【COLORful Interview】三山ひろし 皆さんが明日を生きるための、活力のような存在に

昨年末、10年連続10回目の『NHK 紅白歌合戦』への出場を果たした三山ひろしが1月15日、酒ものの大衆演歌「酒灯り」を発売した。幸せだった昔を思い出させる酒をひとりで飲んでいる女性の淋しさが、軽快なメロディーに乗ってリスナーの胸を打つ。カップリングの「昭和の恋歌」は、昔の流行歌に過ぎた恋を重ねて酒を飲む男性の姿を描いた“哀愁艶歌”と呼びたくなるような作品だ。
みんなで勝ち取ったギネス記録!紅白の舞台は感動しました
昨年末は、『NHK紅白歌合戦』に10年連続10回目の出場、おめでとうございます! 感想をお聞かせいただけますか。
三山 ありがとうございます。何がうれしいって、自分が一年間頑張ってきた「恋…情念」を年末のステージで歌えたというのは、とても大きなことだったと思います。日本の歌の祭典に、今年の一曲として選んでいただけるというのは、私はもちろんですが作家の先生方がとにかく喜んでくださっているんじゃないかと思うんですよね。僕の師匠は「自分の歌が年末のステージで歌われるのはうれしいな。テロップで“中村典正”って出たら、それはもう最高だよ」とおっしゃっていました。そのことを「お岩木山」のときも「四万十川」のときも、ご存命のときに叶えることができたのは、僕の中では大きな幸せです。
けん玉のギネス世界記録チャレンジも成功されましたね!
三山 一昨年は失敗していますので、昨年の紅白はものすごく盛り上がりました。失敗してしまった方再び参加されて、みんなでリベンジを果たすことができました。「恋…情念」の曲調がけん玉と合うかどうかは、ちょっと微妙な感じでしたけど…(笑)。けん玉ヒーローズの中でも腕利きの人は、「今回の曲は気持ちが上がってくるいい曲ですね」と言ってくれました。情念の世界に入って、情熱的にけん玉パフォーマンスができたのかもしれませんね。
新浜レオンさんは紅白初出場なのにけん玉にも挑戦されて、緊張はすごかったでしょうね。
三山 出ている人は皆さん、けん玉の達人ばかり。それでも落としちゃうことはあるんですからね。練習のときから常に緊張感を持って、プレッシャーに打ち勝つ強いメンタルを育てているらしいですよ。日本中から…いや、世界中からも注目されていますからね。しかもギネスの認定員の人も、じっと見ています。レオンくんは事前のアンケートで「けん玉はできますか?」と聞かれたらしいです。「先輩、僕“できます”って書いちゃったから、やることになりました」と言うから、「じゃあ、練習しよう!」と、一緒に練習しました。みんなで勝ち取ったギネス記録ですから、僕も本当に感動しましたね。
曲の背景を知って歌うことでニュアンスが変わってくる
1月15日に発売された「酒灯り」も大好評で、MVの再生回数がすでに50万回を超えていますね。
三山 この曲はひとりの女性の心情を描いた作品ですが、レコーディングのとき、作詞のさいとう大三先生に聞いてみたことがあるんですよ。「先生、すみません。この女性が想っている男性は、生きていますかね。亡くなっているんでしょうか」と。そしたら「おもしろいこと言うね」と大笑いされて、「生きてるんだよ。生きてどこかで暮らしている人のことを想っている。そういう女性なんだよ」と言われました。相手が生きているかどうかで、だいぶニュアンスが変わってくるので、ぜひとも背景を知りたいと思ったんですよね。
曲の背景は、すごく重要なところですね。
三山 カップリングの「昭和の恋歌」も、同時にデモテープをいただきました。こちらは男性が女性を想っている。詞を読んでみると「酒灯り」と同じような状況なんだけど、男女の設定が逆なんですね。作詞が結木瞳先生なので、これも同じく結木先生に「生きているんですかね」と聞いてみました。こちらもちゃんと生きていて、違う町で暮らしていると。何かあって別れてしまったけれども、楽しかったころを思い起こして会ってみたいと思っている。それなのに会えずにいる男心を描いたということでした。

