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【Colorful Interview】小田純平「これからも自分なりに、自分らしく、自分の道を」

小田純平が4月6日に、新曲「65〜たられば捨てて〜」「逢生川(おうじょうがわ)」を二作同時リリースする。「65〜たられば捨てて〜」は、男心の代弁者として多くのファンの心をつかんで離さない小田が、ライフワークのひとつとして53歳の時から歌い続けてきた“嘘偽りない等身大の歌”。一方の「逢生川」は、女性の心の中に密かに、そして激しく渦巻く感情を渋く歌い上げる小田流女唄。ジャンルという概念を超越して独自の音楽スタイルを生み出し続けるシンガーソングライター・小田に、楽曲が生まれた経緯や込めた思いについて聞いた。

 

“たられば”なんかない。いまの自分が、自分で選んできた自分

昨年に続き、今年も二作同時リリースとなりました。まず、「65〜たられば捨てて〜」についてうかがいたいのですが、小田さんのシリーズ作品の最新作になるんですね。

小田 そう。じつは53歳のときに、僕はとても恥ずかしい経験をしたんです。当時の僕は親孝行のあり方がわからず、少しでもお金が入るとちょっといいものを買っておふくろにプレゼントして自己満足していました。あるとき、おふくろの面倒を見てくれていた人から「親孝行とはこういうことですよ」と教わりました。ハッとしたんだよね。そして、そんなに僕と年齢も変わらないような人に親孝行のあり方を教わるということがみっともないなと、「母ちゃんごめん。母ちゃんの気持ちも知らんで俺は今まで生きてきた」って、すごく恥ずかしかった。だからその日を境に、僕の等身大の、嘘偽りのない曲を作って伝えていこうと決めました。

53歳から、57、61、65と4年ごとに作品をリリースされているんですね。

小田 僕は”小田リンピック”と呼んでいるの(笑)。自分の中で69、73歳とあと8年は頑張ろうかなと思っています。

65歳を迎えられたいま、「〜だったら」「〜していれば」という”たられば”をテーマに歌われようと思ったのはなぜですか?

小田 この中にも歌われているんだけど、若いときって未来のことを一生懸命語るじゃん。「将来こうなってさ〜」って。若いときにはあんなに夢を語っていたのに、この年齢を迎えると思い描いていた夢や未来がなくなって過去を語り出すようになる。男はとくにそうなんだけど、未来に向かって一生懸命頑張る。上って上って上りつめて夢を達成しちゃうと、次を追いかけようという体力も精神力も残っていない。そうすると、若い人に「昔はね〜」となっちゃうんですよ。それは仕方のないこと。今もうできないわけだから。それをそのまま歌にしたんです。

一度や二度は誰でも「もしもいまと違う道を選んでいたら、こんなじゃはずなかったかもしれない」と思ったことはありますよね。

小田 大人になると言い訳をする人が多いんですよ。これは女性でもね。そういう「たられば」を捨てなさい、受け入れなさいと。プライドもあるしなかなか難しいことかもしれないけれど、この曲で一番伝えたかったのは、「たられば」なんかないんだよ。その時その時自分で結論を出してやってきたことを人のせいにするんじゃないよということですね。

たられば捨てて振り返れば
その時 その時 自分なりに
力の限り生きたじゃないか
これからも 自分なりに
自分なりに
(「65〜たられば捨てて〜」)

65歳くらいって、「これが俺なんだ」というのを受け入れる年齢なんです。何事も中途半端だと年を積み重ねたときに後悔する。だから、こうと決めたらやれるところまでそのときにやりましょう。だから、僕もこれからも自分なりに、自分らしく、自分の道を生きていくつもりです。

 

古き良き昭和の匂いの残る「逢生川」

一方の「逢生川(おうじょうがわ)」はまったく趣の違う作品ですね。

小田 女性の情念を深く深く歌った作品です。詞をよく読むとね、いまどきいねぇだろうこんな女っていう感じでしょ(笑)。命を削ってまで男に賭ける女性は探してもいないんじゃないかって。だから、昭和なんですよ。昭和の頃ってまだ男が大黒柱で女は家庭を守るという風潮があったじゃないですか。

いまは、女性も強いですからね(笑)。

小田 僕は曲を作るときはやっぱり昭和を思い出すんですよね。「いまの時代に俺はついていけているんだろうか?」と思ったときに、やっぱりいまの若い人たちの感性と僕らが育ってきた時代の感性はまったく違うものだなと感じるし。昭和の良き時代にはこういう人たちがいたと、だからこそ僕たちは昭和を生き抜いてこられたんだけどね。

