【Colorful Interview】はやぶさ フレッシュな“ニュー・ムード”で令和のムード歌謡を席巻したい!
新世代歌謡グループ・はやぶさが2月21日、日本クラウン移籍第二弾となる「赤坂レイニー・ナイト」を発売した。雨の赤坂で別れた男性に未練を残す女性を描いた、シャッフル系のムード歌謡作品で、前作に引き続きムード歌謡のレジェンド・鶴岡雅義氏が作曲を手がけた。デビュー13年目を迎え、ニュー・ムード路線がはっきりと見えてきた。これからのはやぶさにおおいに期待したい。
予測がいっさい通用しない”鶴岡メロディー”に挑戦
「赤坂レイニー・ナイト」も前作に引き続き二人にピッタリのムード歌謡。今度の舞台はムード歌謡の聖地・赤坂ですね。
ヒカル 赤坂といったら「コモエスタ赤坂」をはじめたくさんの名曲があるので、最初に聴いたときに”ムード歌謡の王道”という印象を受けました。おしゃれな曲調だし、他にはない素晴らしいメロディーラインです。ちょっと聴いてみると簡単そうなんですけど、歌うととても難しい。「外苑西通り」もそうでしたが、自分に馴染ませるのに時間がかかりそうで、すごく歌いがいのある作品です。
ヤマト 「外苑西通り」よりも、3段階くらい難しくなっている気がしました。鶴岡先生のメロディーは、ムード歌謡の中でも独特なものがあるんです。このメロディーだったら次はこう来るだろうなという、いわゆる“予測”がいっさい通用しないんですよ。メロディーに高低差があって、“メトロの階段かけてくる”の次、“あなたの”で1オクターブくらい上がる。そこがちょうど歌い分けで、歌い切ろうとしちゃうとヒカルちゃんと被ってしまうので、ヒカルちゃんへのパスが大変です。たぶんヒカルちゃんも、パスを受け取るのが大変だろうなぁ。
ヒカル ヤマトくんはいつも、いいパスをくれます。でも私はちょっと運動音痴だから、“あららら…”って受けそこなっちゃう(笑)。ヤマトくんが歌い終わってから出ようと思っていると、間に合わなくなっちゃいますね。サビの“雨 雨 雨よ”からは歌いやすくなるので、すごく楽しんで歌っています。予約キャンペーンでも、皆さん一回で覚えてくださって、一緒に口ずさんでいただいていますね。
難しいとおっしゃったところは、鶴岡先生から歌唱アドバイスなどがあったのでしょうか。
ヤマト 先生は無口な方で、レコーディングのときも“こう歌ってほしい”という要望はいっさいおっしゃらない。これは鶴岡先生の奥様がおっしゃていましたが、この曲は先生が僕たち、はやぶさをイメージして作ったので、音がちょっと若いんだそうです。その一点だけでも、大先輩方が歌ってきたムード歌謡の雰囲気と違うわけじゃないですか。先生が僕らのことを“ニュー・ムード”とおっしゃった核心は、そこにあるのかな。僕とヒカルちゃんが感じたままに歌って、先生ご自身のイメージから抜け出してくれたほうが、新しいものができる。だから、何も気にしなくていいと言われます。
ヒカル でもそれって、逆に難しいんですよ。はやぶさのために作られた曲を受け取って、先生のイメージを裏切らないよう、さらにその上をいかなくちゃいけないということですから。お手本がないですしね。はやぶさなりの「赤坂レイニー・ナイト」を作ってみなさいと、先生は素材だけくださって、調理は任された。“この食材なら調理しやすいでしょ”と渡されたものを、もしかしたらめちゃくちゃにしている可能性もあるわけですよね。
クラウンに移籍して2作目になりますが、移籍してからのニュームード路線ははやぶさにピッタリですね!
ヤマト もちろん移籍する前も歌を大切にしていましたが、振り付けがあったりアニメソングだったり、歌よりも目立つファクターがありました。直立不動で微動だにせずに、歌をお伝えするということのパーセンテージが、いまよりは低かったですね。“この人たちって結局のところ、何なんだろう?という“ハテナ”がどこかに付いているグループだったかもと思います。でも考え方によっては、そういう時期を経てからこれまでとは違うフェーズに入れたことは良かったです。しっかりと歌をお届けしながら、踊ったりするようなエンターテイメント性の強いこともできますから。
ヒカル できません…。私は「蜘蛛男のダンス」はもう体力的に無理(笑)。というのは冗談ですが、ありがたいことに過去の作品を歌ったときに、ファンの皆さんにすごく楽しんでいただけるようになりましたね。振り付けのある曲だと、“えっ、踊るんだ?”みたいに驚かれます。私自身も過去の作品は、当時よりもいまのほうが歌うのが楽しい。以前は心のどこかに“本当は、こういうのじゃないんだよなあ”みたいな気持ちが少しありましたが、いまはきちんと王道の曲を歌わせていただけるようになったからこそ、それが自信になりましたし、誇りに思えるようになりました。
▶︎はやぶさが新曲「赤坂レイニー・ナイト」発売記念『はやぶさフェス(笑)』を浅草花やしきで開催。令和のムード歌謡のトップランナーに!
「うちはまだ営業しています by ヒカルママ」(笑)
カップリングの「しばらく東京離れます」も鶴岡先生の曲ですね。歌の主人公はママではなくホステスさんかな…? 何歳くらいの女性だと思いますか?
