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話題の新曲をPICK UP【Ask!】 Vol.8 走裕介「氷花」

話題の新曲をご紹介するコーナー『Ask!』では、楽曲へ寄せるアーティストの熱い思いやカラオケで上手に歌うコツなどをアンケート形式でインタビュー。聞きたてホヤホヤの生の声をお届けします!

Vol.8 走裕介「氷花」

引きの美学のようなものを教えてもらいました

新曲「氷花」はどのような楽曲ですか?

 恋人と別れてしまった男性の、悔やんでいる想い、昔の想い出や、愛した想いを「氷の花」の儚さに重ね合わせた、とてもメロディアスで、ダイナミックなアレンジが、曲の進行と共に盛り上がるバラード歌謡曲です。

「氷花」という自然現象と、失意の中で別れた恋人への想い。初めて聴かれたときはどんなイメージや感情が浮かびましたか?

 いまでも心から愛しているにもかかわらず、幸せにすることができずに別れてしまい、そんなもどかしさの中、自分の心もこの氷の花のように砕け散ってしまうような感情を、歌詞・曲から感じ取ることができました。

ちなみに……氷花は極めてレアな自然現象のようですが、走さんは実際に出合ったことはありますか?

 阿寒湖は何度も訪れており、マリモのイメージがとても強くあるからか、道産子でありながらこのように美しい現象は、石原先生からお聞きするまで全く知りませんでした。

「昭和縄のれん」以来の杉本眞人先生作曲、石原信一先生作詞のビッグコンビですが、今回感じた新しい発見はありますか?

 そうですね~、いつもの私の歌唱法ですと、基本的に一生懸命頑張って歌っている感じのようですが、今回の歌唱法は引き算、いわゆる引きの美学のようなものを教えてもらいました。

実際に歌われてみて、走さんは先生方の作品にどのような魅力を感じますか?

 石原先生の歌詞には、それほど多くの情報を入れこんでいないのに、その歌詞の言外の意味を読みとることができるところが魅力かと感じます。杉本先生の曲には、大人しくメロディアスな感じで始まり、サビで爆発的に盛り上げ、また静かにエンディングを迎える流れに魅力を感じますね。

 

昭和から平成初期…自然と生命力が鍛えられた時代だった

歌詞の中のフレーズで、特に自分の感情や経験を重ねられた箇所はありますか?

 「逢わずにいてもこの心 想いは今も変わらじと」です。こんなに離れて、月日や時間がどんどんと過ぎて行く中、それでも私の想いは募るばかり、と言うような感情が、自分の感情として、重ねることができているように感じます。

レコーディングで特にこだわった歌い回しや表現はありますか?また、これまでのシングルと比べて、歌い手として新たに挑戦したことはありますか?

 とにかく、前半と後半の語りの部分では、声の出し方、声の表情、息づかいに重きを置いて、なるべく引いて歌唱し、その引いてきた分、サビでの盛り上がりは爆発的な表現になるように、ガラッと変わる歌唱をいたしました。

カップリング曲「海鳴りのあいつ」はどのような作品でしょうか?

 昭和世代として生まれた二人が昔のやんちゃで楽しかった青春を想い出し、年齢を重ね、自分は田舎で暮らしているが友であるあいつは、あの頑固な感じで都会で暮らしている。変わらず元気にしてるだろうか?と友を心配している様子がうかがえる曲です。

走さんと等身大の世代の男性像の心情を歌われていますが、特に重なる部分はありますか?