小田さんの女唄は大衆演劇の舞踊ショーでも人気だとうかがいました。

小田 一昨年かな、2年くらいになるんですけれどTwitterを始めたときに大衆演劇が大好きな方たちからたくさんフォローが来まして、「私が応援している座長さんが純平さんの曲で踊られています」「純平さんの曲で踊らない日はないです」というメッセージをいただきました。それで実際に観にうかがったら本当に踊ってくれていて、それぞれの座長さんたちに話しを聞いたら「たとえば”小田純平を踊る”というようなアルバムがあったら非常にうれしい」と。それじゃあと皆さんの鉄板曲をアンケートしたんです。そうしたらだいたいベストテンは同じ。8割方、女の情念を歌った女唄でした。その鉄板曲の中からセレクトして出したのが『もう一つのルーツ』(2021年)というアルバムです。

2021年9月8日発売
『もう一つのルーツ』
日本クラウン CRCN-41377 3,300円(税込)

昨年リリースされた「恋うつつ」も激しい情念の女唄でした。

小田 Twitterを始めて出会った皆さんから熱いリクエストをたくさんいただいたので「恋うつつ」を出させていただいたのですが、それからも当然リクエストが来るわけですよね、「次も楽しみにしています!」って(笑)。じゃあそのまま「恋うつつ」の流れを引き継いで、大衆演劇でも踊れるようなフレーズとカラオケでも歌えるメロディーラインの曲を、ということで「逢生川」が生まれました。

作詞は「恋うつつ」と同じく朝比奈京仔先生ですね。

小田 そう。舞踊ショーで人気のある女唄の「酒の川」「夢のてっぺん」は朝比奈先生が作詞されているんです。大衆演劇のファンの皆さんは、朝比奈先生の詞の世界観がめちゃめちゃ好きみたいなんですね。それで今回も朝比奈先生に、「酒の川」を彷彿させるような女の情念の歌を書いてもらえないかとお願いしました。

発売されたら皆さんが「逢生川」で踊られるステージも楽しみですね!

小田 うん、ぜひこの歌で踊ってください。マネージャーのアドバイスでTwitterを始めたことで素晴らしい出会いがたくさんあって、いろいろな広がりもあって楽しいです。「65〜たられば捨てて〜」には僕の本当の等身大のメッセージが入っています。「逢生川」は、現代社会においてはこんなに情のある女性はいないだろうと思われるでしょうが(笑)、どちらも楽しく聴いていただければうれしく思います。え〜、小田純平でした(古畑任三郎のモノマネで)。

 

【PROFILE】小田純平(おだじゅんぺい) 1957年4月15日、鹿児島県出身。両親が営む劇団で3歳のころより舞台に立つ。1979年、真越敏幸の名前で「海を見ていよう」で歌手デビュー。一度音楽活動を休止するが、2010年より本格的にシンガーソングライターとして活動をスタートさせる。2004年にリリースした「三年待ち屋」で作曲家・音楽プロデューサーとして一躍注目を集める。2013年から2014 年にわたり、全国規模でカラオケ大会を開催。全国7000人という驚異的な動員を果たした。また、キム・ヨンジャや秋元順子、北島兄弟など数多くの歌い手に作曲作品を提供。今後の日本の音楽シーンで独自のポジションを期待されているシンガーソングライター。特技はモノマネでそのレパートリーは幅広く、歌のみならずその飾らないキャラクターでも人気を集めている。

 

NEW RELEASE!!

2022年4月6日発売
小田純平「65〜たられば捨てて〜」

「65〜たられば捨てて〜
作詞:中村つよし  作曲:小田純平  編曲:矢田部正
c/w「もうやめた」
作詞:中村つよし  作曲:小田純平  編曲:矢田部正
日本クラウン CRCN-8476 1,35
0円(税込)

2022年4月6日発売
小田純平「逢生川(おうじょうがわ)」

「逢生川(おうじょうがわ)
作詞:朝比奈京仔  作曲:小田純平  編曲:矢田部正
c/w「花染められて」
作詞:志賀大介  作曲:小田純平  編曲:矢田部正
日本クラウン CRCN-8477 1,35
0円(税込)

 

CHECK!!

小田純平オフィシャルサイト
小田純平公式Twitter
小田純平Instagram

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