【ライブレポート】駿河ヤマト『SHOW CASE Vol.4』

6月20日、東京・ラドンナ原宿で大滝ひかる&駿河ヤマトのソロステージ第4弾『SHOW CASEVol.4』が開催された。昨年3月にスタートしたこのライブも、ファンの人気が高く気がつけば4回目を迎える。それぞれが思いを込め、趣向を凝らして作り上げたステージは、見どころ満載で魅力的。その様子をレポート!
昭和歌謡&ムード歌謡の名曲をダンディズム漂う歌声で
暑さも落ち着き始めた18時半。駿河ヤマトのステージは、オリジナル曲「赤い薔薇」で情熱的に幕を開けた。
会場のラドンナ原宿は、デビュー直前のはやぶさが関係者に向けたお披露目会、いわばデビュー・コンベンションを行った思い出の場所。「あれから14年の歳月を経てひとりでね、今回こちらでライブをさせていただけるということは非常に感慨深いです」と振り返り、「もう4回目ということで、歌う曲がない(笑)。もう一度自分の中の引き出しを開けて、自分なりにテーマやコンセプトを考えて選曲してきました。短い時間ですが、最後までどうぞよろしくお願いします」とユーモアを交えてあいさつした。
昼に続き司会を務める西寄ひがし氏は、「お二人とは”はやぶさ”としてのお付き合いが長いので、こうしてソロでのショーケースというのは、どこか不思議な感じがしますね。それぞれがソロとしていろいろな経験や“おみやげ”を持ち帰り、“はやぶさ”という場所でまた新鮮な気持ちで二人で活動する…そんな関係っていいなと思う。まったく違うタイプの二人が何かの縁で出会ってお互いをちゃんと尊重しながら、言葉数は多くなくても、いいバランス感覚でやってるなあと。これからも仲良くやってくださいね」と、駿河に語りかけた。
そして、さっそく次のコーナーへ。「日活の激動期に人気を博した、僕の中でも三大スター」と敬愛してやまない石原裕次郎、小林旭や赤木圭一郎といった昭和スターの楽曲を立て続けに披露。駿河の渋い低音ボイスが、先ほどまでの和やかなムードから一気に歌の世界へと観客を誘った。

「こうした映画音楽やムードアクションのようなジャンルが、自分の基盤となりベースを築いてくれました。これからも大切にしていきたいと思っています」とヤマト
中盤には、この時期にちなみ、島和彦の「雨の夜あなたは帰る」、井上ひろしの「雨に咲く花」、三善英史の「雨」と、“雨”をテーマにした選曲が続き、しっとりとしたムードに包まれた。
「僕、やっぱりムード歌謡が好きなんですよ。どこまでいっても(笑)。だから今日は、“自分の中のトップ・オブ・ムード歌謡”の2曲を聴いていただきたい」
ムード歌謡への愛情を語ると、正反対の側面を持つムード歌謡を続けて披露した。「ホテル」は、抑えきれない燃え上がる女心をドラマチックに描く、駿河曰く“激情型”。一方、「抱擁」は、胸のうちで相手を想う一途な女心を丁寧に歌い上げた“純愛型”の一曲だ。駿河はそれぞれの心の機微を表現力豊かに歌い上げた。

前半のラストを飾ったのは西城秀樹の「情熱の嵐」。まさにタイトルどおりの熱量で会場のボルテージも最高潮へ
ギターとともに届けた個性あふれる珠玉の名曲たち
後半は、ギターを手に、今回の一番の見どころとも言えるギターの弾き語りで名曲の数々を届けた。「池上線」(西島三重子)、「TRUE LOVE」(藤井フミヤ)「冗談じゃねぇ」(堀内孝雄)、「毎朝、僕の横にいて。」(コブクロ)など、ジャンルを超えた、駿河のオリジナリティーあふれるセットリスト、親しみと温もりがあふれるパフォーマンスで、会場は温かなムードに包まれた。

