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【Colorful Interview】祝!デビュー50周年。山本譲二が万感の思いを込めて歌う~「妻よ…ありがとう」

デビュー50周年を迎えた山本譲二の記念シングル第一弾「妻よ…ありがとう」は、下積みのころから苦労をかけてきた妻への感謝の気持ちを、山本の親友・吉幾三が手がけた作品だ。またカップリング曲の「恋しき孫よ」の他、ボーナストラックにはSNSをにぎわせている“メタル化計画”の最終章としてメタル楽曲「言論の自由」を収録。山本の50周年を飾る・にふさわしい、演歌歌謡界史上初(?)奇跡の作品が完成した!

 

これまで支えてくれた妻に“ありがとう”、なかなか言えないから歌で伝えたいね

デビュー50周年おめでとうございます。奥様への感謝にあふれた新曲「妻よ…ありがとう」、素敵な作品ですね。

山本 親友の吉幾三と酒を飲みながら、“50周年を迎えるんだ”と話をしたら、“どういう歌を歌いたいんだよ”と吉が聞いてきたんだよね。それで“やっぱり夫婦の歌がいいかな。女房がいなかったら、いまの俺はいなかったよ。おまえのところもそうだろ”と返事をしたら、“それなら俺が書いてもいいか。俺にまかせろよ”と言ってくれた。届いた詞を読んだとき、“この詞にはウソがないな”と思いました。これは僕ら夫婦の歌でもあり、世の中のご夫婦…とくに男性の思いを妙に言い当てている歌です。

吉さんに依頼してできあがった曲を、実際に歌われてみていかがでしたか?

山本 1小節1小節、歌うごとに、吉の温かさというのか、あいつが僕のために書いてくれたんだなと感じられる。本当にいい歌なんですよ。だけど、なんであいつはレコーディングに立ち会わなかったんだ(笑)? 実はそのとき吉は酒を飲んでいて、腹を抱えるくらい面白いんだけど、“もうレコーディングするから帰ってくれ”と言ったら、本当に喜んで帰りやがりましたね(笑)。たぶん…自分がいたら“ここはこう歌ってくれないか”とか口を出したくなる、それがいやだったんじゃないかな。あいつなりの気の配り方で、酔ったふりしてあーだこーだ言って、僕に“帰れ”って言わせたかったんだろうね。

奥様に対しての感謝の気持ちはこの曲のとおりだと思いますが、それを書いてくださった吉さんもありがたいですね。

山本 ふだんは“ありがとう”とか“お前がいたから”なんて、男はなかなか言えないけど、歌だと伝えられるんだよね。吉も僕も同じような感じで生きて、似たような経験をしてきましたからね。電気代が払えなくて、電気を止められて真っ暗になっちゃったり、“命なんて捨てたってかまいやしねえや”と思いながら生きていたこともある。売れ始めてからは、“振り向かずに 歩いてた お前を忘れて”というのも、本当にそうだし。それでも“盾になり 壁になり”“傘になり 明かりを灯し”てくれたのは女房なんだよ。そういうのがちゃんと書かれているし、よくこういう詞が出てくるよなあと感心するね。本当に素晴らしい詞だと思います。

若いころはそういうありがたみに、気づかないものですか?

山本 気づかなかったですねえ。いまでもイケイケで頑張っているつもりですけど、若いころはもっとイケイケでしたから(笑)。“守りに入るな”と言われるような世界で、30年、40年、50年と生きてきて、いまやっと振り返った。そこにはいつも女房がいたんですよね。彼女は吉が歌っているデモを聴いて、“俺のこの手… 離すな”のところで涙が出ると言っていました。やっぱり女房の支えがあって、女房が守ってくれていたからいまがある。“この先は これからは その手 俺が引いてゆく”と詞にあるように、これからはゆっくりと、ゆったりと歩いていきたいね。本当に“妻よ ありがとう”です。

カップリングの「恋しき孫よ」は、もちろん譲二さんのお孫さん“雅也くん”のことですよね。

山本 これは表題曲の話をした後で、“じゃあ裏(カップリング)は?”と吉に聞かれて、“孫のことを歌いたいんだよね”と話したらできてきた曲です。孫の雅也は7歳になって、自転車も上手になりましたよ。一度、自宅から僕の家まで、汗をびっしょりかいて自転車で来てくれたね。吉からはひとつだけ注文があって、一番最後の“恋しき孫ヨ”のところを、雅也のために“恋しき雅也”と歌ってくれと言われたんですよ。歌詞を“雅也”にして歌ったCDを一枚だけ作ってもらって、車の中で聴かせました。そしたら、じーっと聴いていたんだよ。で、最後の“雅也~”で、にやーっと笑いましたね(笑)。うれしかったみたいだな。

 

言いたいこと言っちゃおうぜ!「言論の自由」は俺たちの権利だ

ボーナストラックの「言論の自由」は衝撃的でした! 共感する人が多いのではないでしょうか。

山本 皆さんが言いたいと思っていることを、僕と吉が代わりに歌っているんですよ。だって本当のことでしょう?腹が立ってるわけですよ、この国に。だったらそれ、言っちゃおうぜ!言いたいことを言えるのが“言論の自由”だろ…ということです。吉がこの曲を出してきたら、スタッフもメーカーさんも、“これはちょっと…”って渋りましたよね。でも“何かあったら全部俺が責任を取るから。いいんだ、俺はやるんだ”と押し通しました。だって「言論の自由」は日本国民の権利でしょう。僕らの主張を、きっちり通させてもらいました。

