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【Colorful Interview】MIKAGE PROJECT 〜新曲「神長老林節」に民謡への愛とリスペクトを込めて〜

尺八奏者・佐藤公基、津軽三味線奏者・浅野祥、箏奏者・本間貴士。和楽器を自らの体の一部のように鮮やかに操り演奏する若き3名のスペシャリストが集い、2020年に結成されたMIKAGE PROJECT。彼らの1st配信シングル「神長老林節(かんちょろりんぶし)」が、2月18日にリリースされた。
「民謡を再編成する」。その高い志のもとに挑戦を続ける3人の民謡への愛とリスペクト。そして祈りのメッセージを込めた、渾身の力を注いで完成した意欲作だ。
思うように自由に旅をすることもままならないコロナ禍の今。MIKAGE PROJECTの民謡が、音楽が、私たちに新たな世界を見せてくれる。

 

「神長老林節」が僕らを素敵な縁でつなげてくれた

 

新曲のリリースおめでとうございます! はじめに、「神長老林節」について教えてください。

佐藤 「神長老林節」は福島県の南相馬地方に伝わる最古の民謡といわれています。民謡というのは、労働歌であったりお酒の場の音楽であったり、大衆の間で生まれ愛され歌い継がれてきた音楽ですが、全国47都道府県で今4〜5万曲はあると言われているんです。でも私たちが知らないだけで、まだまだたくさんあるんだと思います。その中でも、福島県は民謡の宝庫ですね。

4〜5万曲! その中からなぜ今回「神長老林節」を新曲に選ばれたのでしょうか。

佐藤 今回は私が選曲しました。単純に昔から好きな曲だったんですけれど、(歌を担当している)祥さんが歌ったら絶対いいだろうなぁと思いました。いい曲というのはコードもつけやすいですし、メロディーや歌の旋律がお箏にも合う気がしたので、本間さんにも聴いてもらったら「この曲素敵だね」と言ってくれたので、これはMIKAGE PROJECTにピッタリかなと思いました。そこが一番の理由ですね。

アレンジについては、どのような流れで進められたのですか?

佐藤 基本的には、いつも3人一緒に「方向性はこんな感じで」と同じ空間で意見を出し合います。この曲に関しては、私が「アレンジはちょっとバラードな感じにしたいんです」と二人に伝えて、それを具現化してもらいました。

その際に3人の意見がわかれることはありますか。

浅野 あまりないですね。それぞれ育ってきている畑が違うので、みんながみんなを尊重し合っているという感じです。

本間 いつも仲良くやっているよね。

MV(ミュージックビデオ)の撮影の舞台となったのは、「神長老林節」の発祥の地、相馬郡鹿島地方に位置する寳蔵寺。撮影はいかがでしたか?

本間 当時はまだ雪が残っていて、とにかく寒かったですね。寳蔵寺さんは延暦20年(801年)に坂上⽥村⿇呂が建造した歴史ある寺院です。そして南相馬は神事である”相馬の野馬追”で有名な場所です。野馬追は東日本大震災の後、ここ3年間は実施できていないとお聞きしました。僕は南相馬には初めてうかがったのですが、この曲が、土地の方々がずっと伝えてきた歴史や場所と僕らを素敵なご縁でつなげてくれたと感じました。

佐藤 そうだね。今回の撮影では、初めてゲストとして震災も経験されている南相馬出身の民謡歌手、沢田藍さんをお招きして出演していただいて、お囃子を入れていただきました。いろいろな方の力をお借りしながらも、本当に「神⻑⽼林節」のおかげで寳蔵寺さんとも出合いうかがうこともできましたし、すごく縁が広がりました。

左から箏奏者の本間貴士、津軽三味線奏者の浅野祥、尺八奏者の佐藤公基。

浅野さんは宮城県仙台市のご出身ですね。南相馬を訪れたことは?

浅野 はい。僕は南相馬には震災の直後くらいにうかがったことがあります。先日知ったのですが、僕の義理の祖母が寳蔵寺の近所に住んでいたそうです。野馬追にも僕は結構行ったことがあります。お祭りのようでお祭りじゃないというか、粛々と伝統を受け継ぎ続けているという、命のサイクルみたいなものを野馬追に行くといつも感じていました。だから今回はその感覚がブワッと蘇ってきて、「神⻑⽼林節」の歌詞が云々とかそういうことではなくて、あの場で僕たちの出来上がった音源を聴きながらMVを撮影しているときにすごく懐かしさを感じて、ふと民謡ってそういうものなのかもと思いました。だから、みんな歳を重ねて、全然興味がなかった人たちも地元に久しぶりに帰ったときに、民謡が流れてくると「懐かしい」と思うのかなぁとか思ったりして。この曲のパワーは、あの場所に行かなかったら感じなかったと思いますね。

MVを拝見しましたが、白装束にメイクを施された皆さんがとても神々しくて、そこにお寺の空気感が交わりとても幻想的でした。

浅野 ご覧いただいたファンの皆さんから「クールビューティー」というお声が多かったですね。

佐藤 とくに、祥さんが綺麗という声が……。

浅野 ヘアメイクの変化師オリさんが素敵なメイクをしてくださったおかげです! 今回は金箔をあしらって、蒔絵という昔から読まれていた絵巻物、物語から出てきたような神秘的な感じを歌をずっと聴きながらイメージしてくださったそうです。

本間 MIKAGE PROJECTは民謡を再生させていこうという”プロジェクト”で、楽曲やMVの世界観をはじめ、僕らのプロデュース的なこともチームのみんながそれぞれにいろいろなアイデアを考えて実行してくれます。理想的な形ができているなと思っています。

佐藤 そうですね。僕たちは本当もう民謡を作るだけ。そのほかはチームの皆さんが力を貸してくれて活動できています。本当にありがたいです。

「神⻑⽼林節」を再生するアレンジ上でこだわった点はありますか?

佐藤 曲へのこだわりという意味では、すごく凝っています。曲の中で「相馬流れ山」という野馬追の国歌と言われる曲を僕が尺八のソロで吹いているんですけれど、その中に三味線のバッキング(※)が入っているんですね。これは福島県の民謡は全部それで歌えると言われるものなんです。決まったフレーズがあって、これでみんな昔は歌ってたんですね。それがわからないように三味線がバッキングに入っていて、聴かれた時に「あ、この子たちは民謡をわかってるな!」とわかる方にはわかると思います。そういうアイデアとか、遊び心みたいなものも入れたりもしていますのでよく聴いていただけたらうれしいですね。

※バッキング:ソロや歌などの背後で演奏されるもの。 伴奏とも呼ばれる


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