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【Colorful Interview】神野美伽が人生の悲喜を歌い上げる〜40周年記念曲「夜が泣いてる」〜

神野美伽が、6月7日に40周年記念曲「夜が泣いてる」をリリースした。手がけたのは、神野の代表曲のひとつ「浮雲ふたり」などをはじめ、歌謡界に数え切れないほどの名曲を送り出してきた作詞家・荒木とよひさ氏と作曲家・岡千秋氏だ。ひと言に40年と言っても、その中にはたくさんの苦楽があり、幾度もの紆余曲折があった。「ここまで歌い続けてこられたことは奇跡」と話す神野。ひたすらに歌とともに歩んできた彼女の、40年を飾るにふさわしい珠玉の一曲が誕生した。

 

 

40年も歌い続けてこられたことは本当に”奇跡”

1984年のデビューから今年40周年に突入されました。改めてこれまでの活動を振り返って、いまの率直なお気持ちをお聞かせください。

神野 楽曲との出合い、たくさんの方との出会いがあって、ここまで導いていただけたのだと痛烈に感じています。感謝の思いしかありません。ここまで歌い続けてこられたことは、本当に奇跡。そして長く歌うためには、健康な体と精神があってこそと、いまつくづく実感しています。

40年の歌手人生の中で、とくに思い出に残るエピソードはありますでしょうか。

神野 思い出は数えきれないほどありますが、近々でいうと昨年(2022年)6月の東京でのコンサートの舞台に復帰できたということが、歌手人生の一番強烈な出来事です。昨年は体調面で恵まれず、半年で3回の手術や入院を繰り返し、4月の大阪コンサートは歌手人生で初めてチケット発売後に公演中止に。他にも何本かコンサートを中止にしてしまうということがあった後の6月の東京コンサートでしたので、緞帳が開いたときの震えるような気持ちは一生忘れることができないと思います。

今年3月に行われた40周年記念コンサートでは、神野さんの65作ものシングルジャケットがスライドとなって披露されました。これまで発表されたオリジナル作品の中でもとくに思い入れや思い出のある作品はありますか?

神野 新曲の「夜が泣いてる」を含めて全66作の中で、デビュー曲もそうですし「男船」もそうですが、そのときにしかできない貴重な経験をたくさんさせていただきました。個人的には、1999年に日本と韓国で同時に発売したアルバム『海峡をこえて…名歌彩々』からシングルカットした「夜桜善哉」です。

当時、日本人として初めて韓国でデビューされた歌手ということで話題になりましたね。

神野 私自身の長年の思いで、日本だけでなく韓国でも仕事をしていきたいということが叶った作品でした。ですので、1999年は日本のプロダクションと契約しながら韓国のプロダクションとも新たに契約して、1年半ほど、たとえば2週間日本で仕事をしたら残りの2週間は韓国に行って、新人として活動をしていました。韓国語を話せてこそ成立した仕事ですので、それまでに韓国語を話せるようになりました。それは私にとって大きな経験で、何よりもその後、演歌の可能性を広げたいとニューヨークに行き始めたのも、韓国での経験があったからこそ。アメリカに行くことを何のためらいもなく決断できました。私にとって、ものすごく視野が広がって歌の栄養になっているのは間違いのないことだと思っています。なので思い入れのある楽曲は、私にとって大きな転機になった「夜桜善哉」です。

また、神野さんはジャズやロックなどジャンルを超えてさまざまな音楽に挑戦され、多くのフェスなどにも出演されてきました。こうした活動に込める思いをお聞かせください。

神野 たとえば、ニューヨークへ渡ったことも突然ではなくて、私の中で演歌というジャンルに対する先細り感や閉塞感というものを感じていたので、意を決して渡りました。ロックフェスやジャズ、ラテンのフェスやゲストボーカルとしての出演も、すべては私自身の中にある演歌という大きな個性を、もっともっとふくらませたいという思いからの行動です。

 

40年の節目に、迷わず「演歌を歌いたい」と

いよいよ発売になりましたデビュー40周年記念曲「夜が泣いてる」は、どのような作品でしょうか。

神野 歌のシチュエーションは、「男がひとりしみじみ思いに更けている」という、過去の演歌の詞では百も千もあるシチュエーションです。ですが、あえて今回40周年ということで、どういう作品を歌いたいかと聞かれた際、迷わず「演歌を歌っておきたい」と答えました。同時に、「もうひとつわがままを言わせていただけるのなら、荒木とよひさ先生の作品を歌いたい」と。この2点を叶えてもらった作品です。

