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【Colorful Interview】東京力車「僕らにしかできないやり方で」〜「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」に希望を乗せて〜

現役俥夫ユニット・東京力車の新曲「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」が、7月19日にリリースされた。1970年に大阪で行なわれた万国博覧会のテーマソングとして大ヒットした、誰もが知る国民的歌手・三波春夫の名曲「世界の国からこんにちは」をベースに、前山田健一(ヒャダイン)が令和風にストーリーをふくらませた作品だ。
7月19日は、今年で生誕100年を迎える三波の誕生日でもある。かつて戦後の苦しい時代の日本を、その明るい歌声と笑顔で照らし続けた三波のように、故郷への愛や世界平和の祈りを、自分たちのパフォーマンスで後世に伝えたい。その思いを胸に、東京力車が挑んできた“三波春夫×東京力車×ヒャダイン”による新歌謡ポップス三部作が、いよいよ完結する。

 

子どもたちの未来が明るくありますように!

 「握手をしよう~世界の国からこんにちは~」は、ユニットが3人になって初めてのシングルになりました。

石橋 はい。昨年の10月1日から、メンバーが僕ら3人になりました。アクロバットやダンスの構成などがだいぶ変わったので、“東京力車は4人いたほうが良かったよね”と言われるんじゃないかという不安は、正直ありました。でも、仲間(ファン)のみんなに、僕らがしっかりと気持ちを伝えることで、“前を向いて活動しているんだな”とわかってもらえた。僕らの気持ちを受け取ってくれた仲間たちがいまもついて来てくれていますし、とても感謝しています。最近は、3人の活動が板についてきました。この3人でやっていく、という強い気持ちでの今回のリリース、かなり気合が入っています。

今作は“三波春夫×東京力車×ヒャダインによる新歌謡ポップス”三部作の完結編。所属レーベルの大先輩・三波春夫さんの楽曲を、令和風にアレンジした3曲を歌われてみて、改めていかがですか?

白上 最初は歌わせていただけるうれしさと、僕たちに責任がしっかりと果たせるのかなという不安がありました。そんな中、昨年は新潟で開催された糸魚川おまんた祭りでも歌わせていただきました。三波春夫先生の故郷で、本当にたくさんの方が笑顔で一緒に喜んでくれた。その姿を見て、すごく安心できたし、よりいっそう3人で頑張っていきたいと思いました。それから、僕のひいおばあちゃんは、三波春夫先生の大ファンだったと、おばあちゃんから聞いています。きっとひいおばあちゃんも喜んでくれていると思っています。こうして、世代を越えて通じ合える歌を歌えることに感謝の気持ちを込めて、もっともっと多くの人たちに届けていきたいです。

田井 三波春夫先生がすごく大事にされていた楽曲を、お会いしたこともない僕らが歌う。まずは、このような素晴らしい楽曲、偉大な功績を残した先生の軌跡を伝えていかなければ、と思って歌ってきました。僕らができることは、すごくポップに聴きやすくすること。僕らにしかできないやり方で、時代と時代、世代と世代を繋いでいく。今回の楽曲は、それがテーマでもあります。僕らを通じて、年配の皆さんだけではなく10代、20代、30代といった同世代にも聴いてもらえるような東京力車らしいアレンジを、三部作ともヒャダインさんにしていただきました。

原曲は、敗戦国の日本がやっと万博を開催するほど復興した時代の歌です。人との交流が難しいコロナ禍にできた三部作が“握手をしよう”で完結することには、どんな思いが込められているのでしょうか?

石橋 世界の平和を願う気持ちや、いまの日本がもっと明るくなってほしいという希望。それプラス、子どもたちの未来が明るく照らされてほしいという願いが込められた楽曲です。これからの日本がどういう方向に向かっていくのかが、“いま”にかかっていると思うんですよ。だけど、ただ“平和って素晴らしいよね”と言うだけでは、たぶん響かない。僕らのライブでもそうです。自分たちが楽しんでいても、あとで録画を見返したときに、思っているほど伝わっていないなと反省する楽曲がわりとある。この楽曲は、絶対にそうならないようにと気をつけています。僕らが楽しむよりも、皆さんに伝えたいという気持ちの方が強いです。

