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【COLORful Interview】彩青「この曲に巡り合わせていただいたことに感謝」。新曲「津軽三味線物語」で歌う”リアルな彩青”

唄、三味線、尺八をこなす三刀流歌手として、また”演歌第7世代”としても活躍中の彩青が2月19日、7枚目のシングル「津軽三味線物語」を発売した。津軽を代表する歌手であり、彩青の師匠・細川たかしの盟友でもある吉幾三が、彩青本人をリアルに意識して作った楽曲。故郷を離れた主人公が、父母を想いながら津軽三味線を弾く姿が描かれている。日本の文化である民謡や演歌を、大切に歌い継いでいる彩青。デビュー7周年を迎える今年も、彩青らしくひたむきに歩み続ける。

 

吉さんが「いまの彩青くんに重なるような曲を」と書いてくださった曲

7枚目のシングル「津軽三味線物語」は、吉幾三さんが作詞作曲ですね。どういう経緯で吉さんに作っていただくことになったのですか?

彩青 デビュー したばかりのころ、細川たかし師匠と吉さんとの食事会がありまして、初めてお会いした吉さんが「いつか彩青くんに、そうだな…デビュー10周年ぐらいのときに曲を書きたいな」と言ってくださったんです。そして昨年の初めにご一緒した際、吉さんがまた「いや、本当に俺は書きたいと思っているんだ」とおっしゃった。私が「本当ですか。書いていただきたいです」とお願いしたら、吉さんは細川師匠にも「いいの?俺が書いても」なんて聞いてくださって。もちろん師匠も「お願いしますよ」と言ってくださいました。10周年記念を待たずにではありますが、いまがその時期だったんだなという感じがします。「いまの彩青くんに重なるように、津軽三味線を弾いてる主人公の曲を書くよ」とおっしゃって、できてきたのがこの一曲なんです。

「彩青本人のリアルな姿を意識された」とうかがいましたが、どのあたりがご自分と重なると感じられますか?

彩青 なんと言っても、まずは主人公も私も、本当に“三味線が好き”ですね。この主人公はあえて男性とも女性とも書いていませんが、ふるさとを離れて三味線ひとすじに頑張っている。私は三味線ひとすじというわけではないですけども、いろいろなところで重なるなと思います。「何故か 逢いたい 母の顔」もそうですが、歌いながらもグッと入り込んでいく曲。作ってくださった吉さんの愛情が、この曲からすごく伝わってきます。私のいろいろな面を見て作ってくださった一曲だと思いますので、この曲に巡り合わせていただいたことにすごく感謝しています。

レコーディングのときは、吉さんは同席されましたか?

彩青 仮歌を録るときにお越しいただいて、いろいろ教えていただきながら録りました。吉さんは歌詞の「ハァ… 」とか「じょんがら節ヨ」のあたりに、ちょっと民謡テイストを残してほしいと。そういうところは細川師匠とも一致しているところですが、私の民謡テイストを活かしていただけるというのは、非常にありがたいなと思います。実際の津軽三味線の歴史、ルーツをたどって、一生懸命に頑張る主人公を描いてくださった作品ですので、いろいろな人に笑顔や元気を届けられるように私も頑張っていきたい。そういう思いで歌っています。

 

メロディーを歌うと詞が逃げる。歌詞を大切に歌いました

レコーディングで苦労されたところはありますか?

彩青 “言葉”でしょうか。“メロディーを歌うと詞が逃げる”。どんな歌でも歌詞は大切ですけれど、少しいままでの曲とはまた違う。詞を歌わなきゃいけないので、非常に難しいんです。たとえばメロディーだけをなぞって、「家の軒下 茣蓙(ござ)敷いて」と歌ったら、詞が逃げるんですよね。詞が逃げていっちゃうとメロディーだけが残るのですが、聴いている方は“いまなんて歌ったのかしらね”みたいな感じになってしまう。だからここは、あまりこぶしを入れすぎないようにして歌っています。これは、師匠から教えていただきました。

カップリングの「最上川舟唄」はアレンジも聴きごたえがありますね。

彩青 これは、もともとは師匠が1989年か1990年に「最上川舟唄」を録った時の音源で、アルバムにも収録されているものです。そのカラオケを私もいま使わせていただいています。これだけ現代的なアレンジをされた民謡というのは、師匠のころでもなかなかなかったんじゃないでしょうか。たとえば江利チエミさんの「おてもやん」や、ザ・ピーナッツさんも「ピーナッツ民謡お国めぐり」など、当時もさまざまなアレンジがありました。けれどもそれとはまた違う、現代的なアレンジですね。

名曲は色褪せないとは、まさにこのことですね。

彩青 そうなんですよ。他にもまだいろいろな民謡のアレンジがありまして、「津軽じょんがら節」なども、師匠がお使いになっていた音源を「これを使いなさい」と使わせていただいています。曲のこともそうですが、今回のジャケット写真の着物も師匠からいただいた着物です。師匠が舞台であったり、テレビなどでも何度か着られてる着物を、弟子の私は「使いなさい」と言っていただける。弟子だからというだけでなく、同じレコード会社だからこそということもありますね。本当にありがたいことだと思います。

 

七福神のごとく多くの福を呼び込んで、歌謡界を盛り上げていけたら

今年はデビュー7周年ですが、将来を見据えて考えていらっしゃることはありますか?

彩青 そうですね。6月からは7年目に入ります。“7”というのは非常に縁起のいい数字でありますので、今年はまたさらに大成する年にしたいです。”演歌第7世代”の公演もありますし、7枚目のシングル「津軽三味線物語」もいただいた。七福神のごとく多くの福を呼び込んで、演歌、歌謡界、細川一門、また民謡界としっかりと主体になるような気持ちで動いて、私が盛り上げていけたらいいなと、そういう思いでおります。

ありがとうございました。最後に、カラフルの読者にメッセージをお願いします。

彩青 ありがたいことに、吉幾三さんに「津軽三味線物語」をいただきました。私自身に重なるようにと書いていただいた曲ではありますが、それだけではありません。この曲には吉さんからの、そしてまた先人からのメッセージも込められているんです。私がすごくいいなと思うのが、「過去がしばれて 凍らぬように」というところ。いままで三味線を繋いできてくれた先人たちの思いを、この歌で繋いでいってほしいというメッセージとも感じられますし、私自身にはそういう責任もあるんだなとも思います。また最後の「叩く 三味の音 花咲く春へ」というところは、望郷の念だけではなく、ふっと背中押してくれるような応援歌でもあります。ぜひともたくさんの皆さんに聞いていただきたいですね。笑顔、元気をお届けできるように頑張ってまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

【PROFILE】彩青(りゅうせい) 2002年8月29日、北海道岩見沢市出身。5歳で民謡、7歳から津軽三味線を始める。11歳より細川たかしに師事、演歌を学びながら尺八を本格的に演奏するようになる。2019年6月「銀次郎 旅がらす」でデビュー、同年12月『第61回 輝く!日本レコード大賞』新人賞受賞。『令和歌謡塾』(BS日テレ)レギュラー出演など活躍している他、”演歌第7世代”としても精力的に活動している。尊敬する人は師匠の細川たかし、寅さん。座右の銘は「そう、心で歌え、心で」(映画『男はつらいよ』より)

(取材・文/夏見幸恵)

 

 

NEW RELEASE!!

2025年2月19日発売
彩青「津軽三味線物語」

「津軽三味線物語」
作詞・作曲:幾三 編曲:西村真吾
c/w「最上川舟唄」《山形県民謡》
編曲:佐伯亮
日本コロムビア COCA-18270 1,500円(税込)

CHECK!!

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