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【Colorful Interview】田川寿美「それぞれの白を、純粋な気持ちで生きてください」〜新曲「白秋」によせて〜

4月1日にデビュー満30周年を迎えた田川寿美が、7月6日に新曲「白秋(はくしゅう)」をリリースした。「心化粧」「楓」など近年のヒット作を手がける作詞家・さいとう大三氏と、田川が師事している作曲家・幸耕平氏による作品で、編曲は徳永英明の「VOCALIST」シリーズ3部作などで知られる坂本昌之氏に依頼。発売日当日には、東京大神宮でファンとともにヒット祈願を行なって大きな話題となった。また7月18日付けのオリコン週間演歌・歌謡シングルランキングで1位を獲得するなど好調なすべり出しを見せている。発売から1カ月が経ったいま、新曲に対する思いをあらためて聞くとともに、満30周年を迎えた心境や日々感じていることなどを聞いた。

 

「白秋(はくしゅう)」を初めて聴いたとき、細胞のひと粒ひと粒が立ちました

 

ここまで心が揺さぶられる曲との出合いというものは、なかなかないものです。「白秋(はくしゅう)」を初めて聴いたとき、胸に押し寄せてくるものがあり、少し興奮しました。“あ、この曲好きだな”と、心が粟立つというのか、細胞が米粒のような形だとしたら、ひと粒ひと粒立つような感覚がありました。ここまで感じるということは、きっと私が求めていたものなんでしょうね。

「女人高野」(2002年)をいただいたときも、そうでした。30年歌い続けている中で、またこのような曲と出合えたことは本当に幸せです。師事している幸耕平先生とさいとう大三先生がタッグを組んで作ってくださったのでが、今回は編曲してくださった坂本昌之先生のアレンジの力も大きく影響していると思います。演歌・歌謡曲だけではなく、違うジャンルでも活躍されている少し若い世代のアレンジャーやミュージシャンの方とご一緒すると、私自身新たな刺激になりますね。

「白秋」レコーディングの時に先生方と。写真左より編曲・坂本昌之先生、作詞・さいとう大三先生、私、作曲・幸耕平先生です。

“白秋”とは50代以降のことを表すそうです。美しい言葉。お互いにいたわりあうことができる年代で、まさに人生の実りを楽しむ時期だと思います。いろいろなものが削ぎ落されて、その人そのものの人間味が表れてくる年代なのでしょう。大人になるにつれ、簡単には恋ができなくなったり、“本当にこの人で大丈夫かな?”と迷うことも多々(笑)。その揺れる大人の女性の気持ちを代弁している、等身大の歌詞だと思います。

※白秋(はくしゅう)
古代中国の思想では、人生を四季にたとえて五行説による色を当てはめていた。若々しく未来に希望を持って成長し続ける人生の春は「青春(せいしゅん)」。精力的な活躍する人生の夏は「朱夏(しゅか)」。穏やかな空気やたたずまいを見せる人生の秋は「白秋(はくしゅう)」。それ以降の老年期、または人として芽吹く前の幼少期を冬として「玄冬(げんとう)」といった。(青春10代半ば~20代、朱夏30代~40代、白秋50代~60代、玄冬はそれ以降もしくは幼少期。年代については諸説あり)

 

出逢いには何か意味がある。だけど…?

 

私は“優しい恋ですか 甘えていいですか”というところが一番好き。もう傷つきたくないじゃないですか。だから臆病になって踏み出せないの(笑)。その反面、“いまを頑張って生きよう”と、すごくパワフルになるのも、まさに”白秋”のときかなと思います。私の周りにいる50代は、時間の使い方が全然違う。そういう人たちを見ていると、カッコいいな、私もボーっとしていられないなと力をもらいますね。

そして恋愛も、この作品を聴くと、ちょっと夢が持てますよね? 出逢えるといいな。想いが叶うといいな。諦めないぞって(笑)。たまに、“10年くらい会っていないけれど、あの人元気かな”と思ったら電話やLINEが来たり、ばったり電車で会ったりすることってありますよね。歌い出しの“誰かが会わせてくれました”というのは、そういうことかなと思います。たった1、2分でもタイミングが違っていたら会わなかったはず。何か意味があるんだろうなとは思いますが、あまり男女のご縁とかん違いしすぎないようには気をつけています(笑)。

 

儚さと、ピュアな美しさをこの歌に重ねて

 

昭和の時代を振り返ってみると、すごく輝いていて、やはり日本が一番元気だった時代だと思います。その当時の人気音楽番組『夜のヒットスタジオ』で中森明菜さんが着物姿で「難破船」を歌っているのを観たとき、なんだかその儚さがとても美しくて、すごく印象に残っていたんですよね。

