【Colorful Interview】梅谷心愛　鮮烈なデビューからおよそ一年…”令和の昭和歌謡少女”が叶えたい、さらなる夢は

2023年7月、“令和の昭和歌謡少女”として鮮烈なデビューを果たした梅谷心愛が4月17日、ロングヒット中のデビュー曲「磐越西線ひとり」の『青春盤』をリリースした。カップリングには、オリジナルの新曲「青い約束」と、テレビ朝日『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん』から生まれて大きな話題となった「軌跡」を収録。これまでの人生のほとんどが歌とともにあった16歳の梅谷が、歌に対するブレない信念やいま叶えたい夢について話してくれた。

“青春盤”は、3曲すべてが等身大の梅谷心愛

昨年7月に発売されたデビューシングルが大好評で、「磐越西線ひとり（青春盤）」として発売されました。デビューして9カ月経ちますが、いまのお気持ちを聞かせてください。

梅谷　皆さんの前で「磐越西線ひとり」を歌うときは、練習通りうまく歌えるかいまでも心配になります。なるべく歌い方を変えず、いつも皆さんが聴いてくださっているCDに忠実に歌いたいんです。自分の声ではありますが、たくさん練習してレコーディングした私の声のお手本がCDなわけですから、デビューしたときの気持ちや歌い方をこれからも大切にしていきたいです。回数を重ねると慣れてきてしまうので、自分のクセが出たり、デビュー当時はなかった余計なテクニックを入れてしまったりする。そういうときはデビュー当時の声を聴いて、初心に戻るようにしています。大人っぽい歌詞ですが、失恋して北の旅路を選ぶ16歳の主人公の気持ちが想像しやすい、梅谷心愛の等身大の曲だと思います。

カップリングの「青い約束」も同じ先生方が作ってくださった曲ですが、こちらも梅谷さんの等身大ですか？

梅谷　はい。「磐越西線ひとり」は、16歳の少女が失恋をして傷ついてしまった心が描かれていますが、「青い約束」は、失恋したけれどそれを糧にして、夢に向かって進んでいこうという気持ちが強い女の子が主人公です。どちらかというと、こちらの方がさらに私の等身大に近づいたなと思いました。2番の“紺の制服 襟を開け”、3番の“丘にのぼれば”とか、昭和の匂いが感じられるような歌詞がすごくいいですよね。

空がこんなに 青いのは
人の悲しみ 抱いてくれるから
（「青い約束」より）

そして、石原先生がここの歌詞で空をあえて“青い”と表したのは、主人公の悲しさや涙の色などを含めて書いたのだと話してくださいました。歌詞のひと言ひと言に、いろいろな意味が込められているんだなと思って、私もひと言ひと言注意して歌おうと考えさせられました。

もう一曲のカップリング「軌跡」は、『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん』に出演された同世代の“博士ちゃん”たちが作られたということですので、またさらに等身大の曲ですね！

梅谷　そうですね。“昭和歌謡博士ちゃん”の左合桂三くんが詞を書いてくれました。14歳の左合くんから「軌跡」という言葉が出てくることがすごいと思いましたね。曲も、18歳の“エレクトーン博士ちゃん”井上暖之くんが作ってくれました。私が昔から憧れている美空ひばりさんの曲の中にあったメロディーや歌詞を、ちょっとずつ取り入れてくれています。たとえば歌詞だったら、“私は歌う”とか“歌を愛して”、“旅立つ”などはひばりさんの曲にも入っているので、すごく刺さります。ひばりさんの歌や存在を、歌っているときに感じる曲ですね。

写真左より、「軌跡」の作詞を担当した“昭和歌謡博士ちゃん”の左合桂三くん、梅谷、作曲を担当した“エレクトーン博士ちゃん”の井上暖之くん

「博士ちゃん」の番組の中で、「軌跡」はどのような経緯で生まれたのですか？

梅谷　私のデビューが決まったあとに出演させていただいた番組の中で、サプライズ企画がありました。番組の後半で突然「さて、ここで梅谷心愛ちゃんにサプライズがあるんですよね」と言われて、この曲を初めて聴かされたんです。それまで左合くんと井上くんからは、この曲について何も聞いていなかったので、すごくびっくりしました。番組の中で出会った仲間たちが、梅谷心愛について調べて、私の人生やひばりさんのことも知った上でひとつの曲に詰め込んでくれた…。すごく温かいなと思ったし、形に残してくれたことがすごくうれしくて、もらったときは号泣しました。

