【COLORful Interview】松原健之 デビュー20年!これからも地道に着実に、他力の風にまかせて

松原健之のデビュー20周年を記念する第一弾シングル「愛になるふたり」が、6月18日にリリースされた。今作には、日本音楽著作家連合が主催する『第39回 藤田まさと記念・新作歌謡作品コンクール』で最優秀賞に輝いた2作品を収録。松原の澄んだ歌声と優しく温かな人間味が響く一枚となっている。インタビューでは、デビュー当時から心の中に持ち続けている思いや、休日の過ごし方なども飾らない言葉で話してくれた。
五木寛之先生が教えてくれた“使命感を持って歌い続ける”ということ
デビュー20周年、おめでとうございます! いまの心境はいかがですか?
松原 ありがとうございます。僕は2005年9月21日がデビュー日なので、あれからちょうど20年が経とうとしているんですね。氷川きよしさんが2000年にデビューされて、僕はそれより5年後。その間には、2001年に山内惠介くん、2002年に竹島宏さんなどがデビューしています。僕らの時代はのんびりしていたので、きっといまの子たちの方が大変でしょうね。辰巳ゆうとくんや新浜レオンくんをはじめ、若手がバンバン出てきて歌の戦国時代みたいになっています。僕も20年もやれるとは思っていませんでしたが、応援してくださる皆さんのおかげで、ここまで歌い続けてくることができました。振り返ってみたら20年だったという感じです。
デビューのきっかけは、作家の五木寛之先生が原作と脚本を手がけた『旅の終りに』という舞台のオーディションを受けられたこと。当時のことで、心に残っていることを聞かせてください。
松原 2001年、劇団前進座の創立70周年記念舞台『旅の終りに』で、歌手を目指す青年役として五木先生と出会いました。歌手になりたいという思いをずっと応援してくださって、デビューするにあたっては「君の後ろには、デビューしたくてもできない人たちが何百人もいる。そういうたくさんの人の思いを背負ってデビューするわけだから、歌が好きで歌いたいからということだけなく、きちんと使命感を持って歌い続けなくちゃダメだよ」と言ってくださったんです。“使命感”という言葉の意味を知ることができて、それでなんとか続けてこられたのかなとも思います。
応援してくださる方への感謝と使命感を大切にしてこられた。どちらも大切なことですね。
松原 ただ好きで歌っていても、仕事として成り立っていかないですから。やっぱりCDを買ってくださったり、コンサートに足を運んでくださったりする皆さんがいてくださるおかげですよね。テレビを観て応援してくださる方や、カラオケ大会で僕の歌を歌ってくださる方、僕を支えてくれているたくさんのスタッフさんも含めて、ありきたりな言葉ですが感謝しかありません。五木先生はよく“他力の風”と言われますが、“他力は自力の母”という解釈もあります。自分が一生懸命に頑張ったのだと思うのではなく、周りの大きな力の中でやらせていただいたと謙虚に、“他力の風に身をまかせている”と考えています。
一曲一曲を着実に歌っていくことが、大きな夢につながっていく
今回の新曲は『第39回 藤田まさと記念・新作歌謡作品コンクール』で、松原さんに歌ってほしい曲として応募された中から選ばれた作品ですね。
松原 日本音楽著作家連合の歴史のある企画で、前回の最優秀賞はキム・ヨンジャさんの「海を渡る蝶」でした。今年は松原健之に歌ってもらいたい曲を、ということで、まずは詞を募集して「愛になるふたり」と「時にはあなたの…」の2曲が選ばれた。次にこの2作につける曲を募集したという、一年間かけてできた作品なんですね。2曲とも最優秀賞なので、曲をいただいたときはどちらがメイン曲になるかがまだ決まっていませんでした。どちらも愛する二人の物語で、デモを聴いたときは曲の雰囲気が似ているなと思いました。
まず「愛になるふたり」は、どんな作品ですか?