「結構リクエストをいただいたので」と藤井フミヤの「TRUE LOVE」に挑戦した
この日終盤に披露された楽曲の中に、フランク永井のメドレーがあった。実はこの音源、フランク永井と親交の深かった俳優・藤田まことが、追悼番組の中で歌った特別なバージョン。駿河はその貴重な音源を、藤田の所属事務所にかつて在籍していたスタッフを通じて、10年ほど前に譲り受けたという。
「“若手でフランク永井を歌い継ぐ人がいないから、ぜひヤマトくんに”と言っていただいて…。歌い継ぐなんて滅相もないですが、自分の武器のひとつとして歌っていきたいと思っています」
そう語る姿からは、曲に込められた想いと責任感がにじんでいた。そして、本編最後には河島英五の「野風増」をしっとりと聴かせた。
「何年か前にね、一度ライブでこの曲を歌ったことがあるんですよ。そのときちょうど親父が亡くなったタイミングで、せっかくだし親父のことをちょっとネタにしてやろうかなって思って、この曲を選んだんですね。そしたら、母親から連絡が来て、”あんた、なんでその歌知ってるの?”って言われて。聞いたら、俺が生まれる前、お腹の中にいたときに親父がカラオケでよくその曲を歌ってたらしくて。DNAってこわいって思いました」
亡き父との思い出を重ねて歌い上げるその一曲に、観客は静かに耳を傾けた。アンコールでは「もうクタクタです(笑)」と笑いを誘いつつ、ロングヒットを記録している代表曲「ズルい男に乾杯!!」を力強く届け、ラストまで熱く駆け抜けた。ムード歌謡のみならず、歌を愛する駿河のこだわりと挑戦が詰まった、刺激的なひと時だった。
◾️セットリスト
M1 赤い薔薇
M2 錆びたナイフ
M3 ギターを持った渡り鳥
M4 霧笛が俺を呼んでいる
M5 雨の夜あなたは帰る
M6 雨に咲く花
M7 雨
M8 ホテル
M9 抱擁
M10 情熱の嵐
M11 池上線
M12 TRUE LOVE
M13 ひとり寝の子守唄
M14 冗談じゃねぇ
M15 毎朝、僕の横にいて。
M16 15の夜
M17 フランク永井メドレー
M18 野風増
Enc. ズルい男に乾杯!!
NEW RELEASE!!
2024年12月4日発売
はやぶさ「夜霧のセレナーデ」
【Aタイプ】
「夜霧のセレナーデ」
作詞:朝倉翔 作曲:鶴岡雅義 編曲:石倉重信
c/w「港町かくれんぼ」
作詞:本橋夏蘭 作曲:大谷明裕 編曲:石倉重信
日本クラウン CRCN-8711 1,500円(税込)
2024年12月4日発売
はやぶさ「夜霧のセレナーデ」
【Bタイプ】
「夜霧のセレナーデ」
作詞:朝倉翔 作曲:鶴岡雅義 編曲:石倉重信
c/w「君は心の妻だから」
作詞:なかにし礼 作曲:鶴岡雅義 編曲:DOC
日本クラウン CRCN-8712 1,500円(税込)
CHECK!!
2024年7月31日発売
はやぶさ『三つ巴』
【収録曲】
M1 外苑西通り(はやぶさ)
M2 あっぱれ浅草(はやぶさ)
M3 江ノ島ルンバ(はやぶさ)
M4 あの日の花吹雪(大滝ひかる)
M5 守られし里~縄文さむかわ(大滝ひかる)
M6 ズルい男に乾杯!!(駿河ヤマト)
M7 純情25時(駿河ヤマト)
M8 赤い薔薇(駿河ヤマト)※新曲
M9 母の人生~あの日の母はもういない~(大滝ひかる)※新曲
M10 いのち七福船(はやぶさ)※新曲
日本クラウン CRCN-20488 3,000円(税込)
各配信サイトはこちら ▶︎ https://lnk.to/mitsudomoe
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