私はかなりの“緊張しい”です（笑）

梅谷さんは小さいころからテレビ出演の経験がたくさんおありですので、あまり緊張はされないタイプですか？

梅谷　それが、かなりの“緊張しい”なんですよ（笑）。人前に立つのも苦手だったんですけれど、歌うことが大好きなんですよね。小さいころから歌の練習で“難しくてもうイヤだ！”と思うこともあっても、また早くステージで歌いたいと思うので頑張れた。その練習通り、100点の成果を皆さんに聴いていただきたいという気持ちがあって緊張してしまうのかなと思います。それはデビューしてからも変わらなくて、いまだに緊張で手が震えるんですよ。『人生、歌がある』（BS朝日）や『新・BS日本のうた』（NHK）に出演させていただいたときも、手足の震えをぐあーっと押さえながら歌わせていただきました（笑）。

“昭和歌謡少女”の梅谷さんですが、昭和以外の曲も幅広く歌っていらっしゃいますね。

梅谷　美空ひばりさんは演歌歌手というよりは“流行歌手”で、ジャズやシャンソン…その時代に流行っていたものを皆さんに届けていらっしゃいました。私も、美空ひばりさんを目指している歌手として、いろいろなジャンルや幅広い年代の曲を歌っていきたいなと思って勉強しています。昭和歌謡以外でも、EGO WRAPIN‘さんの「色彩のブルース」「くちばしにチェリー」のようなジャズっぽい曲を歌ってみたり、英語の曲も「ALL OF ME」「MOON RIVER」など、まずはメジャーな曲にチャレンジしています。Adoさんの曲も何曲かカバーさせていただいていますが、「うっせぇわ」は滑舌が追いつかなくて大変です（笑）。

うそや偽りのない、正直な歌が歌える歌手でありたい

ふだんの梅谷さんについてもお聞きしたいのですが、歌以外の趣味はありますか？

梅谷　サウナとか銭湯に行くことです！ コロナ禍でずっと家にいた中学2年生くらいのとき、ちょっと運動しないといけないなと思ってウォーキングを始めたんです。体幹を整えていつでも歌えるようにしておこうと思って、6時間くらいウォーキングしていて（笑）。その途中で見つけた銭湯に好奇心で入ってみたら、身体がすごく軽くなった。ボーっと温まってリラックスできて、すごく幸せな気持ちになれたので、それがきっかけでハマりはじめました。最近では、行ける日はほぼ毎日銭湯。2～3時間は居座っています（笑）。サウナは熱くて苦しいとか、温泉はのぼせちゃうというイメージを持っている方も多いと思います。私も小さいころに入った銭湯はそうでしたが、何年ぶりかで入ってみたら意外とイケました。皆さんもぜひ行ってみてください！！

最後に、今後の目標や抱負、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

梅谷　私のいまの目標はレコード大賞の新人賞ですね。大変だとは思いますが、せっかく歌手になりたいという夢をひとつ叶えることができたので、もうひとつ結果を残したいなと思っています。美空ひばりさんに憧れているので、ひばりさんのようにいろいろなジャンルの曲を自分自身の解釈で、決してうそや偽りのない、正直な歌が歌える歌手でありたいです。このたびは皆さんのおかげで、「磐越西線ひとり（青春盤）」を発売することができました。心から感謝の気持ちでいっぱいです。「青い約束」と「軌跡」もあわせて、まったく違う私の色を楽しんでいただけたらと思います。そして、これからも応援よろしくお願いします。

【PROFILE】梅谷心愛（うめたにこころ）　2007年10月26日、福岡県福岡市出身。小学生のころより祖母の影響で演歌･歌謡曲に親しむ。2018年、日本テレビ『歌唱王』ファイナリスト3位。2019年、テレビ東京『THEカラオケ☆バトル』で番組史上最年少12歳で100点を獲得。2020年に上京、本格的な歌手活動を始める。BSテレ東『徳光和夫の名曲にっぽん』他、多数の音楽番組や舞台に出演。テレビ朝日『サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん』には美空ひばり博士として出演した。2023年7月「磐越西線ひとり」でCDデビュー。演歌･歌謡曲からJ-POPまで歌いこなす圧巻の歌唱力で大きな注目を集めている。

（取材・文／夏見幸恵）

NEW RELEASE!!

2024年4月17日発売
梅谷心愛「磐越西線ひとり」（青春盤）

「磐越西線ひとり」
作詞：石原信一 作曲：弦哲也 編曲：猪股義周
c/w「青い約束」
作詞：石原信一 作曲：弦哲也 編曲：猪股義周
c/w「軌跡」
作詞：左合桂三 作・編曲：井上暖之
徳間ジャパンコミュニケーションズ　品番：TKCA-91565　1,500円（税込）

CHECK!!

2023年7月5日発売
梅谷心愛「磐越西線ひとり」

「磐越西線ひとり」
作詞：石原信一 作曲：弦哲也 編曲：猪股義周
c/w「あこがれ橋」
作詞：石原信一 作曲：弦哲也 編曲：猪股義周
徳間ジャパンコミュニケーションズ　TKCA-91520　1,400円（税込）

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