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【Colorful Interview】市川由紀乃「素晴らしかった30周年記念イヤーを超えて、ソノサキヘ!」

4月26日発売のシングル「花わずらい」が、『第65回 輝く!日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞。『第56回 日本作詩大賞』にもノミネートされるなど、充実したデビュー30周年イヤーを過ごした市川由紀乃。11月8日には、カバーアルバム『唄女(うたいびと)Ⅴ~ソノサキへ』を発売した。七彩(なないろ)の声を持つ市川の歌唱スタイルを、こぶしを回す楽曲(こぶしON)と、こぶしを回さない楽曲(こぶしOFF)にわけた選りすぐりの12曲を収録している。2023年の終わりに、意欲作となったニューアルバムについて、そして今年の振り返りと来年への抱負を聞いた。

 

 

生の歌をたくさんお届けできた、本当に良い一年でした

今年はデビュー30周年、本当に良い一年を過ごさせていただきました。全国各地でコンサートを開催することができましたし、皆さんに生の歌をたくさん聴いていただくことができました。これまでなかなか行けなかった地域、初めてコンサートをやらせていただいたところもたくさんありましたね。ありがたいことに、曜日の感覚がなくなるくらい忙しくさせていただいた一年でした。

(c)Tomoko Hidaki

今年発売した「花わずらい」は、不思議な曲で、歌えば歌うほど愛情が増していきます。新曲なのでショーの最後のほうで歌うことが多いのですが、サビから入り後半に転調するところもある曲なので、つねに体調やのどをベストな状態にしておかないと、自分が後悔することになるんです。そして、“この歌を歌い終えたら、今日のステージも終わるんだなあ”と思う。この曲がだんだん近づいてくる喜びと、もうすぐ終わってしまう寂しさ、二つの気持ちを一気に感じる曲でした。

初めて聴いてくださったお客様からも、終演後のお見送り会のときに「今日、初めて演歌のCDを買いました」「演歌を聴くのが初めてですが、楽しかったです」と言っていただいたり、とても好評です。おじいさんやおばあさんの付き添いで来られた若い方に気に入っていただけると、それもすごくうれしい。初めて聴いた方がまた来たいと思ってくださることと、何度も来ている方に前回より良かったと思っていただくこと。どちらも大切なことで、ステージはその積み重ねですね。

 

皆さんが聴きたい歌と私の歌いたい歌、選りすぐりの12曲を

今回は、キングレコードさんが「市川由紀乃 三十周年航海図特設サイト」を立ち上げて、そこでファンの皆さんから“どんな歌を歌ってほしいか”リクエストを取れるようにしてくださいました。皆さんのお声を大事にアルバムを作りたいなという思いがあって、投票いただいた上位の楽曲から何曲か選ばせてもらいました。
もちろん、私自身が歌いたい楽曲も選びに選んで(笑)、本当に幅広い楽曲を収録させていただきました。

実は、こぶしを回す歌だけの“こぶしON”と、回さない歌だけの“こぶしOFF”をわけたライブに挑戦してみたいなと、以前から思っていました。そんな思いも踏まえて作っていただいたアルバムなので、ありきたりなものにしたくなくて、ジャケット写真は店頭に並んだときに「何これ?」と思っていただけるように、和装と洋装の私を真ん中で半分にしました。面白くてインパクトあるジャケットを綺麗に作っていただけてうれしいです。

 

意外だったリクエスト曲、私がカラオケで必ず歌う曲も!

「道頓堀人情」がリクエスト上位だったことは、とても意外でした。天童よしみさんのパワフルな歌声で“負けたらあかん”と背中を押してくれるような、浪花のど根性応援歌。私の歌にはないものだからこそ、ファンの方は聴いてみたいと思ってくださったのでしょうね。何ごとも勝ち負けがすべてではないけれど、やっぱり勝ちゆく人生を送りたい。それが何なのかはわからなくても、“負けたらあかん”という言葉が、何よりも背中を押してくれるんですよね。自分に負けそうになることもあるけれど、負けたらいけないなと思っています。

「こぶしON」で、私自身が好きな曲は「情炎」。私の亡くなった兄が、吉幾三さんが大好きで、ずっと吉さんの歌を聴いて歌っていました。私も歌番組で、実際に吉さんの前でも歌わせていただいたことがあります。淡々としている中にも、女性の燃える女心がいっぱい詰まっている楽曲で、こういう世界観はとても好きです。この曲をアルバムという形で残せたことは、すごくうれしいです。

「こぶしOFF」は、好きな歌が多いのですが、カラオケで絶対に歌うのは「魂のルフラン」! プライベートでカラオケに行ったら、オープニングかトリかで必ず歌うのに、お客様の前で歌ったことは一度もない曲です(笑)。それから「シルエットロマンス」も大好きです。大橋純子さんは先日お亡くなりになられましたが、スマホで訃報を知ったのが仕事で北海道にいるときで、急きょその場でこの曲を歌わせていただきました。大橋さんにはなんとも言えない優しさがあって、なおかつパワフルで。すべてを包み込んでくださるような歌声が大好きだったので、今回歌うことができて本当に良かったと思います。