ヒカル この人はね…30代後半だと思います。“嫁に行くあて あるじゃなし”と言うのが気になりますね。“たからもの”のお守りは、出張のときに買ってきてくれたものかなぁ。きっと伊勢神宮か出雲大社のね(笑)。出張先で私のことを思い出してくれたんだと思ったら、真心からのおみやげは女性にとってはとてもうれしいですよね。
ヤマト 僕も30代の女性じゃないかと思います。お店もスナックかパブですね…(笑)。
お二人ともストーリーの考察力や推理力がハンパないですね(笑)。
ヤマト この曲はストーリー性があるから、いくらでも話が広がりますね(笑)。もっと若い子がいるようなお店だと、おみやげもブランド品とかアクセサリーとか、もうちょっと下卑たものになると思う。男の人はちょっと年上で、女性は一緒になってくれないことにちょっと皮肉を込めて、“嫁に行くあてがない”とか“自分探し”と言っているのかもしれない。コロナ禍がちょっと落ち着いてきていますが、あの3年間で人生が変わってしまった方もいるじゃないですか。この曲は、コロナ禍で飲食店をたたまなければならなくなった人たちのことが、いわゆる“裏テーマ”だと作詞の本橋夏蘭先生がおっしゃっていました。
“しばらく”離れますということは、また帰ってくるのでしょうか。その後のことも気になりますね。
ヤマト 黒沢明とロス・プリモスさんの「小さなお店をもちました」が、主人公のその後だったらおもしろいなと思ったんですよ。頼りになった人に久しぶりに手紙を書いて、ここにお店を出したので、“一発お電話 下さるならば お席を空けて あなたを待つわ”という歌です。東京を離れて、この曲だと横浜の関内にお店を出す。コロナ禍が明けるのが3年後くらいでしたが、「小さなお店をもちました」の歌詞にも“三年ぶりね”とあるんです。作詞の本橋先生がレコーディングにいらしたときに、「この女性は帰って来るんでしょうか?」と聞いてみたら「帰って来ると信じましょう」とおっしゃったんですよ。“きっと帰ってきます”という言い切りじゃないところが、粋な返し方ですよね。
ヒカル 私だったら「帰ってこいよ by 松村和子さん」って答えそう(笑)。いろいろなストーリーが考えられるから、歌っていても楽しいです。ファンの方の中には「ヒカルママのことなんでしょ」という人もいたんですよ。銀座に店を出して、首が回らなくなったのかなんて! 「うちはまだ営業しています by ヒカルママ」(笑)。
「夜霧のムーンライト」は、イントロのトランペットが印象的ですね。港の音も入っていて、ラブソングなのにラブソングではないように感じられました。
ヤマト これはスタッフさんが持ってきてくださったのを聴いて、一発で気に入りましたね。ビクター時代も含めて、オリジナルではいままでなかったもの。しっとり歌うんじゃなくて絶唱するような、思いのたけをそのままぶつけるような歌があってもいいよね、そういう面をお客様に見せていけたらいいねということで、作っていただきました。作曲は、「酔わせて朝まで」などを書いてくださった平義隆先生です。イントロを聴くとムード歌謡なのかなと思うけど、ムード歌謡でもなく…。やっぱり平先生の曲は、歌っていて気持ちが乗りますね。歌詞ははやぶさの原点回帰、横浜が舞台です!
はやぶさの意識が変わった。「赤坂レイニー・ナイト」はその分岐点となった作品です
デビュー13年目はどんな年にしたいですか? 最後に、お二人の意気込みをお聞かせください。
ヒカル はやぶさを見ると、いつも笑顔になれる。そういう存在でい続けたいので、惜しまずに努力をしていたいと思います。歌を褒めていただくことは、もちろんうれしいですけども、“おもしろいね”“楽しいね”と言っていただけることが自分にとっても喜びです。はやぶさだからこそそう言っていただけるので、ひとりではないということを大事にしたいです。歌はもっともっと勉強しないといけないですね。デビューして10年以上経つと“怖い”ということを覚えちゃうんですよね。最初は勢いで、怖いもの知らずでいけたのに、失敗を重ねるとそれがトラウマになって、勝手に自分にプレッシャーをかけるようになっちゃって。13年目はそこに負けないよう、強くなりたいと思います。
ヤマト 今年13年目に入りますが、意識が少しずつ変わってきているかなと思います。僕はずっと鶴岡先生の曲で育ってきていますから、尊敬している大先生として感謝を忘れることは一生ないけれど、“ありがたいです”という気持ちだけで歌いたくないと思ったんです。歌い手として、どうやって歌と戦っていこうかを考えないのでは、バッターボックスに入ってバットを振らないのと同じ。それよりも、当たらなくても全力でバットを振った方がいい。この時代に、好きな歌の仕事で10年以上も生きてこられたこと自体、奇跡。それなのに、ただスタッフについていくだけというのは、申し訳ないと思うようになりました。「赤坂レイニー・ナイト」は、そういう分岐点なった作品でもあります。
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2024年2月21日発売
はやぶさ「赤坂レイニー・ナイト」
【Aタイプ】
「赤坂レイニー・ナイト」
作詞:保岡直樹 作曲:鶴岡雅義 編曲:石倉重信
c/w「しばらく東京離れます」
作詞:本橋夏蘭 作曲:鶴岡雅義 編曲:石倉重信
日本クラウン CRCN-8640 1,500円(税込)
2024年2月21日発売
はやぶさ「赤坂レイニー・ナイト」
【Bタイプ】
「赤坂レイニー・ナイト」
作詞:保岡直樹 作曲:鶴岡雅義 編曲:石倉重信
c/w「夜霧のムーンライト」
作詞:かつらかじ 作曲:平義隆 編曲:内田敏夫
日本クラウン CRCN-8641 1,500円(税込)
CHECK!!
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