【Colorful Interview】美里里美 〜私にしか歌えない歌を目指して~
美里里美が、8月17日に3枚目のシングル「女ひとりの日本海」をリリースする。みやま清流が作詞、美里の師匠であるものまね界の帝王・清水アキラが作曲を手がけた王道演歌。真冬の能登地方を舞台に、愛を失くした女のひとり旅が切なく描かれている。カップリングの「頑張るよ」は悲しい別れを乗り越えようと頑張る主人公の心情を、美里が心を込めて歌い上げた。2019年のデビュー以来、幼い頃から民謡で鍛えた鮮やかなこぶしと泣きの歌いまわしに定評がある美里。今作でさらに磨きがかかった歌唱は必聴ものだ。
自分が表現できる精いっぱいの歌をたくさんの方に聴いてほしい!
美里さんはじめまして! カラフルにご登場いただくのは初めてですね。
美里 はい。はじめまして! “美しい里、里は美しい”と書いて、上から読んでも下から読んでも、ひっくり返して裏から読んでも、半分に折っても“美里里美”です。私は宮城県富谷市の出身で、2019年にデビューしました。このたび新曲「女ひとりの日本海」を、8月17日に発売させていただきます。デビュー曲「夕月波止場」、2作目の「雨の海峡」に続く3枚目のシングルとなります。まだまだ未熟者ではありますが、清水アキラ師匠に教わりながら、自分が表現できる精いっぱいの歌をたくさんの方に聴いていただきたくて、日々歌の勉強に精進しております。カラフル読者の皆さん、どうぞよろしくお願いします!
どうぞよろしくお願いします! さっそく新曲のお話をうかがいたいと思います。デビュー曲は“波止場”、次が“海峡”、そして今作は“日本海”。3曲とも、海が舞台の作品ですね。
美里 そうです。先日行った生配信でも、「名前は里なのに、海なんだ」とコメントをくださった方がいて、そういう受け取りかたもあるんだなと思っていたところです(笑)。強い女性をテーマにした作品が多いからでしょうか。「女ひとりの日本海」は、テイチクのディレクターさんが、みやま清流さんの歌詞を「清水さん、これにいい曲書けないかな」とアキラ師匠のところに持ってきたことから出来上がった曲でした。前作、前々作とは、また違った歌い方をしています。これまでももちろん頑張って勉強してきましたが、これまでとは違う部分を引き出していただくとなると、私の技量が全然ともなわなくて。今回は師匠が描きたい世界観と私の考え、それに私の技量と表現力を追いつかせるのが大変でした。
今回のレコーティングはいかがでしたか? 難しいところはありましたか?
美里 私は“ひ”の発音があまり得意じゃなくて、口を横に開きすぎると子どもっぽくなってしまったりするのですが、出だしの“人はほんとに~”の“ひ”の部分が難しかったです。あとは、“たちつてと”が苦手なんです。たとえば “愛し合ってた~”の“た”の残し方。強く歌わずに優しく歌うんですけれど、“抜く”のではなく残すというのがなかなか難しかったです。美里里美の曲は、美里里美がお手本になるわけですから、カバー曲と違ってどう歌うのかのお手本がないんですよね。「女ひとりの日本海」では、師匠自身もできないことを私にやらせたいと。私ならチャレンジすればきっとクリアできるという思いで、美里里美にしか歌えない曲を書いていただきました。
ひとつ願いが 叶うとしたら
海よ荒海 日本海
巡り会わせて あゝ もう一度
(「女ひとりの日本海)歌詞より)
心に沁みる歌詞です。つらい失恋をしたら、やはり太平洋の大海原ではなく波の荒い真冬の日本海が見たくなるのかもしれませんね。
美里 ブログで「女ひとりの日本海」というタイトルを発表したとき、「ああ、日本海か。太平洋じゃなくてよかった」というコメントをいただいたのですが、あれはそういう意味だったのでしょうか(笑)。人生というものは、生まれたときから運命が決まっているのかもしれないけれども、もう一度あの人に会いたいなという切ない歌詞です。これまでの曲より、いっそう大人の雰囲気があります。そして、地名が出てきます。私も知らないところだったので調べてみたら、のと鉄道七尾線を北上していくストーリーでした。北陸地方では、富山県に行ったことがあります。師匠の舞台の中唄で、水森かおりさんの「鳥取砂丘」や、日本海にちなんで小林幸子さんの「雪椿」、石川さゆりさんの「能登半島」などを歌わせていただいたこともあります。
「”一生懸命頑張るよ” と、歌詞をかみ締めながら歌っています」
そして、カップリングの「頑張るよ」はタイトルも美里さんにピッタリのようなかんじがしますが、どんな曲ですか。