今回「白秋」ができたときに、衣装はこのイメージだなとすぐに思い出して、“白秋”の白、そして紫の伊達襟とのコントラスト…このポイントだけ決めて、スタッフの皆さんに衣装を探していただきました。中森さんのような折れてしまいそうなほどの儚さと、ピュアな美しさ。そういうものをこの歌に重ねて、衣装でも表現できればいいなと思っています。

「白秋」のMV撮影時のオフショット。

 

成長し続けていくことに貪欲でいたい

 

10代でデビューした当時、周りは大人ばかりでした。自分の意見は言えないし、いろいろと悩むじゃないですか。そのころの私は誰にも相談できずに、本を読むことで答えを導き出そうとしていました。

私は本が好きです。マンガも読みますよ。ひとりの人間として、ずっと成長し続けていきたいという思いがありますし、最後の最後に死ぬときに、“ありがとう”と思える人生がいい。だから、自分が損をしたとしても“恨まれるよりは、まあ、いいや”と思って生きていたい。考えることをやめないし、どんどん中身を向上させていきたいです。

そういう貪欲さは、若い頃からあるかな。ちょっと変わってるんだと思いますよ、私は…。だから個性豊かな人のことを、とっても魅力的に感じます。

 

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▲Instagramでは日々の仕事風景やファッションなどとともに読書家の田川オススメの書籍や漫画もたびたび紹介されている。

30周年をひとつの区切りとして、また新たな歌手人生のスタートです

 

約2年ぶりにキャンペーンを行なったら、コロナ禍で会えなかった期間に溜まっていたファンの皆さんの熱い思いや、その大きさをとても感じました。それを誠心誠意で受け止めさせていただいて、いい意味での疲労感がありました。

皆さんはきっと、ただ曲を聴きに来ているだけではなく、私に何かを求めていらっしゃる。私から何かを得て帰りたいのだろうなということをすごく感じるので、何らかの形でそれに応えたい。ファンの皆さんの純粋さは、本当にありがたいものです。この暑い時期に足を運んでくださるとか、ずっと私を信じて応援し続けてくださることに、本当に頭が下がります。そういう方々の心を裏切ることはできないですし、それが私のエネルギーになるんでしょうね。ひとりで生きているんじゃないんだなと、しみじみと思います。

最近は“時代が変わったな”と、つくづく感じています。この年代になってくると、育ててくださった方とかお世話になった方がどんどん旅立たれて…。その切なさもあるけれど、一緒に仕事をさせていただく優秀な若い方も次々に出てきますから、“世代を通して時代を感じる”ということが増えて、とても刺激になっています。

そして、30年をひとつの区切りとして、また新たな人生のスタートだなと、いま実感しているところです。読者の皆さんも、“自分って何なんだろう”と考える時期もあったと思うんですね。だからこそ、いろいろなことを学んで、いろいろな“色”を身につけてこられたのだと思います。そこを越えると、今度は余分なものをそぎ落としていくことになる。そこで見えてくる“白”が、本来の自分そのものなんだと思います。まだ染まっていない白ではなくて、そぎ落とされて見えてくる白。新曲「白秋」を通して、それぞれの皆さんの白を、純粋な気持ちで生きてくださいね。

 

【PROFILE】田川寿美(たがわとしみ) 11月22日、和歌山県和歌山市出身。作詞家・悠木圭子氏の勧めで中学校卒業と同時に上京、作曲家・鈴木淳氏に師事する。1992年「女…ひとり旅」でデビューし、第11回メガロポリス歌謡祭、第25回日本有線大賞最優秀新人賞を獲得。1994年 には『第45回 NHK紅白歌合戦』に初出場を果たす。「哀愁港」をはじめヒット曲を多数輩出。さらに、『第43回 輝く!日本レコード大賞』最優秀歌唱賞他受賞歴も多数。2002年にリリースした「女人高野」ではエレキギターをかき鳴らすスタイルが話題に。2021年、デビュー30周年を迎え、記念曲「雨あがり」をリリース。

(取材・文/夏見幸恵)

 

NEW RELEASE!!

2022年7月6日発売
田川寿美「白秋」

「白秋」
作詞:さいとう大三 作曲:幸耕平 編曲:坂本昌之
c/w「ふたりの花」
作詞:さいとう大三 作曲:幸耕平 編曲:南郷達也
日本コロムビア COCA-18023  ¥1,350(税込)

 

CHECK!!

田川寿美オフィシャルサイト
田川寿美日本コロムビアサイト
田川寿美オフィシャルブログ
田川寿美Instagram


▶︎田川寿美が30周年記念曲「雨あがり」ヒット御礼詣で。7月6日リリースの新曲「白秋」も笑顔でPR
▶︎田川寿美が東京大神宮でファン30名と新曲「白秋」ヒット祈願&歌唱イベントを開催。七夕にちなみ短冊に願いを!

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