新曲「酒灯り」レコーディング中の三山さん
この二曲の主人公同士が、別れた相手を想いあっているようにも思えるくらいです。お客様の反響はいかがですか?
三山 “お互いに好きな人のこと思ってるわけでしょ。もう付き合っちゃえばいいんじゃないの”と、僕も思いました(笑)。CDになった歌をあらためて聴いてみると、両A面にしてもいいくらい、どちらも素晴らしい作品ですよね。僕はきっちりインテンポ(※)で、自分の気持ちを表現しすぎないように抑えてCDを録っていますが、それを聴いた人はもっと気持ちを乗せて、自由に遊んで歌いたくなる。それがいいんでしょうね! この曲で踊りたいという方も多いようで、踊りの先生方も買ってくださっています。僕が初めて歌ったのは1月15日、御園座の公演のとき。着物を着て歌いましたが、この曲は着物の所作ともよく合うんですよね。艶っぽい女性が表現しやすかったです。
※インテンポ 譜面どおりの正確に速度を刻みながら歌うこと
常に何か新しいチャレンジを
最近は3Dプリンターの勉強を始められたとブログで読みました。他にも、新たに始められたことはありますか?
三山 僕はいま、人生で初めてピアノを練習しています。うちの子どもはピアノの先生から、「考えながら弾くことが大事だ」と教わっているらしいです。譜面を全部覚えて、ただその通りに弾くこともできるけれど、「考えながら弾かないと、先に進んでいきませんよ」と、先生から言われるようです。それを子どもが僕に言う。「パパ、ちょっと違うよ」と教えてくれた後に、「パパ、考えながら弾いてる?」なんて言われちゃうので、「はい、すみません」と言いながら、一生懸命練習しています(笑)。だけどそういうことは本当に大事なことで、漫然とただやっていても上手にならない。それはこの世界で生きていくのも一緒で、考えながら日々を生活していかないと、上にのぼってはいけないと思っています。

三山さん自作の3Dプリンター作品
ありがとうございました! 今後の活動や、目標についてお聞かせください。
三山 6月ごろには、一昨年に作った「落語歌謡」の第二弾を皆さんに聞いていただこうと思っています。今回もまた、古典落語を演歌仕立てにしてお送りする作品です。リサイタルも開催させていただく予定ですが、やっぱり常に何かにチャレンジしている姿を皆さんに見ていただきたい。「三山も頑張っているんだから、私たちも頑張ろう」と思っていただけるような、明日を生きるための活力のような存在になれるよう、チャレンジし続けたいです。皆さんが笑顔になるよう、喜びを感じてもらえるように、これからもいろいろと考えてお送りしたいと思っていますので、ぜひ生のステージを体感していただきたいですね。これからもよろしくお願いいたします!

【PROFILE】三山ひろし(みやまひろし) 1980年9月17日、高知県南国市出身。2007年『日本クラウン創立45周年新人オーディション決勝大会』で準グランプリ受賞。2009年6月発売のデビュー曲「人恋酒場」が、2010年ゴールドディスクに認定される。それ以降ヒット曲多数。『輝く!日本レコード大賞』『日本有線大賞』などでの受賞歴多数。2015年より10年間連続で『NHK紅白歌合戦』に出場中。2024年の『第75回 NHK紅白歌合戦』では、「連続でけん玉をキャッチした人の最も長い列」128人でギネス世界記録達成した
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2025年1月15日発売
三山ひろし「酒灯り」
「酒灯り」
作詞:さいとう大三 作曲:弦哲也 編曲:南郷達也
c/w「昭和の恋歌」
作詞:結木瞳 作曲:弦哲也 編曲:南郷達也
日本クラウン CRCN-8722 1,500円(税込)
各配信サイトはこちら▶︎ https://lnk.to/sakeakari
CHECK!!
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