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【Colorful Interview】堀内孝雄 これからも夢を追いかけて…心意気はいつも「青くあれ!」

堀内孝雄が4月17日、5年8カ月ぶりとなるシングル「青二才~わが友よ」を発売した。生涯現役を目指す人が増えている現代だからこそ、“新鮮な気持ちを失わず、夢を追いかけて走り続けよう”と幅広い世代にエールを送る応援歌だ。カップリング曲は、2013年4月発売のアルバム『アリスXI』に収録されていた「ユズリハ」。昨年逝去した谷村新司への鎮魂の思いを込めて、ソロで録音し直した。アリスのメンバーとしてデビューし54年目。いくつもの音楽シーンを彩ってきた堀内が、歌詞の“青くあれ 青くあれ”に込めたメッセージ、そして盟友だった谷村への思いをストレートに話してくれた。

 

われわれの世代に送る応援歌

このごろは「人生100年時代」なんて言われています。これは、われわれの世代には逆にプレッシャーに感じることがあります。“そんなこと言ったって、明日死ぬかもしれないんだからさ”と、みんな思っている(笑)。だから今回の新曲について作詞の石原信一さんと話をしたとき、私から“そういう年代の人たちへの応援歌になるような詞を作ってください”とお願いしました。そうしたらこの曲「青二才~わが友よ」ができてきました。

青くあれ 青くあれ
友よおまえと いつまでも
(「青二才~わが友よ」より)

“青くあれ”というのは、非常に難しいことです。ずっと“新鮮な気持ちであれ”ということですから。どんなものでも時が経てば朽ち果てて、色褪せていくのが当たり前。だけど見た目がそうであったとしても、心は、自分の心がけ次第でずっと青いままでいられます。そう思っていないと、背中がどんどん丸くなっていくような気がする(笑)。“そんなこと言わずに頑張ろうよ”という自分への、そして皆さんへの応援歌が「青二才~わが友よ」です。

同世代の仲間が集まったら、どこそこが悪いだの血糖値がどうだの、病気の話ばかりですよ。井戸端会議をするのは、女性だけじゃないんです(笑)。いつも同じ話題ばかりで変わらないけれど、それが安心感につながったりするんだよね。相手のしぐさとか振る舞い方を客観的に見てみると、“ああ、年を取ったな”と感じます。たぶん向こうも同じように感じているはず、なんて思うと、男性も女性も関係なくみんなのことが愛しくなってくる。ずっと長生きしてほしいなと思います。そうじゃなくても、一人減り、二人減りしていくんですから。うちでもこの間、谷村新司が亡くなりました。いつかは、友との別れがくるんですよね。

 

互いに”負けたくない”という思いがあったから、長く続けられた

カップリングの「ユズリハ」は、2013年4月に発売されたアルバム『アリスXI』に収録されている作品で、作詞が谷村で作曲が僕。谷村と二人で分け合って、しっとりと歌っている様子が浮かんでくる曲ですが、それを今回はソロで歌いました。“ゆずり葉”は若い葉っぱが出てくると、もともとあった葉っぱが“そろそろ散るときだな”と、察したように落ちていく木です。花言葉も“世代交代、若返り”だそうです。谷村はそんなことを意識をして書いたわけではないと思いますが、この曲が谷村へのはなむけ、鎮魂歌になればいいなと思っています。

時々、僕と谷村のことをSNSなどにおもしろおかしく書かれることがあります。僕が谷村を妬んでいるとかね。書いた人がどこまで本気にしているのかわかりませんが、ある意味では本当のことです。そうでなければ、お互いにライバルでいてもつまらない。ただ仲良しなだけでやっていても、発展がないのです。”こいつにだけには負けたくない!”と思った瞬間から、いい作品が生まれる。だから“妬む”という言葉とはちょっと違う。
たとえば、谷村が「ベーヤン、こんなのができたよ」と詞を渡してくる。僕がそれになんとか曲をつけて聴いてもらうと、谷村は「へえ、いいじゃん」なんて言う。でも内心は、もっと感動しているはずなんです(笑)。僕は僕で「まあ、いい詞じゃないですか」とさりげなく言いながら、本当は“すごくいい詞だな。やられたな~”なんて思っていたりね。そういう気持ちがなかったら頑張れないし、相手として不釣合だと思う。絶対に負けたくない、がっかりさせたくないという気持ちがお互い様だったから、僕らは長く続けられたのでしょう。

 

若い世代が時代を作る。“折れることなく突き進め”

