【COLORful Interview】松阪ゆうき 祝・デビュー10周年! 深化と新化、そして進化! 新曲で新たな魅力を

“スーパーハイブリッドシンガー”松阪ゆうきが、6月11日、新曲「まにまにのまに」を発売する。新境地を拓いたと大好評だった前作「黄昏のシルエット」のシティーポップ路線を、さらに突き詰めてたどり着いた作品だ。ゆらゆらと揺れ動く恋心を大人っぽく、意味深に描いた楽曲で、これまでの松阪とはまた違う新たな魅力を味わえる。インタビューでは、たしかな歌唱力があるからこそかえって苦労したという、レコーディングでの意外なエピソードも話してくれた。
「まにまにの…まに」。その間(ま)に込めたもの
「まにまにのまに」というタイトルが、すごく印象的です。全てひらがなですし、何のことだろうと気になりますね。
松阪 リズムのある曲が先にできてきたのですが、それに合う歌詞がなかなかできなくて大柴広己さんという、ポップスを歌われているシンガーソングライターの方に作っていただきました。メロディーの雰囲気に合いながらも意味深な歌詞で、最初にいただいたときは“なんか難しいな”と思いました。 世の中、自分の強い意思だけで決められることは案外少なくて、周りの流れを見ながら決めていくことも多いですよね。そういう人生の“まにまに”でしょうか。皆さんもそれぞれ違った受け取り方があると思います。“まにまに”の“間(あいだ)”にということですから、“まにまにのまに”と一気に言わないで、“まにまにの…まに”と、“まにまにの”で切る感じでお願いします(笑)。
J-POPのような歌い方が、松阪さんとしては新鮮ですね。
松阪 ポップスの歌い方としてはありますが、突っ込んでというのか、前のめりな感じで歌ってほしいと言われたんですよね。綺麗な発音で言葉がちゃんと聞こえるようにというよりも、ちょっとクセがある感じで歌った方が今っぽいということも言われたりして。演歌はちょっとためて歌いがちですし、クラシックもうそうですけどインテンポで歌うので、それよりも前で歌うというのはないですからね。歌い方ひとつとっても、これまでとはちょっと違う。感覚的なことなので難しかったですね。
ふだんは”発音もテンポも正確に歌っていらっしゃるから慣れない”という、松阪さんならではの悩みですね。レコーディングでは、腕を振りながら歌っていたとお聞きしました。
松阪 レコーディングブースの中で歌っている僕をモニターで見ながら、「あの独特な腕の動きはなんだろう」って、みんなで言っていたみたいです。たぶんあの動きをやめたら歌えなくなるんだろうと思って、誰も指摘しないでいてくれたと(笑)。いまでもまだ歌い方に慣れきっていないというか、自分の中にすとんと落とし込めていなくて、どう歌うのが一番いいのか、まだ探りをいれながら歌っています。
カップリングの「恋花火」は、これからの季節にピッタリです! 夏と恋と花火の思い出は、誰の中にもそれぞれありますよね。
松阪 これは花火が散ることと、恋が散ることをかけてあるんです。思い出は思い出として残しながら、前を向いて生きていこうという感じでしょうか。聴いてくださる皆さんも、花火大会に行ったことがあると思います。花火を友だちと観ていたのか、家族となのか恋人となのかはわかりませんが、“あの花火のときは、あの人と一緒だった”なんて思い返しながら聴いていただきたいですね。キャンペーンではもう歌っているんですけど、“若かりしころを思い出して、ジーンとくるわねえ”なんて言ってくださる方もいます。「まにまにのまに」とはタイプが全然違うので、どちらもA面のつもりで歌っています。

