松山優太×岡本幸太が初のジョイントコンサート“優幸条約” 開催! 真夏の渋谷で交わされた熱い約束
今年の2月にソロデビューした松山優太と、昨年“歌謡ポップスの新星”としてデビューした岡本幸太が8月9日、東京・渋谷 LOFT HEAVENで初のジョイントコンサート『優幸条約』を開催した。徳間ジャパンでのデビュー年数はまだ浅いが、これまでさまざまな音楽経歴を重ねてきた実力派の二人のこと。どんなコラボレーションを見せてくれるのかを楽しみに、それぞれのファンが渋谷に数多く集結。真夏のまだ明るさが残る夕方、冷たいドリンクを飲みながら開演の時を迎えた。
“優太さん”と“幸太くん” 話してみると意外な共通点がたくさん!
オープニングは、2001年にCHEMISTRYがミリオンヒットを記録した「PIECE OF A DREAM」。これまで松山と岡本は、キャンペーンの現場で顔を合わせたりレコーディングスタジオですれ違ったことがあったくらいで、一緒のステージに並んで立ったことはなかったという。まったく違った雰囲気を持つ二人が、初めてとは思えない声の化学反応を見せて、会場からは大きな拍手が湧き起こった。
「この度は僕らのツーマンライブ『優幸条約』にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。緊張しましたね、CHEMISTERYは。僕たち二人の共通点がCHEMISTRYなんです。僕はASAYAN(※)のオーディションを受けたことがあるんですよ。結果は初戦敗退でしたけどね。その後グループ(JULEPS)を結成したのもCHEMISTRYの影響でした」(松山)
※ 多くのアーティストを輩出したバラエティー番組
「ちょうどそのころ中学生だった僕は、CHEMISTRYのCDをデビューから毎回買っていました。近所のCD屋さんで予約するとポスターがもらえるので、部屋にはCHEMISTRYのポスターがたくさん貼ってありましたね。大ファンではありましたが、広島に住んでいたのでライブに行ける機会はありませんでした」(岡本)
岡本幸太のソロコーナー、テーマは“ルーツ”
いきなりコラボ曲でのサプライズからスタートしたライブは、松山が退場して岡本のソロコーナーへ。デビュー曲の「あなたに哀愁」とカップリング曲「たそがれシネマ」を歌唱すると、客席からは大きな“幸太コール”が。
「今日は松山さんと一緒にやらせていただくスペシャルな機会なので、僕も岡本幸太スペシャルをお届けしたいと思います。僕の今日のテーマは“ルーツ”。岡本幸太が影響を受けたステキなアーティストさんの曲をカバーさせていただこうと思います」と話し、続いてTHE YELLOW MONKEYの「SO YOUNG」と沢田研二の「勝手にしやがれ」を歌った。
「THE YELLOW MONKEYの吉井和哉さんも沢田研二さんも、とってもセクシーで大好きなんですよね。僕にそんな色気はまだまだないと思いますが、これから鍛えていきたいです。鍛えるものかどうかわからないですが(笑)。もっともっとそういう魅力が出てきたらいいなと思っています」
岡本は2016年、“歌の国体”とも呼ばれる「日本大衆音楽祭」でグランプリにあたる “内閣総理大臣賞”を受賞。その後はテレビ東京のサッカーアニメ「イナズマイレブン」や、「妖怪ウォッチ」のテーマソングを担当するなど、歌人生の歯車が大きく動き出し、徳間ジャパン歌謡界にデビューするという流れにつながった。次に歌唱した内閣総理大臣受賞曲となる中島みゆきの「化粧」では、岡本の表現力に客席がすっかり引き込まれていた。
最新シングルのカップリング曲で、これまでの岡本の心情をそのまま綴ったようなミディアム・バラード「あの日の夢を忘れない」、そして岡本のソロコーナーの締めくくりに歌った最新曲「君に愛がとまらない」では、会場全体が岡本と一緒に“くるくるダンス”を楽しんだ。
松山優太がこれまで歌ってきた胸に迫る作品たち
松山のソロコーナーは、独特の振り付けのある「紅椿」でスタート。続けてオリエンタルな曲調の「曼珠沙華」を歌唱した。
「幸太くんの歌をこうして間近で聴いてみて、“優しい声だけど、すごく魂がこもっているな”というのが、率直な感想です。声は似ていないんですけど、尾崎豊さんにちょっと通ずるかなと思いました。自分の魂を震わせながら歌っているというかんじですね」と、熱意を込めて感想を話した後、「僕のプロフィールを話すはずだったのに、もう時間がないです(笑)。プロフィールはHPで調べて、興味を持っていただけたら…。僕がいったい何歳なのかとか、血液型も載っていますよ。血液型はB型です」と客席を笑わせた。