美里 人は誰でも、生きていればいいこともあるし、悲しいことも嫌なこともある。自分の思いどおりにならないこともいっぱいあるけれど、それでも“明日が来たら、また一生懸命頑張るよ”という歌です。作詞作曲は清水アキラ師匠なんですけれど、師匠自身に悲しいことが続いたときに書かれた曲のようです。「曲も詞も、パッと書けたんだよね。すぐにできたということは、もしかしたら自分自身の心の中にもともとあったことなのかな。それが、あふれ出てきたのかな」という話をされていました。レコーディングでは力強く押して歌うか、もっと引いて歌うか、いろんな歌い方を試しました。悲しいなという気持ちを抑えながら、最後は“頑張るよ”と大きく元気に歌っているんですけれど、“頑張るよ”と言った後で、やっぱり泣けちゃいました…という思いを表現しています。
“頑張れよ”と励まされるよりも、“頑張るよ”と言われたほうが、一緒に頑張れそうな気がしますね。
美里 その通りだと思います! 私は3番の歌詞が一番好きです。歌っていても、自身にすっと入ってくるような、自分と重なるようなところがあるんですよね。
震えても うずくまっても
それでも 明日は 頑張るよ
(「頑張るよ」歌詞より)
私も人生経験はまだまだですが、一生懸命やっても実らなかったり、わからなくて悔しかったり、いろいろなことがあります。それでも頑張るしかないというのが、すごく共感できるところです。やってもやっても、パッと光が見えるのって、ちょっと先だったりしますよね。自分がいまやっていることは正解なのかどうか、立ち止まって悩んだり…。だけどそれをバネに“美里里美も一生懸命頑張るぞ”って、歌詞をかみ締めながら歌っています。
ちなみに、師匠の清水アキラさんはどんな方ですか?
美里 恐いです(笑)。普段はものすごく優しくて、“東京のお父さん”というかんじですけれど、歌、そして舞台のことになると、カッと目の色が変わります。舞台で師匠が水着になって、また衣装を着るために私が中唄を務めるんですが、いつも舞台袖から私を見てくださっていますね、水着を着替えながら(笑)。音程やリズムのズレは少しも許されないし、どういうふうに手を振っているかなど歌以外のことも、細部まできちんと見られています。歌がよくてもしゃべりがまとまっていないと、「ダメだ、今日は」と言われたりも。でも、自分で考えたことを相談すると、「ここはこうしたほうがいいんじゃないか」というように、すごい細かいことまで教えてくださいます。それらを全部、師匠がお元気なうちに、いかに自分のものにしていくかが…。
清水さんはまだまだお若いじゃないですか(笑)! それでは、最後に読者の皆さんに伝えたいことはありますか。
美里 そうですよね(笑)! 遠い先の将来まで考えてしまいました。いまはひとつひとつ失敗したり成功したりを繰り返しながらも、誠心誠意で一生懸命に歌っています。「女ひとりの日本海」は演歌の王道をいっていますので、昔ながらのコアな演歌ファンの方にも喜んでいただける曲だと思います。8月からはキャンペーンもたくさんありますので、ぜひ美里里美のブログをごらんいただいて、チェックしていただけたらうれしいです。これまでに出した「夕月波止場」と「雨の海峡」も大切に歌いながら、新曲「女ひとりの日本海」をとにかくたくさんの方に聴いていただきたいという切実な思いでいっぱいです。皆さん、どうぞよろしくお願いします!
美里さん、先ほどチラリと見えたのは歌詞カードですか⁈
美里 そうなんです、見てください! 大事なことだけ書き出しているつもりでも、すぐに歌詞カードが真っ赤になっちゃう。師匠からのアドバイスを忘れないように書き込んでいるんですけれど、ほとんど殴り書きです。書いて書いて、何を書いているかわからなくないくらい真っ赤になったら、また新しい歌詞カードに。もう何回も何回も替えています。 “ここは絶対に切る”とか、“ここはつなげませんよ”ということを細かく書いたり、発音に気をつけるところに一個ずつ丸をつけたり…。同じフレーズでも、切って歌うのか、やっぱり伸ばすのか。今日できたことがあったら、明日はさらにやることが加わったりとにかく毎日変わります。「女ひとりの日本海」の歌い方を確立するまで、こうしてかなり試行錯誤してたくさん勉強しました!
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2022年8月17日発売
美里里美「女ひとりの日本海」
「女ひとりの日本海」
作詞:みやま清流 作曲:清水アキラ 編曲:伊戸のりお
c/w「頑張るよ」
作詞・作曲:清水アキラ 編曲:伊戸のりお
テイチクエンタテインメント TECA-22043 1,350円(税込)
CHECK!!
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美里里美オフィシャルブログ
美里里美公式Twitter
美里里美Instagram
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