松原 「愛になるふたり」は、いのうえ佳世さんという若い先生が作詞してくださって、まさに松原健之をイメージして書いてくださったなという感じがします。とてもピュアで、背景をあまり限定しない詞なので、主人公は若いカップルかもしれないし、年を重ねた方かもしれない。家庭を持っていたことがあるけどいまはおひとり様かもしれない。“愛する”ふたりではなく、“愛になる”というところに、ちょっと引っかかりがありますよね。“夫婦になるふたり”でもなく、「愛になるふたり」。いろいろ限定していないので、歌い方もシンプルにしています。この曲を聴いた方やカラオケなどで歌う方が、いろいろ想像して感情移入してくださったらいいなと思います。
「時にはあなたの…」は切実な想いが綴られていますが、男性の城山正志先生が書かれたんですね。
松原 そこはポイント高いかもしれませんね。詞の内容は、あんまり具体的に先生に聞いたわけじゃありませんが、こちらもそのまま僕の声で歌いました。いつも歌うときは、作詞作曲の先生にわからないことを聞いたりすることもあるのですが、今回は作詞作曲の先生4名とレコーディングのときに初めてお会いしたんですよ。ごあいさつして記念撮影をしてという感じで、具体的に歌の話はできなかったですね。
目の前で松原さんに歌っていただいて、先生方も感動されたでしょうね! 最近の松原さんについても少しお聞きしたいのですが、お休みの日は何をされていますか?
松原 以前は伊豆大島とか式根島、御蔵島なんかに結構行っていましたし、コロナのころは沖縄にもよく行っていたのですが、最近はどこにも行けていないかな。でも家にじっとしているのが苦手なほうで、どこかに出かけていることが多いですね。インドア派に見えるらしくて“意外と行動的なんですね”なんて言われます(笑)。最近は、伍代夏子さんを筆頭に、石原詢子さんや大石まどかさんなどがいらっしゃる美魔女艶歌卓球部に、“千昌夫さんがゲストで来るから、松原くんも来て”と呼ばれました。僕は中学のころ卓球部にいたことがあるので、“千さんは顧問で、松原くんはコーチね”なんて言われましてね。伍代さんは、すごく速い球を打ってきますよ。千さんは瞬発力もあって、すごくお上手でした。定期的に身体を動かすのは気持ちがいいですね。
ありがとうございました。あらためて、このデビュー20周年イヤーに挑戦されてみたいことがありましたら聞かせてください。
松原 僕はやりたいことより、やれることを考えてしまうんですよ。この歳にもなるとね(笑)。着実に一曲一曲リリースして、一歩一歩進んでいくことが、大きな夢にもつながっていくでしょう。最近よく歌い手さんが、大型のクルーズ船でライブをやっていますよね。船で旅をしている方々に歌を聴いていただくような、夢のあることを僕もやってみたいですね。僕のファンクラブ「まつたけ温泉」で行くのもいいですね。8月には稲垣潤一さんとプロデューサーの塩入俊哉さんと、能登半島地震の被害が大きかった珠洲でチャリティーコンサートを開催します。秋には20周年コンサートツアー、11月には前進座の再演『雨あがる』がありますし、東京のCOTTON CLUBと静岡でもディナーショーをやる予定ですので、どうぞお楽しみに! 20周年を迎えても、地道に活動していこうと思いますのでよろしくお願いします。

【PROFILE】松原健之(まつばらたけし) 1979年10月1日、静岡県袋井市出身。2001年、劇団前進座の舞台『旅の終りに』で原作・脚本を手がけた五木寛之氏に見い出され、歌手を目指す青年役に抜擢される。2005年「金沢望郷歌」で歌手デビュー。芸名の「松」は詩人・松永伍一氏から、「之」は五木寛之氏から一字ずついただいたもの。2014年には、日本代表としてミャンマーで開催された『Japan Entertainment Festival 2014』に出演。 2017年、『第50回 日本有線大賞」にて有線奨励賞を受賞。 2019年『第1回 日本演歌歌謡大賞』優秀賞受賞。
NEW RELEASE!!
2025年6月18日発売
松原健之「愛になるふたり」
「愛になるふたり」
作詞:いのうえ佳世 作曲:江口隆法 編曲:佐藤準
c/w「時にはあなたの…」
作詞:城山正志 作曲:西尾澄気 編曲:佐藤準
テイチクエンタテインメント TECA-25028 1,550円(税込)
INFORMATION
デビュー20周年「愛になるふたり」シングル企画 松原健之 記念日うた訪問~愛になるふたり~
デビュー20周年の歌手・松原健之が、人生の記念日に寄り添う”歌の力”を伝える感謝企画。結婚記念日(今年結婚を迎えるかた、2年・3年・5周年・10周年・25周年記念など、周年でない年でも可)を迎えるご夫婦のもとへサプライズで訪問し、歌を通して感謝の気持ちをお届けします。
募集期間:2025年6月18日(水)~ 2025年8月31日(日)
応募詳細はテイチクホームページをご覧ください。
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