荒木とよひさ先生と岡千秋先生という歌謡界の重鎮のお二方が、神野さんのために作られた王道演歌。「ここを聴いてほしい」と思われる聴きどころを教えてください。

神野 詞の世界観は荒木とよひさ先生にお任せしてできあがったものですが、めずらしく五行詞なんですね。長い詞が比較的多いとよひさ先生ですが、五行という詞の世界の中で何を表現したかったのかというあたりでしょうか。今回は「男がひとり、酒場で」ということをまったく度外視して、とよひさ先生が書いていない、言葉にしていないところをたくさん歌っているような気がします。ご存じのとおり、私たちは長い間夫婦という間柄でもありました。ですので、こういうことを私にいま伝えたいのかとか、とよひさ先生の男としていまの年齢を迎えた人生の寂しさや、人生というのは面白いものだね、とか、そういう言葉が聞こえてくるんですね。この詞をそのままなぞらえるのではなく、私自身はここには書いていないとよひさ先生との会話を、歌手としてうれしいなと思いながら、男と女は切ないものですねというような思いも込めながら、どちらかというと女性目線で歌っている作品に仕上がっていると思います。切なさや喜びを、感じ取ってもらえたら。

レコーディングの際はどのような雰囲気でしたか?

神野 通常どおり、あっという間に終わりました。懐かしいというか、荒木とよひさ先生と岡千秋先生とのトライアングルを楽しんで、いい意味で音楽を遊びながらレコーディングできていたと思います。

「夜が泣いてる」レコーディング時の一枚。作曲の岡千秋氏(写真左)、神野、作詞の荒木とよひさ氏(右)

 

できるだけ長く、健康で歌っていられるように

40年を経て、いま胸に抱かれている歌手活動においての目標や抱負はありますか。

神野 私自身ができるだけ長く、健康で歌っていられるように、というのが一番大きな目標です。正直、どこまで歌っていけるかはわからないのですが、それ故に一日一日、一曲一曲、一回一回の仕事が本当に楽しく、愛しく思いながら歌と接しています。それをどこまで繰り返していけるか、です。これは課題とか苦しみではなくて、健康でそれがどこまでできるかが楽しみです。コロナ禍では、ストップしていたことがすべてが悪かったわけではなくその間に他のジャンルの方々とのお仕事が急激に広がりました。それが8月は名古屋、9月に東京・新宿で行うコンサートで表現できればと思います。

これからもまだまだ新しいことに挑戦されていく神野さんのご活躍が楽しみです。

神野 いまの時代を悲観することもありますが、こんな時代だからこそ海外に向けての発信がやりやすくなりましたし、信じられないくらいたくさんの方々が、SNSを通して世界中から私の歌を聴いてくださっているというのがよくわかるようになりました。いま私もわかっていない、まだまだある演歌という個性を持った”神野美伽”という歌い手の可能性が、これからもっと広がっていけばいいな、と私も楽しみにしています。

ありがとうございました。最後に、ファン、そして読者の皆さんへメッセージをお願いします。

神野 コロナを経験して、ステージに立てない、レコーディングスタジオにも出入りできない、テレビ収録もストップ、取材も受けられないというような中で、ファンの方々からいただいたメッセージがとても心の支えになりました。ファンの方々は、それぞれの家で私の歌を聴いていることが心の励みになっています、というようなことを書いてくださっていて、これが人と人の間にある、私が歌っている歌なんだということを痛烈に感じ、そして皆様に支えていただいているということを実感しました。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

NEW RELEASE!!

2023年6月7日発売
神野美伽「夜が泣いてる

「夜が泣いてる
作詞:荒木とよひさ 作曲:岡千秋 編曲:猪股義周
c/w「男船(新録)」

作詞:やしろよう 作曲:市川昭介 編曲:猪股義周
キングレコード KICM-31100 1,400円(税込)

 

2023年6月21日発売
神野美伽
カバーベストアルバム『遙歌』(はるか)

歌謡界に燦然と輝く名曲の数々を、遥かな時間を超えて歌い継いでいく神野美伽の人気カバーシリーズの決定版!

収録曲はこちら
キングレコード KICX-1169~70 4,100円(税込)

 

INFORMATION

神野美伽 デビュー40周年リサイタル

①日時:2023年8月8日(火)
会場:愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
時間:開演 15:00
料金:SS席 5,500円 A席 5,000円
チケット問い合わせ:MIN-ON中部チケットセンター 052-951-5391/栄チケット92 052-953-0777/名鉄ホールチケットセンター 052-561-7755
チケットぴあ https://t.pia.jp  Pコード (242-037)
ローソンチケット https://l-tike.com/ Lコード (42652)

②日時:2023年9月13日(水)
会場:東京・新宿文化センター
時間:開演 16:00
料金:SS席10,000円 S席7,000円 A席6,000円 B席5,000円
※SS席・S席はファンクラブ先行販売あり
ゲスト:クリヤ・マコト&The Big Bandほか
チケット問い合わせ:ベルワールドミュージック 03-3222-7982(平日12~17時)
新宿文化センター(窓口販売のみ)03-3350-1141
チケットぴあ https://t.pia.jp  Pコード (243-572)
ローソンチケット https://l-tike.com/ Lコード (70734)
イープラス https://eplus.jp (パソコン&携帯)

CHECK!!

神野美伽オフィシャルサイト
神野美伽公式Twitter
神野美伽Instagram

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