 私が入った高校が、なかなかの「ビーバップハイスクール」または「東京リベンジャーズ」のような光景が日常的にみられる学校でしたので(笑)、「喧嘩自慢」「馬鹿をやってたふたりが浮かぶ」などは、この令和の時代にはあまり良くないことかもしれませんが、とても重なりますね。それに、当時の先生の中には平成初期でしたがバンバン生徒を叩いていましたし、昭和から平成初期って自然と生命力が鍛えられた時代だったように感じますね。叩いてくれた先生とか、当時は痛かったけれど、後々社会人になって、自分にとっては良い想い出になってますし、その先生がキャンペーンに来てくれたこともありました。私にとっての叩かれることって、決して暴力ではなく、人の痛みをわかるための訓練だったように感じます。

カラオケで歌う際のコツは「しっかりと曲を聴きこんで、覚えていただいて、多少フラストレーションが たまるかもしれませんが、サビ以外の唄い始めと唄い締めの声の出し方や質感を真似しながら、引き算をしてみてください。代わりに、サビは情熱的に悲しみや悔やみを唄い上げてください」と走

 

「歌は心で歌うもの」

カップリング曲「氷紋列車」では北海道・弟子屈町がテーマですが、歌われてみてどんな風景や思い出が頭に浮かびますか?

 この歌詞に出てくる弟子屈や川湯は、コンサートやディナーショーで今年も訪れている場所ですので、唄うとあの地域の森の木々の風景や自然動物との共存、冬の空気感、深々と降る雪景色、雪どけを迎えた時の畑から立ち上る水蒸気や、土の香り、風や水道の水の冷たさ、川湯温泉の熱くて酸っぱい泉質の感覚や、硫黄の匂い、そして、トラック運転手時代には芝生を積みに別海方面に向かう途中、必ず弟子屈町のスタンドによって給油していた想い出などがよみがえりますね~。

北海道・網走ご出身ですが、故郷が走さんの音楽観にどのように影響されていると思われますか?

 私の故郷は、とにかくポツンと一軒家に出てくるような感じの自然だらけの地域ですので、そんな雄大なところで育ったからか、ジャンルにこだわることなく音楽を受け入れられるところですかね~!

今年17年目を迎えられ、今あらためて大切にしていることはありますか。

 師匠、船村徹先生のお言葉。「歌は心で歌うもの」ですね。

この曲を通じて、聴いてくださる方にどんな気持ち・メッセージを届けられたいと思っていますか?

 大切なものを大切にしてほしいです。何故なら、それは、あなたにとって、儚いものだからです。

最後に、新曲の一番の聴きどころや、ファン・読者の皆さんへ一言をお願いします!

 表題曲「氷花」の歌唱の感じがかなりな引き算ですので、そこに注目して新たな走裕介の世界を感じてほしいです。いつも大変お世話になっておりますが、早いもので17年目の「唄旅」人生となりました。それでも、まだまだ私の「唄旅」は続きます。そんな私の「唄旅」を支えてくださるのは、皆様です。そして、あなたなのです。あなたに唄を届けたいです。どうぞこれからも、熱い応援を宜しくお願いいたします。

【PROFILE】走裕介(はしりゆうすけ) 1973年12月7日、北海道網走市出身。オホーツク海と知床連山が一望できる環境で育ち、中学からバンド活動を始める。高校卒業後は実家の農業や漁業に従事。1997年NHK-BS『日本縦断カラオケ道場』で優勝。作曲家・船村徹氏に歌を録音したテープを送付したことがきっかけで、1999年7月に船村氏の内弟子となる。10年の修行を経て、2009年「流氷の駅」で歌手デビュー。着実に実績を重ね、2020年、第48回日本歌手協会最優秀歌唱賞受賞。特技はドラム、運転(普通車~大型トレーラー)。

 

 

NEW RELEASE!!

2025年10月22日発売
走裕介「氷花」

「氷花」
作詞:石原信一 作曲:杉本眞人 編曲:佐藤和豊
c/w「海鳴りのあいつ」
作詞:石原信一 作曲:杉本眞人 編曲:佐藤和豊
c/w「氷紋列車」
作詞:幸斉久美 作曲 :菊池じゅん 編曲:石倉重信

日本コロムビア COCA-18309 1,500円(税込)

 

CHECK!!

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