」と続く、冒頭の歌詞のとおりです。まさにこの歌の世界観と一緒だなと感じています。

デビューして2、3年目のころでしょうか。曲を出すたびにキャンペーンに回るわけですが、1年目を終えて次の年も、その次の年も同じことをしていると気づいたとき、皆さんに曲を知っていただくことが目的ではあっても、実質的な利益を生んでいないから事務所やレコード会社など周りの人にまったく還元できていない。このままではいけない、と焦りがありました。現状に慣れてしまったら、そこで成長は止まってしまう。だから、何年後にはこうなりたいというビジョンを明確に描き、なおかつ応援してくださる方がワクワクしてくれるような人間になること。それも常に心に留めおいて活動していました。



渦潮を抜け出た今も、その精神は健在。男のロマンや生き様を歌い上げる本作は、三山にとって原点回帰ともいえる一曲だ。しかし、そこに重苦しさはなく、どこか楽しみながら歌っているような軽やかさも感じられる。

三山 今の時代生き方もいろいろで、ほどほどに仕事をして現状がキープできればそれでいいという若い人も多いと聞いています。でも、どうせならいろんなことにトライして面白がって生きたほうが有意義だと思うし、自分さえよければいいのでなく周りの人のことも考えながら、みんなでがんばっていこうという姿勢も大切ですよね。「鳴門海流」ではそんなことをあまり恩着せがましくなく、「人生、楽しんでますか」みたいなノリで多くの人に伝えられたらいいなと思っています。チャレンジして、ワクワクすることがひとつでもあれば周りの景色が違って見えるかもしれないから。

僕は譜わりに忠実というよりは、風景を思い浮かべながら「♪人生は・・・」と大きく歌ったあとに、「♪生きるか死ぬかの」と目いっぱいこぶしを回して、スケール感大きく歌っています。あとは「♪男の海だ」が2度繰り返されますので、カラオケではここに自分の生き様や、こんなふうに生きたいんだという思いを詰め込みながら歌ってもらうといいんじゃないかと思います。

 

レコーディングで思わず涙した「からたち母情」

母親を大切にする三山の思いは、歌にも表れている。タイプAのカップリングに収録された「からたち母情」も、そんな一曲だ。この曲のレコーディングでは、三山の人柄が垣間見える、こんなエピソードもあった。

三山 作詞の水木れいじ先生とレコーディングの際にお話して驚いたんですが、先生はデビュー当初から僕のことを気にかけてくださっていたらしく、記事を集めてスクラップもしていたとお聞きしました。この曲は僕の生い立ちをよく知っておられるからこそ生まれ、詞を読んだときは”よくぞここまで”と感動しました。とくに2番の「♪晴れ着一枚 買うでなく」はまさにそのとおりで、自分のことは二の次で必死に子育てしてくれた母。レコーディングではそれが思い出され、「ちょっと待ってください」と収録を止めてしまったほどでした。同席していた作曲の弦哲也先生が「これいいよ」って言ってくれましたが、涙のせいで歌になっておらず、残念ながら世に出すことはできません(笑)。

コンサートではあまり感情移入しないように歌うつもりでしたが、実体験している身としてあまりきれいに歌うよりも、声を振り絞ってもいいかなと思うようになりました。もちろん歌にならないと困りますが、僕の素直な気持ちが伝わるように心を込めて。高知のコンサートには母も来て、客席で聴いてくれました。会ってはいませんが、僕も胸がいっぱいでしたから母も同じ気持ちだったのではないでしょうか。

「肩こり」から生まれたユニークな曲調の「チョウゲンボウ」

タイプBのカップリング曲「チョウゲンボウ」を作曲したのは、三山ひろし自身。作家名義「中村心一」として、作詞・作曲を手がけた「KENDAMA DO DANCE!」を初作品に、今年4月には師匠・松前ひろ子へ「片恋文」「ひろこ抄」を提供している。歌だけではない、三山の“作り手”としてのセンスにも注目したい!

三山 中村先生と呼ばれても、「は? 誰のことですか」という感じです(笑)。今回は作曲を担当しましたが、まず歌い出しにタイトルである「チョウゲンボウ」がきているから、頭からここまでは一気に歌い切ったほうがいいと考えました。で、そのあとの歌詞に「肩こり」ってあるんですけど、この言葉って演歌にはない、すごくナマっぽい言葉だなと。前田たかひろ先生も、「たぶん初めてじゃないか」と言っていました。「肩こり」からはまさに日常の匂いがする。ならば少し砕けていいんじゃないかということで、中盤は曲調を一気に変えてつくってみました。

チョウゲンボウは鳩くらいの大きさで、鷲や鷹のように勇壮な感じの鳥ではない。獲物を狙う鋭さがある一方で、エサが取れずに何度も失敗したりして、そんな可愛さもあるからメロディーも「肩こり」に合わせてポップなイメージでいいと思ったんです。家族のために一生懸命働くマイホームパパにも思えて、曲調としてはマイナーとメジャーの転調で構成。自分で「何だか面白いな、この歌」って、楽しみながら仕上げた曲です。ただ、担当ディレクターさんに言われました。「自分で歌うって想定してつくってないでしょ」って。そのとおり・・・。テンポが一気に変化するし、浪花節の要素が入っていてそこからきゅっとキーを高くしている。つまりキーをいっぱいいっぱい使っているから、歌うのはちょっと技術がいるんです。気持ちだけでつくってしまったので、今は”何でこんな曲つくっちゃったんだろう”って思っています(笑)。


【PROFILE】三山ひろし HIROSHI MIYAMA 1980年9月17日、高知県南国市出身。「祝い船」などの作曲家・中村典正氏の下で修業し、2009年「人恋酒場」でデビュー。同曲は10万枚を突破し2010年、日本レコード協会よりゴールドディスクに認定される。それ以降ヒット曲多数。『輝く!日本レコード大賞』『日本有線大賞』などでの受賞歴多数。2015年『第66回 NHK紅白歌合戦』から連続で11年間紅白出場中。「連続でけん玉をキャッチした人の最も長い列」でギネス世界記録を持つ。温かく清々しい”ビタミンボイス”で幅広い世代の人々を魅了し続けている。
(取材・文/藤井利香)

 

NEW RELEASE!!

2026年6月24日発売
三山ひろし「鳴門海流」【タイプA】

「鳴門海流」
作詞:万城たかし 作曲:弦哲也 編曲:南郷達也
c/w「からたち母情」
作詞:水木れいじ 作曲:弦哲也 編曲:南郷達也
日本クラウン  CRCN-8851 1,550円(税込)

2026年6月24日発売
三山ひろし「鳴門海流」【タイプB】

「鳴門海流」
作詞:万城たかし 作曲:弦哲也 編曲:南郷達也
c/w「チョウゲンボウ」
作詞:前田たかひろ 作曲:中村心一 編曲:石倉重信
日本クラウン  CRCN-8852 1,550円(税込)

 

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