松山は2004年にピアノとコーラスのグループ「JULEPS(ジュレップス)」を結成、歌を志してから今年で20年になる。今年2月7日、ソロ歌手としては初めて徳間ジャパンから、「恋花火」でメジャーデビューを果たした。
「僕はもともとJ-POPの畑でやってきましたが、『恋花火』はハイブリッドといいますか、歌謡曲の要素もありながらJ-POPの要素もある曲です。僕が作詞をさせていただいています。いま、まさに花火の時期ですが、夏の終わりの花火に、ひと夏の乙女の恋心を重ねたミドルテンポのラテンロックです。聴いてください」と「恋花火」を披露。次に、アカペラでワンコーラス歌ったのは「恋花火」のカップリング曲で、2010年に書いたという松山の代表曲「天の川」。続けてフラッシュモブで話題になり、松山のYouTubeチャンネルで一番再生回数が多いという「君宛の手紙」を、優しく力強く歌い上げた。
4人グループだったJULEPSは2007年、秋元康氏のプロデュースでメジャーデビュー。デビュー曲の「旅立つ日~完全版」は、秋元氏が原作の小説「象の背中」のアニメ版の主題歌だった。余命宣告を受けた主人公が、残りの人生をどう生きるかを描いた作品で、今でも大切に歌い続けているという。ソロコーナーの最後を飾った「THE MUTUAL SONG」は、富国生命相互会社の100周年記念曲として作った“お互い様、お互いに助け合おう”という支え合いテーマにした楽曲。「皆さんお待ちかね“振り付けのコーナー”でございます。“教育”の時間が始まります」と、キティーちゃんも踊ったという振付けをレクチャーし、客席のファンと楽しんだ。
真実の口に問う! 優幸条約にウソはないか
松山の「せーの!」の呼びかけに客席が「こうた~!」とこたえ、岡本が再びステージに登場。
「“優幸条約”は今日が1回目ですけど、大成功でしたね。2回目、3回目もやりたいし、お互いに頑張って活躍して、フェスみたいにできたらいいね…なんて思っているんですけど。まずは幸太くんに本音を聞いてみたいと思います。これから、この笑顔にウソがないかを調べます(笑)」と松山が用意したのは、ローマの“真実の口”を模したウソ発見器。
松山が「“優幸条約”をまたやりたいと思いますか?」と問い、岡本は「もちろんです」と答える。それがウソだったら、真実の口の歯がガガガが…を動いて、差し入れた手を噛むはずだったが、岡本は無事にスルー。続いて岡本が「松山さん、次回も“優幸条約”を僕とやってくれますか?」と聞いて、「もちろん」と答えた松山も無事だった。「ここはガブリとやられた方がおもしろいのに。でも二人ともウソはないということで(笑)」と笑顔で握手。
「“優幸”という単語はありませんが、今日を機に辞書に入れていただきたいですね。今日、条約が結ばれましたから。どんな条約かは皆さんが意味を考えて“#優幸”で拡散していただけたらうれしいです。“とても幸せな時間を過ごすこと”なんかでも素敵ですよね」(松山・岡本)
優幸コンビならではのコラボレーションを楽しみに、Vol.2の開催へ期待を込めて、会場からは大きな拍手が送られた。最後は二人で「GOLDFINGER‘99」を歌い、記念すべき“優幸条約”は幕を閉じた。
◾️セットリスト
M1 PIECE OF A DREAM (松山優太・岡本幸太)
M2 あなたに哀愁 (岡本幸太)
M3 たそがれシネマ (岡本幸太)
M4 SO YOUNG (岡本幸太)
M5 勝手にしやがれ (岡本幸太)
M6 化粧 (岡本幸太)
M7 あの日の夢を忘れない (岡本幸太)
M8 君に愛がとまらない (岡本幸太)
M9 紅椿 (松山優太)
M10 曼珠沙華 (松山優太)
M11 恋花火 (松山優太)
M12 天の川 (松山優太)
M13 君宛の手紙 (松山優太)
M14 旅立つ日~完全版 (松山優太)
M15 THE MUTUAL SONG (松山優太)
M16 GOLDFINGER‘99 (松山優太・岡本幸太)
(取材・文/夏見幸恵)
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