【Colorful Interview】チェウニ　”これまで、そしてこれから”。25周年記念曲「オータムイントーキョー」とともに新たな一歩を

2024.05.14Interview

1999年に日本デビューを果たし、都会派バラードの先駆者として数々のスタイリッシュな作品を歌い続けてきたチェウニ。今年25周年の節目を記念しリリースした新曲「オータムイントーキョー」が、注目を集めている。愛の終わりに傷つき、耐えきれず身を引く女性の心の叫びが、チェウニの透明感あふれるピュアボイスで、より切なく哀しく胸に響く。

日本デビュー25年、とても充実していました

日本デビュー25周年、おめでとうございます。改めて振り返られてみていかがですか？

チェウニ　ありがとうございます。「トーキョー・トワイライト」でデビューをして25年、日本の食べ物や言葉にもだんだん慣れて、いまだに言葉はあまりうまくはないですがみんな優しいからスッと受け止めてくれて、問題なく歌い続けてくることができました。コロナやいろいろなこともあったけれど、CDを出すのも難しい中、毎年毎年出させていただいて自分の子ども（作品）がたくさんできてうれしいです。とても充実していたし楽しかったですね。

デビュー曲が「トーキョー・トワイライト」。今回の25周年記念曲「オータムイントーキョー」も、再び東京が舞台の作品になりました。

チェウニ　私は個人的に、大阪も好きなんですよ。でも一番最初のディレクターに、言われました。「大阪弁が似合わない」、大阪の言葉の曲も歌ってみたら「すごく下手」って。私は東京が似合うみたいなんです…。25周年の記念曲だから、もう一度原点に立ち返ってというディレクターの思いもあるかもしれませんね。

新曲発売記念ということで『チェウニが選ぶトーキョーの歌プレイリスト』も好評公開中ですね。

チェウニ　私は”東京”がタイトルにつく曲をいっぱい歌っているんです。実は、デビューのときから”東京シリーズ”でいくというのが、レコーディングの前から決まっていたの。東京三部作は、タイトルを先に決めて曲を作る感じだったんですよ。そうしたらそれが好評で、続いてアルバムを作ろうという話になって。東京都から賞もらえないかしら？名誉都民とかね〜（笑）。

これからも長く、皆さんと歌い続けたい

新曲「オータムイントーキョー」はどんな作品ですか。

チェウニ　相手に愛がないことに気がついて絶えきれなくなって、全部捨てて哀しみを受け止めながらひとりで歩いていくという歌なんです。詞の中に”ペントハウス”が出てくるんです。高層マンションの最上階のガラス張りの高級な部屋のことなんですけど…。

”ペントハウス”は演歌・歌謡曲ではあまり登場しないですよね（笑）。

チェウニ　そうね。韓国には多いんですよ。ソウル市内には漢江が流れていて、ものすごくビューがきれいなんです。漢江のまわりに高層マンションがたくさんあってセレブの方が多く住んでいます。作詞の髙畠じゅん子先生って、面白いんですよ。「先生なんでペントハウスなんですか？」って聞いたら、「私にペントハウスが似合うから」だって（笑）！

作曲は浜圭介先生とのことですが、歌われてみていかがですか？

チェウニ　今回初めてご一緒させていただきましたが、素敵な作品をいただいたなと思います。メロディーがずっと頭から離れない。気づくといつも口ずさんでいるの（笑）。

レコーディングはいかがでしたか？

チェウニ　私はいつもレコーディングの前に一切練習しないんです。メロディーだけ覚えて、そこに詞を乗せて歌うだけ。詞を深く考えて歌うと、歌が重くなるんですって。自分じゃわからないんだけど、私の声自体がものすごく悲しくて切なく聞こえるから、ディレクターから「その声だけでいいから、あまり深く考えないで歌ってほしい」と言われて、そのとおりに歌いました。

カップリング曲の「おいしいお茶」は、また違うチェウニさんの魅力を感じる作品ですね。

チェウニ　私も好きな曲なんですよ。事務所の社長から、歌ってもらいたい曲があるといただいた中の一曲で、聴いてみて面白いな、これまで皆さんと手拍子しながら一緒に歌う曲がなかったから、こういうハッピーな曲が一曲あったらいいなと思って。とてもシンプルで歌いやすいし、みんなとこの歌を歌いたいと思って、新曲が出ることになったときに「カップリングはこの曲にしてほしい」って言ったの。私、25年間で初めてです、お願いしたのは。くよくよ考えているよりさらっと生きていきましょうよ、という自分への応援歌みたいな曲で歌っていて楽しいです。

ありがとうございました。最後に、カラフル読者やファンの皆さんへメッセージをお願いします。

チェウニ　今年、私はデビュー25周年、年女、還暦！キャッチコピーは「これまで、そしてこれから」です。25周年で一回区切りをつけて、そしてこれからも長く皆さんと歌い続けたいという思いでつけました。とにかくこの一年、楽しく歌います。それだけ。皆さん、第一は健康。体を大切にしてください。そして第二は、チェウニをよろしくお願いします（笑）。

【PROFILE】チェウニ　1964年8月25日、韓国ソウル市出身。幼いころより音楽が身近な環境に育ち、歌の才能を発揮。韓国で8歳のときに歌手としてデビューする。10代から数々の音楽賞に輝き、ソウル芸術大学で音楽を学ぶ。その才能に磨きをかけ、1998年に自身の可能性を広げたいと単身来日。1999年「トーキョー・トワイライト」で日本デビューを果たし話題に。2000年『第42回輝く！日本レコード大賞』で新人賞ほかを受賞する。以降、そののびやかで透明感のあるピュアボイスと豊かな表現力、親しみやすい笑顔と人柄で多くの音楽ファンを魅了。2010年には日本への永住権を獲得。2024年は日本デビュー25周年を迎える。4月より単独司会のラジオ番組『ミュージックフォトブック〜チェウニdeどん〜』がスタート。