もしかしたら吉さんは、ヘヴィーメタルの曲を作られたのは初めてかもしれませんよね。

山本 そうでしょうね。一緒に酒を飲んでいて“二人でメタルを歌わねえか?”と言ってみたら、“メタル、いいじゃねえかよ。作るぜ!二人で歌うぜ!”と言ってくれたんですよね。そうこうしているうちに、“山本譲二&吉幾三”じゃなくて、“J&J”でいこうと言い出した。“いいねえ。ジョージと…おまえのJは何なんだ?”と聞いたら、“ジョージじゃねえよ。ジジイ&ジジイなんだよ”って言うんだけど(笑)、僕は“ジョージ&ジジイ”だと思っています(※)。METALLICA公認のトリビュートバンド・HATTALLICA(ハッタリカ)が素晴らしいアレンジをしてくれましたよ! 「みちのく忘れ雪」ギターコンテストで優勝した長谷川太一くんも一緒にやってくれたんだけど、すごくうまいんだよ。
(※ジョージの頭文字は“G”)

J&JとHATTALICA(後列中央は「みちのく忘れ雪」ギターコンテストで優勝した長谷川太一氏)

シャウトから入っていますが、自然に歌えましたか? 最後に咳き込むような演出も面白いですね。

山本 いやあ、“歌はどこから入るのよ?”って戸惑いましたよ。“わけわかんねえから、おまえが歌え”と吉にやらせようとしたら、“ダメだ、山本が最初に歌うんだ。鼓だ鼓”と言うんですね。鼓ってなんのことだろうと思ってたんですけど、オケに鼓が入っていたんです。鼓の音ががトトトトトンと鳴り終わったところが、歌い出しの合図になっていました。吉はここまで考えて作ってくれていたのかと、本当に驚きました。今回はあいつのすごさを、あらゆるところでしみじみと感じましたね。二人とも、歌い終わったらはぁ、はぁ、はぁ…。“ついでに息切れまで録っちゃえよ”と録りました。あれは演出じゃなくて、マジです(笑)。

▲J&J feat. HATTALLICA with 長谷川太一「言論の自由」

今回も楽しいお話をありがとうございました! 50周年記念シングル「妻よ…ありがとう」について、最後にひと言お願いします。

山本 とにかく楽曲がいいから、すごいやる気になっています。どこでコンサートやろうかとか、記念リサイタルはどうしようか、そんなのはもうどうでも良くなっちゃいそうなくらい。本当にもうどうでもええわ(笑)。それよりも、この曲を頑張りたい。いまはただそれだけです。すごくいい50周年になったなと思っています。皆さんもぜひ、聴いてください。

 

🌈アフタートーク🌈

清水マネージャーが語る!『山本譲二メタル化計画』

最初は、僕がメタルが好きなので山本譲二にもメロイックサイン(※)をやらせてみようと思ったのがきっかけです。それをX(旧Twitter)にアップしたら、メタルの方々の間で“なんで山本譲二がこれをやっているんだ⁈”と話題になりまして…。それで調子に乗って“山本譲二メタル風Tシャツ”を勝手に作りまして、『山本譲二メタル化計画』の象徴として打ち出しました。それがものすごく売れちゃって、演歌界の若い人たちも着てくれています。
次に“メタル化計画第2弾”として「みちのく忘れ雪」のイントロをメタル風に弾くギターコンテストを開催しました。グランプリを受賞した長谷川太一くんが、「言論の自由」でもプレイで参加しました。
それで、第3弾が今回の「言論の自由」。吉さんはメタルに対して、だいたいこんな感じだろうというイメージを持っていらしたようです。デモ音源から、すでに吉さんのシャウトが入っていたので“やったー!”と思いました。これはHATTALLICAさんにアレンジを頼んだら絶対にイケると確信しました。完成したのこの曲は、まさに「ミラクル」です!
(※人差し指と小指を立てるへヴィーメタルのハンドサイン)

 

【PROFILE】山本譲二(やまもとじょうじ) 1950年2月1日、山口県下関市出身。1967年、第49回夏の甲子園大会に出場(西中国地区代表・早鞆高等学校)。演歌歌手になりたくて上京し、作曲家の浜圭介氏に誘われて芸能界入り。1974年「夜霧のあなた」でデビュー(伊達春樹名義)。その後北島三郎の付き人になり、1978年に北島音楽事務所に移籍した。1980年「みちのくひとり旅」がミリオンヒット。「全日本有線大賞」グランプリ『第23回 輝く!日本レコード大賞』ロング・セラー賞他、多くの音楽賞を受賞する。『第32回 NHK紅白歌合戦』に出場。ラジオのレギュラー番組USEN(C-42ch)『ジョージのぶち好きやけー!』が好評O.A.中。

(取材・文/夏見幸恵)

 

 

NEW RELEASE!!

2024年7月24日発売
山本譲二「妻よ・・・ありがとう」

「妻よ・・・ありがとう」
作詞・作曲:吉 幾三 編曲:伊戸のりお
c/w「恋しき孫よ」
作詞・作曲:吉 幾三 編曲:伊戸のりお
ボーナストラック「言論の自由」
ユニット名:J&J feat. HATTALICA with 長谷川太一
作詞・作曲:IKZO 編曲:KIRZ(HATTALLICA)
テイチクエンタテインメント TECA-24036 1,500円(税込)

 

CHECK!!

山本譲二オフィシャルサイト
山本譲二オフィシャルブログ
山本譲二公式X
山本譲二公式YouTubeチャンネル

 

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