いまの若い人たちのことは、僕はもう理解できないです(笑)。でも、時代っていうものはこうやって作られていくんだなと、テレビを観ていて思います。“うっせぇわ(※)”なんて言葉が、歌として成立する。僕はあんなふうには歌えないから、“すごいなあ”と逆に憧れたりもします。
ラップだって、リズム感やあの感覚を自分の中に持ち合わせていないと、できないでしょう。頭でクルクル回ってみせる…ブレイクダンスですか?もっと無理だもの(笑)。大人が“ばかばかしい”“何をやっているんだ”というようなことを、自然にやっている。それが若い人にアピールして、すんなり受け入れられていく。僕らもそうだったとは言いませんけど、常に若い世代が時代を作るものなのでしょうね。
(※「うっせぇわ」はAdoの楽曲。メジャー1作目の配信限定シングルとして2020年10月23日リリース)

若い世代へエールを送るとしたら、“折れることなく突き進め”と言いたいですね。一度ぶちあたって、自分の思い込みに気づいてみるといい。それは負けではなくて、成長の糧にできれば次の一歩が大胆に取れるようになる。昔は僕らも、生意気そうに見られていたんだろうなと思います。テレビ局で“おいーっす”なんて、片手を挙げてあいさつしたりしていましたしね(笑)。いまの子たちも“なんだ、おまえらは”と言われながら、結果的にはいい曲を生み出したりしているじゃない。大人は“まだ青いくせ”にと言いつつ、実は憧れているんですよね。自分もやれたらいいなと思ってもできないことに歯がゆさを感じているうちは、僕らもまだ若さに手が届いているのかな(笑)。

 

“青くあれ”とは、気っ風を捨てないこと

いつも新鮮にものごとにぶつかっていくことを、僕らも忘れないでいたいですね。どうしても年を取ってくると分別がついてきて、仕事でもなんでもこなれてきちゃうんですよね。きれいにまとめようとして結果がつまらなくなることを、“大人”とは呼びがたいな。分別はそれとして備えておかなくちゃいけないと思いますが、心意気は青二才のままでいいんですよ。いくつになっても、どこか反発するような気持ちがないとね。“青くあれ”とは、気っ風を捨てないことですね。

約6年ぶりのシングルを出させていただきましたが、この曲の歌詞は自分の中にもふつふつと若さがあるんだなと気づかせてくれました。奮い立たせてくれるような何かを「青二才~わが友よ」からもらえたので、皆さんにもそれが伝わったらいいなと思います。“このノリでいこうじゃないか!”みたいな感じで受け止めていただいて、カラオケなんかも楽しんでいただけたらうれしゅうございます(笑)。どうぞよろしくお願いします。

 

【PROFILE】堀内孝雄(ほりうちたかお) 1949年10月27日、大阪市出身。大学在学中、アマチュアバンドサークルで谷村新司と出会う。1971年 にアリスを結成し「走っておいで恋人よ」でデビュー。「冬の稲妻」「チャンピオン」「ジョニ ーの子守唄」「秋止符」他、ヒット曲多数。ソロ歌手としても「君のひとみは10000ボルト」、滝ともはるとのデュエット曲「南回帰線」などをヒットさせた。1986年「愛しき日々」で演歌・歌謡曲へ転向、1990年「恋唄綴り」で日本レコード大賞(演歌・歌謡曲部門)を受賞。趣味はタブレットゲーム。

 

NEW RELEASE!!

2024年4月17日発売
堀内孝雄「青二才~わが友よ」

「青二才~わが友よ」
作詞:石原信一 作曲:堀内孝雄 編曲:和田春彦
c/w「ユズリハ」

作詞:谷村新司 作曲:堀内孝雄 編曲:和田春彦
ポニーキャニオン PKCP-2094 1,400円(税込)

 

INFORMATION

堀内孝雄コンサート2024 (東京)

日程;2024年5月11日(土)
会場:東京・サンパール荒川 大ホール
時間:開場 15:30 / 開演 16:00
料金:一般 5,500円(全席指定・税込)
ACC友の会インターネット会員:500円引
ACC友の会現金・口座会員:300円引
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※車いす席の販売は町屋文化センター・ACCチケット購入サイトのみ。
※購入後のチケットのキャンセル・変更、紛失による再発行はできません。
お問い合わせ:ACC(公財)荒川区芸術文化振興財団 03-3802-7111

令和にっぽん!『演歌の夢まつり2024』東京公演

日程:2024年6月13日(木)
会場:東京国際フォーラム ホールA
料金:S席 13,800円 (全席指定・税込)
出演者:堀内孝雄 / 鳥羽一郎 / 山川豊 / 坂本冬美 / 藤あや子 / 水森かおり / 市川由紀乃 / 真田ナオキ / 辰巳ゆうと / 新浜レオン
その他詳細は、公演オフィシャルサイト

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