最近、苦手だった納豆を克服された!という松阪さん。「高校生のころチャレンジしてみたことはありますが、匂いがダメでした。たまたまSNSで、キャベツを電子レンジでチンして、その上に納豆と卵とごま油をかけて食べると痩せるというレシピを見かけて。 試してみたら、これはいけると(笑)。いろいろな納豆を食べてみましたが、僕はちっちゃい粒の方が好き。梅やワサビが入っているのなどタレの味もいろいろありますね。一番おいしかった納豆は“くめ納豆”という水戸の納豆です。スーパーで売ってますので、ぜひ食べてみてください」
歌手としての本質は何だろうと、ずっと考えています
最近、プライベートでは何か印象的だった出来事はありましたか?
松阪 この間、布施明さんの武道館でのコンサートを観に行かせていただいたんです。すごい歌唱力をお持ちで、歌で魅せる方なんだなとあらためて思いました。僕もどちらかというと、声で魅せられるようになりたいという気持ちが自分の中にありますね。布施さんのステージを観ながら、もし自分があそこに立っていたらあの曲をどう歌うだろうか、と考えていました。あ、なるほどこれを歌うんだ、だからこうなんだと考えてしまって、普通に聴いていられなかったです(笑)。クラシック系の曲も歌っていらっしゃいましたし、間奏に一瞬クラシックを取り入れて、また歌に戻るというのが3、4曲あったので、布施さんもクラシックがお好きなのかなと思いました。
松阪さんもあらゆるジャンルを歌われますが、ご自分にはどんな歌が一番合っていると思いますか?
松阪 ここ半年から1年ぐらいは、自分でもずっとそれを考えながら生きています。結局、自分らしさって何なの? “何か一曲選べ”と言われたら何を選ぶだろう?みたいなことですよね。由紀さおりさんにも「自分の核となるものを作った方がいいと思うわ」とよく言われます。自分の声の質とか歌い方を考えたら、やっぱり声楽っぽい歌になるのかな。いろいろなジャンルの曲を歌えることも、自分らしさかなとも思うけれど、「”自分の本質はこうだ”という芯があったうえで、いろいろなことをやった方がいいと思うわ」と由紀さんもおっしゃっていました。
大先輩のアドバイスは深いですね。
松阪 以前、BS朝日の『人生、歌がある』で布施さんが司会をされていたときに、布施さんから「足のつま先に、グッと力を入れて歌った方が、もっといい声が出ると思いますよ」と言っていただいたことがあって。たしかに緊張すると、どうしても重心が浮いてきたりするときがありますよね。布施さんと由紀さんは同い年だそうです。お二人とも本当にすごい。由紀さんも、姿勢がいいですね。やっぱり重心はいつも前にある気がする。横で歌わせていただいて、本当に勉強になるところばかりです。せっかくご一緒させていただいているんだから、盗めるものはどんどん盗みたいと思います。
ありがとうございました。最後に、今後の活動について教えてください。
松阪 ちょっとポップな「まにまにのまに」と、「恋花火」という曲が出来上がりました。「まにまに…」は、ちょっと意味深な感じではありますが、大人の雰囲気を出して歌えればいいなと思っています。新曲のキャンペーンの他にも、6月17、18日に東京で『TOW-KAKU』というイベントをやります。若手演歌・歌謡界の7人がエンターテイメント文化の中で“こんな歌手がいますよ”というのを見せていくコンサートです。もちろん“頭角を現していきたいね”という思いがあります。そして、8月9日は大阪で由紀さおりさん、安田祥子さんの童謡コンサートにゲストで出演させていただいて、一緒に歌わせていただいたり、ソロでも何曲か歌わせていただく予定です。皆さん、楽しみにしていてください!

【PROFILE】松阪ゆうき(まつざかゆうき) 10月12日、三重県鈴鹿市出身。幼い頃から祖父の影響で民謡に親しんで育つ。武蔵野音楽大学音楽学部声楽学科卒業。ミュージカルの舞台に立つかたわら、2012年より民謡歌手の原田直之氏に師事。2015年10月 日本コロムビアより「ふるさと帰り」でデビュー。2018年4月 徳間ジャパンに移籍し「俺の空」を発売。伸びのある声質と民謡から演歌歌謡、オペラまで歌いこなす歌唱力は“スーパーハイブリットシンガー”と高い評価を得ている。特技はピアノ、書道(三段)、ものまね。温泉ソムリエ、旅客機・エアライン検定取得。
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2025年6月11日発売
松阪ゆうき「まにまにのまに」
「まにまにのまに」
作詞:大柴広己 作曲:大谷明裕 編曲:西村真吾
c/w「恋花火」
作詞:友利歩未 作曲:大谷明裕 編曲:西村真吾
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91625 1,500円(税込)
CHECK!!
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