 

来年は歌手人生最高の年に

私自身もONとOFFで言ったら、思いきり仕事をして、プライベートは思いきり休みたい。今年は、ちょっと時間があると、横浜などさまざまな場所にふらりと行ったりすることもありました。ひとり電車で揺られながら……車内で寝ちゃう(笑)。
ラーメン屋さんや回転寿司は、若いころはひとりで入れませんでしたが、いまは全然平気。むしろひとりが楽しくて、昼間からビールなんか飲んじゃうと、“大人になったな”と思います。大阪のなんばグランド花月に日帰りで行ったりすることが、自分へのちょっとしたご褒美でもあったり。本当に大人になりました(笑)。

今年はデビュー30周年ということで、いろいろなことをやらせていただいた一年でした。何ごとも続けていくことが大切だと感じることがあったし、続けていくからには少しでもステップアップしていきたいという思いが、とても強くなりました。応援してくださった皆さんには、本当に感謝しています。
来年は歌とお芝居をやらせていただく劇場のお仕事もありますし、生の歌をまたたくさん聴いていただきたいです。自分の中ですべてにおいて納得のできる一年、歌手人生最高の年にしたいですね。ぜひ皆さん、応援よろしくお願いします。

 

【PROFILE】市川由紀乃(いちかわゆきの) 1976年1月8日、埼玉県さいたま市出身。16歳で新聞社主催のカラオケ大会で優勝し、作曲家・市川昭介氏の門下生となる。1993年、高校在学中に「おんなの祭り」でテイチクよりデビュー。1998年に現在のキングレコードに移籍し「一度でいいから」を発売。2002年に燃えつき症候群に陥り一時休業していたが、2006年10月発売の「海峡出船」で歌手へ復帰。2013年発売の「風の海峡」以降、11作連続でオリコン演歌・歌謡曲ランキング1位を獲得。2016年、2017年、2年連続で『NHK 紅白歌合戦』出場を果たす。 2018年「雨に濡れて二人」(市川由紀乃&横山剣)で第60回日本レコード大賞企画賞を受賞するなど受賞歴多数。今年デビュー30周年を迎え、5月に「花わずらい」を発売。年末の『第65回 輝く!日本レコード大賞』優秀作品賞を受賞した。

(取材・文/夏見幸恵)

 


NEW RELEASE!!

2024年1月24日発売
市川由紀乃『市川由紀乃リサイタル2023 ソノサキノハジ真利』

【収録曲】
命咲かせて/心かさねて/雪恋華/絆坂/海峡出船/東京の屋根の下/あゝそれなのに/浅草キッド/一番星ブルース/みちのくひとり旅/おんな港町/スペシャル演奏♪運命と呼ばせて/フライディ・チャイナタウン/さらばシベリア鉄道/うたかたの女/名前/花わずらい(ピアノ・バージョン)~花わずらい/あなたがそばに/横笛物語/秘桜
キングレコード
【Blu-ray】KIXM-568 6,200円(税込)
【DVD】KIBM-924 5,500円(税込)
【CD】KICX-1180 3,300円(税込)

2023年11月8日発売
市川由紀乃『唄女Ⅴ~ソノサキへ』

【こぶしON】
M1 津軽恋女
M2 おんな湊町
M3 情炎
M4 命あたえて
M5 みだれ髪
M6 道頓堀(とんぼり)人情
【こぶしOFF】
M1 魂のルフラン
M2 亜麻色の髪の乙女
M3 どうぞこのまま
M4 シルエット・ロマンス
M5 池上線
M6 for you…
キングレコード KICX-1178 3,300円(税込)

2023年10月4日発売
市川由紀乃「花わずらい~彩(いろどり)盤~」

「花わずらい」
作詞:松井五郎 作曲:幸耕平 編曲:佐藤和豊
c/w「名前」
作詞:松井五郎 作曲:幸耕平 編曲:佐藤和豊
c/w「花わずらい」(ピアノ・バージョン)
【DVD】
「花わずらい」MV
「花わずらい~彩(いろどり)盤」MV
特典映像
キングレコード KIZM-783~4 1,800円(税込)

2023年4月26日発売
市川由紀乃「花わずらい」

「花わずらい」
作詞:松井五郎 作曲:幸耕平 編曲:佐藤和豊
c/w「名前」
作詞:松井五郎 作曲:幸耕平 編曲:佐藤和豊
キングレコード KICM-31097 1,400円(税込)

 

CHECK!!

市川由紀乃30周年特設サイト
市川由紀乃オフィシャルサイト
市川由紀乃オフィシャルブログ
市川由紀乃Instagram

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