【Colorful Interview】天童よしみ 昭和を生き抜いた女の一途な愛 〜新曲「昭和かたぎ」で世の中に明るい光を〜
天童よしみが2月21日、新曲「昭和かたぎ」を発売する。作詞を水木れいじ氏、作曲は水森英夫氏という黄金コンビによる本格演歌。頑固で、ある意味不器用な昭和かたぎの男を一途に愛し抜く、優しいけれども強い芯のある女を天童節で歌い上げている。自分自身も「昭和かたぎだ」という天童が、暗いニュースの多い世の中に明るい光を灯したいと熱い思いを話してくれた。
昭和、平成、令和と生き抜いてきた私も、“昭和かたぎ”
いよいよ皆さんのもとに、2月21日、天童よしみの新曲「昭和かたぎ」をお届けします。このタイトルが、まずはかっこよくて!久しぶりに歌いがいのある曲に出合ったなと感じています。
いろいろなことがあって、それを乗り越えてきた昭和。その時代の古さを出すのではなく、当時を生き抜いてきた女性が、令和の時代でも好きな人の背中に寄り添っている。これからも一緒に支え合って生きていくというドラマを描いた曲です。歌詞に“やっぱり 昭和の女です”と出てきますが、相手も同じく“昭和の男”なんですよね。昭和かたぎ(※)で、頑固で意地っ張りなところがあるけれど、強さのある人だからこそ惹かれる。そんな主人公の女性も、間違いなく”昭和かたぎ”ですね。
※昭和かたぎ(昭和気質):昭和を生きた人々の持つ独特な性格や気性のこと
若い人は若い人で面白いし、発想もすごいですけれど、昭和かたぎの人とは話をしていて一番安心できますね。スタッフが平成12年生まれだと聞くと、“美空ひばりさんが亡くなってもう12年も経っているわ”と驚きますし、その年(2000年)に私は「道頓堀人情」で紅白でトリを取らせていただいたんですよね。そして、昨年(2023年)の紅白では、大阪の通天閣の前でまた「道頓堀人情」を歌わせていただいた。そう考えると、ものすごいことですよ。昭和、平成、令和と生き抜いてきた私も、もちろん”昭和かたぎ”の女です。
皆さんの心に明るい光を灯していくこと…それが私の使命
最近は悲しい知らせが立て続けに届いて、元旦には大きな災害(能登半島地震)が起こりました。私自身、ものすごく考えさせられました。今年はみんなが“幸せだな”と感じられるような、明るい光を灯していく。それが私の使命かなと、はっきりと思いました。
いま、北陸で被災された方々の生活は、明日も命があるのかしらと思うくらい深刻な状況で、“幸せに明るく”どころではないと思います。でも、少しずつ立て直していってほしいと、生活に潤いを取り戻してほしいと願いながら、私も頑張ります。いますぐには難しいですけれど、もっともっと落ち着いたら実際に訪れて歌いたい。八代亜紀さんも水害や地震があったときは慰問に行かれて、被災された方を励ましていました。いまは私が「亜紀さんの分まで頑張るからね。見守っていてね」と、強い気持ちを持っています。
私はたくさんのヒット曲を出された八代さんのイメージが染みついているテイチクに入ってから、「道頓堀人情」でいきなりの大ヒットをさせていただきました。そこからずっと、紛れもなくブレない”天童よしみ”があるわけですね。その恩返しも含めて、歌謡界がもっと明るくなるようにしたい。八代さんも冠二郎さんも亡くなられて、とても寂しいです。でも、歌手の仲間みんなで力を合わせていきたいと思っていますので、今年の歌謡界はちょっとすごいんじゃないかな…気合いの入り方が(笑)。私も、私のパワーを皆さんに差し上げたいです。
母は私のパワーの源です
私のパワーの源は、ずっとそばにいてくれる母です。今年の2月で91歳になりましたが、年齢を感じさせません。いつもメイクをして、ヘアスタイルもネイルもきちんとしています。「今日のご飯は何にしよう。どうする?」なんて聞いてきて…作るのは私だから、少し邪魔くさいんやけど(笑)。
母のエネルギーのようなものを、最近はとくに感じるようになりました。昨年はダウンして「よしみちゃん、ごめんな。入院せなあかんようになって」という時期もありました。でも、「よっしゃ!頑張って復活するで」というその気合いとエネルギーはすごかったなと思う。私の祖母である母の母もそうでした。105歳まで生きましたからね。自宅で母と生活できるというだけで、本当に幸せを感じています。
そんな私の母も、昭和かたぎ。この歌は、父と母の物語そのものですね。今年は父の17回忌を営もうと思っているんですけれど、父が最期に私に言った言葉は「お母ちゃんを頼むよ」だったんです。「お母ちゃんを大事にしてやってほしい。おまえが楽しいなと思うところ、おいしいご飯を食べられるところへは、すべてお母ちゃんも連れて行ってやってくれ」と。ここまで想っている夫婦ってすごいなと思いました。普通は「娘を頼む」と言いますよね(笑)。その夫婦の固い固い絆があったから、私が生まれて。苦労して苦労した証しが、この「昭和かたぎ」という曲の中に入っているなと。そのことを思い出しながら、ぐわーっと胸が締めつけられるような気持ちで歌っています。
私らしく歌える「昭和かたぎ」をぜひ聴いてください
今年52年目になりますが、デビュー50年を過ぎてからもう“50”は取っちゃって、1年…まだ2年、来年は3年目やなという気持ちでいます。
今年は、“いまさら、もういいやんか”と思われるかもしれないけれど、習い事を始めたいんです。書道を…大きな筆で書くのをやってみたい!書く文字はもう決めています。「昭和かたぎ」と大きい字で書きたい!袴をはいて、バケツに筆を突っ込んでね(笑)。ぜひその様子の動画を撮って、YouTubeにアップしたいですね。
それから、今年は生のステージを、できるだけたくさんの方にご覧いただきたいですね。大きなホールばかりではなく、じっくり染み入るような距離で聴いてもらいたいなと思います。テレビもいいのですが音声が調整されるので、生のビンビン響く歌を聴いてほしいのです。
これまで新曲を発売するときは“皆さんの心に届くかな?大丈夫かな?”と、いつも考えていました。でも「昭和かたぎ」は、肩ひじはらずに届けられる私らしい歌。“私がここにいるで~”と、そんなふうに感じられる歌です。昭和生まれでない若い方も、難しく考えないで、いっぺん聴いてみてください。
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2024年2月21日発売
天童よしみ「昭和かたぎ」
「昭和かたぎ」
作詞:水木れいじ 作曲:水森英夫 編曲:猪股義周
c/w「花の春」
作詞:水木れいじ 作曲:水森英夫 編曲:猪股義周
テイチクエンタテインメント TECA-24003 1,500円(税込)
CHECK!!
天童よしみオフィシャルサイト
天童よしみInstagram
天童よしみ公式YouTubeチャンネル「なめたらアカンちゃんねる」
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