【Colorful Interview】葵かを里、新曲「諏訪の御神渡り」とともに原点の場所へ
葵かを里が、3月16日に新曲「諏訪の御神渡り」をリリースする。厳かな光景が見る者を圧倒する冬の諏訪湖の風物詩”御神渡り”をモチーフに、身も心も凍えるような寒さの中、愛する人を一途に待ち続ける女性の切ない心情を歌い上げている。「長野は歌手としての私の原点の場所」と語る葵の並々ならぬ思いを受け取ることができる渾身の一曲だ。
「長野は、歌い手としての私の原点」
長野県の諏訪湖を舞台にした新曲「諏訪の御神渡り」は、どのような作品でしょうか。
葵 冬に諏訪湖が一度全部凍りマイナス十度が何日か続くと、だんだんと氷が膨張してバリバリと盛り上がって一本の氷の道になるんです。それを”御神渡り(おみわたり)”と言います。その道を通って、諏訪大社の上社の男の神様が下社の女神のもとへ会いに行く、と言われるラブロマンスの伝説があり、その伝説を織り込みできた作品です。
昔の人々には”御神渡り”は恐れられていたそうですね。
葵 自然現象としては珍しくて価値のあることですけれど、「割れる」とか「ひびが入る」というと、不吉な感じがしますよね。音もすごいらしいので、何か悪いことが起きるのではないかと思われていた時代もあったそうですよ。でもそれがめぐりめぐってラブロマンスに。素敵ですよね。
今作は葵さんにとって17作目のシングルですが、長野県を舞台にした作品を歌われるのは初めてなんですね。
葵 そうなんです。じつは、私の原点の場所は長野なんですよ。日本舞踊を舞いながら歌う“美・歌・舞”の原点は京都なんですけれど、歌い手としての私の原点。初めて上京してきていろいろな歌の勉強をしていた頃に長野の方との交流がありまして、イベントに呼んでいただき歌わせていただきました。今から18、9年前のことですが、初めてできたファンの方も長野の方で、長野への思いはすごく深かったんですが、今までなぜ歌わなかったのかと自分でも不思議です。今回、麻先生が「長野といえば諏訪湖の御神渡り」というタイトルを言ってくださったので、それを聴いた時に鳥肌がたちました。やっと原点に戻れたという感じがしましたね。
そして今年は日本三大奇祭のひとつと言われている、7年に一度の式年御柱祭(※)の年とのことで期待が高まりましたが、残念ながら今年は”御神渡り”は見られなかったんですよね……。
葵 御柱祭がある年には”御神渡り”もできるというジンクスみたいなものがあると聞いていましたが、少しできかかった時に強い風で押し流されてしまったそうです。この曲の3番に、「御神渡りができないから会いにきてくれない、私はいつまで待てばいいんだ」という歌詞があるのですが、今回の状況を表しているかのようで、感慨深い思いで歌っています。
※御柱祭 7年に一度、寅と申の年に執り行われる神事で、日本三大奇祭のひとつに数えられる。諏訪湖を中心に南北4つの宮からなる神社で、全国に1万余りある諏訪神社の総本社・諏訪大社の宝殿の造り替え、御柱を選び山から曳き、境内に建てる一連の神事で、諏訪の地に受け継がれてきた伝統文化である。
「この女性の思いはね、よっぽどですよ。雪に埋もれちゃうんですから(笑)!」
前作の「ひとり貴船川」でも、愛する人を待つ女性の心情を歌われていましたよね。
葵 前作は「待っていて」と言われて待っている女性でした。でも今作は、「待っていて」とも言われていないし、待っていても来るかどうかも保証はない。それでも一途に愛する人を待ち続けているの。勝手にね(笑)。それだからこそ余計に強い思いを感じます。しかも、極寒の中で待つんですよ。この女性の思いはですね、よっぽどですよ。雪に埋もれちゃうんですから(笑)!
たしかに……(笑)。MV(ミュージックビデオ)の撮影では、実際に諏訪湖にも行かれたそうですね。
葵 1月の終わり頃にうかがいましたが、それはそれは寒かったです。あまりの寒さにカイロを十何個も貼って、それでも寒くて震えていました。だから、ここで待つなんてとんでもない! しかもひとりで! と思いましたが(笑)、この曲の世界観を実際に肌で感じられてよかったです。
メロディーについてもお聴きしたいのですが、歌われてみていかがでしたか?
葵 今までの舞いながら歌う演歌とは今回少し違って感情をぶつけるようなところがあるので、レコーディングの時も気持ちがどんどん入り込んでしまいました。「ちょっと待って! あまりにも感情的になると聴くほうも引いちゃうから、もう少し冷静に歌って!」と、先生方に注意されちゃいました(笑)。こういう曲はシチュエーションを考えたりするとどんどん気持ちばかりが先行して、歌いすぎちゃうんですよね。それをあまり歌いすぎないようにとそぎ落とすのに少し苦労しましたね。
歌い出しから力強い歌唱が印象的で、全体的にダイナミックですよね。これまでのしっとりとした葵さんとはまた違う魅力を感じます。
葵 極寒の中に立ち尽くしながら待ち続ける女性の心情を歌うので、気持ちを強く持っていないと歌えないんですよ。だからあまりにもいきすぎちゃって、「ちょっと怖い」と言われちゃいました(笑)。ですが、今までとはまた少しイメージが変わった芯の強さが出たということで、私的にもこだわりの1曲、渾身の1曲になったと思います。まずは皆さんに聴いていただいて、そして歌って応援してただきたいですね。またカラオケ大会もやりますので、ぜひ皆さん参加してください。私もまたこの作品とともに、原点の場所・長野に足を運びたいと思います!
NEW RELEASE!!
2022年3月16日発売
葵かを里「諏訪の御神渡り」
「諏訪の御神渡り」
作詞:麻こよみ 作曲:影山時則 編曲:竹内弘一
c/w「人情酒場」
作詞:麻こよみ 作曲:茶野香 編曲:岩田光司
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91410 1,350円(税込)
CHECK!!
「諏訪の御神渡り」発売記念カラオケ大会開催!
【実施要項】課題曲:「諏訪の御神渡り」「人情酒場」「女の花を咲かせます」
【開催日】2022年9月上旬予定
【会場】歌の舞台である長野県(予定)
【詳細】随時葵かを里オフィシャルサイトで更新予定
ワンポイントアドバイス From 葵かを里
この記事へのコメントはありません。