作詞家・もず唱平、88歳の誕生日を豪華ステージで祝福。川中美幸、鳥羽一郎らが名曲を熱唱
60年近くに渡って日本の歌謡界に作品を提供してきた作詞家、もず唱平の88歳の誕生日となる8月8日、大阪・心斎橋「スペース14」で『88Years Festival~もず唱平自選集作品発表記念公演』が開催され250席満員の中、日本維新の会幹事長・中司宏衆院議員、公明党参院幹事長、石川博崇参院議員、元官房長官・元文科相の平野博文氏ら政財界の関係者らも多数が客席に詰めかけた。

幕開けを飾ったのは、最近楽曲を提供された中で一番若い歌手のひとり、朝花美穂。封建時代に貧しさの中で身を売るしかなかった女郎をテーマにした「しゃくなげ峠」「銀のかんざし」を披露。司会の小池可奈に「詞の意味は全部理解できましたか?」と問われ、「もず先生に丁寧に教えていただき理解できました。今日は先生にいただいた銀のかんざしをしてきました」と披露する一幕も。

朝花美穂
続いて登場したレイジュは台湾の先住民タイヤル族の出身で、もずが彼女の生まれ故郷・宜蘭県を訪れた際に購入し贈った民族衣装を着て登場。浪花女を主人公にした「サイナラあんた」を歌って祝福した。成世昌平は、小池ともずのよき理解者だった作曲家・船村徹(2017年、84歳で死去)とのエピソードを披露。2人の作品「みかえり富士」はブラジル移民に夢をはせて海をわたった人々の物語、と説明。また幼くして故郷を離れて奉公に出された恵まれぬ少女たちを歌った「杏」を東海林太郎ばりに背筋を伸ばした姿勢で、ギター池田定男、ピアノ山下憲治の生演奏で熱唱した。

レイジュ

成世昌平
次に登場した中村美律子は、もずの楽曲ながら「レコーディングの時以来、ほとんど歌ったことがない」という「酔っぱらって子守唄」と「親不孝伝」を「今日歌わせていただくので、かなり練習しました。20年ぶりです」と話し、小池が「母性の回復や虐げられた者の歌ですね」と説明。3曲目には「虫けらの唄」といずれも地味な楽曲ながら、独特の巻き舌の〝美律子節〟で客席を魅了した。

中村美律子
続いては船村の愛弟子、鳥羽一郎が登場。内弟子時代に目撃したもずと船村の飲みっぷり、遊びっぷりを明かすと場内は大爆笑。漁師歌で定評のある鳥羽に提供した「泉州春木港」を披露後、罪を犯して服役し社会復帰を目指す人々を主人公にした「一厘のブルース」を歌う前に、鳥羽が客席にいた大阪のお好み焼き「千房」の中井政嗣会長とお笑いタレントで文化功労者の西川きよしを舞台に呼び上げ、前科前歴者の社会復帰の難しさと支援の大切さを語ってもらう一幕も。

鳥羽一郎
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トリに登場したのはもずがスカウトした門下生、川中美幸。14歳で指導を受け始めてプロに転じ、一緒に残留孤児の足跡を訪ねて訪中。その思い出を語る川中の目には涙も。関連した「櫻」を歌い、続いてもずと川中の愛した大阪の情景をバックに歌った「あんたの春」。締めはもずが八代亜紀(2013年、73歳で死去)に提供した「立ち吞み小春」を選択。ここで作曲したシンガーソング・ライター、円広志が登場。今回の自選集を担当した徳間ジャパンコミュニケーションズの坊井江里奈ディレクターが「服(まつろ)わぬ、とは長いものに巻かれず権力に組みしない、という意味。もず先生は弱者を思いやるだけでなく、その中に入って同じ目線で理不尽な社会の仕組みを冷徹に見ておられる」と製作意図を説明。

川中美幸
最後に石川さゆりがサプライズ登場。「もず先生が断筆宣言される直前に『棉の花』をいただきました。そんなことおっしゃらず、ぜひ次の曲の打ち合わせをさせてください」と活動継続にエールを贈った。

石川さゆり
最後にもずは観客を出口で阪神タイガースの背番号88のユニホーム姿で見送り。報道陣の質問に対し「今日はあくまで楽曲と歌い手が主役。良き先輩や周囲の人々のおかげでここまでやってこられた。今日は歌い手の皆さんが頑張ってくれ、よいステージにしてくれました」と話し、笑顔で会場を後にした。
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