白上 戦争などいろいろな揉めごとなどがあるご時世、この世の中。みんなで手と手を取り合って、思いやりを持って生きていこうというメッセージが込められた楽曲が、三部作の最後の作品になりました。コロナ禍を経て、いろいろな経験もしたし感じてきた、いまの僕らが届けたい思いがこの曲に詰まっています。そのぶんだけ、歌うのはこの曲が一番難しかったですね。

誰かの笑顔が増えるなら、これからもここで頑張り続けたい

特別に参加してくれたという川中美幸さんのコーラスが、皆さんの歌声とともにのびやかに収録されています。公開レコーディングでもノリノリでしたね!

田井 昨年、あるイベントで川中美幸さんとご一緒したときに、“次は「世界の国からこんにちは」はどう?”と言ってくださったんです。その後この曲に決まったので、”ぜひお願いします”とお声がけをしたら、快く受けてくださいました。

石橋 レコーディングの当日に、川中さんは“今日は三波先生と一緒に参加します”とおっしゃって、三波先生と一緒に写っているサイン入りの写真を持ってきてくださったんです。僕らは資料などでしか三波さんを拝見したことがなかったですが、川中さんと一緒のそのお写真も僕らがよく知っている“三波春夫像”そのものの明るい笑顔でした。写真から伝わってくる三波先生のパワー、本当にすごいなと思いましたね。


▶︎東京力車が三波春夫の命日に新曲「握手をしよう〜世界の国からこんにちは〜」の公開レコーディング。「手と手を取り合って、優しい幸せな世界を作っていきたい」

三波さんを交えた4人のお写真はもちろん合成ですが、すごく自然で平和な感じのする笑顔ですね。

田井 三波先生のこの表情に合わせて、みんな笑顔で撮りましょうということになったんですが、やってみると本当に難しくて、できないんですよ! ふだんの生活の中では笑えていたとしても、こうしてバチッと撮るときに“はい、笑顔でどうぞ”と言われても難しい。実際に画像として出来上がったときに、絶対に目だけはウソをつけないですね。

石橋 そうなんだよな。三波先生の目の輝きは、ウソじゃない。“本物”だなとわかりますね。きっとご自分の立場、周りの人たちのことも考えていらしただろうし、そういうことがすべて表れているなと思います。ふだんからこの笑顔のように、素のお顔もこのままなのでしょう。川中さんも、そうおっしゃっていました。僕らも見習うべきだと思っています。とにかく、撮るとわかるんです。僕の目は…笑っているかな…(笑)⁉︎

ヒャダインさんとも三作でご一緒されましたが、何か思い出に残っていることはありますか?

白上 ヒャダインさんから、今回”歌が上手になったね”と言っていただけたことが、すごくうれしかったです。一作目の「ニビイロトーキョー~チャンチキおけさ~」のときは、僕らレコーディングで自信がなさそうだったみたいなんですよ…。三作目では、みんな自信を持って歌ってくれていたと。でもそれは、ヒャダインさんのおかげですよね。言葉のニュアンスや僕らのいいところをたくさん引き出していただきました。ヒャダインさんの存在は、僕らにとって本当に大きいです。

3年にわたり歌い続けてきた”新歌謡ポップス三部作”から、得られたものは何でしょうか。そして、これからどんな活動をしていきたいですか?

石橋 三波春夫先生のような歴史的な大スター、その素晴らしい歌を繋いでいく機会をいただけました。それは、僕らの自信になったしこれからも歌を届けていく上では、必要なことでした。これからは、歌もそうですが僕らの活動をもう一度見つめ直して、やるべきことをやっていきたいなと思います。僕らには、人力車もあります。浅草という町と人力車と、日本の伝統文化。素晴らしいものをもっともっと世界に届けていきたいです。どんなに忙しくなっても、自分の足で人力車を引っ張るという軸は、絶対にブレさせない。僕らの活動がきっかけで、皆さんの人生が少しでも明るくなったり笑顔が増えるなら、その第一線に僕らはい続けたいと思います。

 

▶︎次のページでは、編集部のパン子が新曲MVの撮影現場をレポート! 

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