14歳の天才少年ピアニスト、ツォトネ・ゼジニゼが東京・浜離宮 朝日ホールで初来日公演。独自の世界観と華麗なピアノテクニックで満員の日本人ファンを魅了
〝14歳の天才ピアニスト〟として世界中で注目を集めているジョージア出身のピアニスト、ツォトネ・ゼジニゼが初来日し6月1日、東京・築地の浜離宮朝日ホールでピアノリサイタルを開いた。
ツォトネは、2009年8月にジョージアで生まれ、祖母でピアノ教授のニノ・マムラツ氏の影響で5歳からピアノを始め、同時期に作曲も開始。9歳のとき、トビリシで初の公開ピアノリサイタルを行って以来、数々の演奏会を開き、2021年にはジョージアで開催された『ツィナンダリ・フェスティバル2021』で自作曲「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」をリサ・バティアシュヴィリとの共演で初演し、絶賛された。
2021年6月、ジョージアmediciでドキュメンタリー番組『無調の輝き 現代音楽に魅せられた少年』が放送され、ジョージア大統領のサロメ・ズラビシュヴィリ氏が見守る中、1000人超の会場でオーケストラをバックに演奏する模様が紹介され、話題を集めた。
翌2022年7月、スイスの『ヴェルビエ音楽祭』にソリスト(独奏者)として招待。2023年には、オランダのアマーレコンサートホール、ベルギー・ブリュッセルのボザール、スイスの『ルツェルン音楽祭』でソロリサイタルを開くなど、ヨーロッパを中心に精力的に活動。日本でも昨年6月16日放送のNHK Eテレ『ドキュランドへようこそ』で、ジョージアmediciで放送された同ドキュメンタリー番組が紹介され、大きな反響を呼んだ。 クラシック界の巨匠、ダニエル・バレンボイムと名指揮者のサイモン・ラトルも絶賛し、ソリストに指名されるなど世界中で注目されている中、日本の音楽関係者が日本招へいを企画し、初来日公演が実現した。
約550席の会場は日本人ファンで満席の中、シューベルト作曲「4つの即興曲 D899(作品90)」をはじめ、ラヴェル作曲「夜のガスパール」、ツォトネの作曲作品から「2つの前奏曲」「チャイム」など自作曲を交えながら全7曲を演奏。14歳とは思えない確かなピアノテクニックと独自の世界観で最後まで満員の客席を魅了した。
日本で初めてのリサイタルを成功させたツォトネは「今回初めて日本に来ましたが、すごく気に入りました。今日の演奏会では、会場の音響が素晴らしかったですし、日本の観衆の方々が僕の音楽をすごく理解してくださったのを、身をもって体験しました。信じられないくらい素晴らしいリサイタルを開くことができてうれしかったです」と笑顔を見せていた。
会場には、ジョージア駐日大使のティムラズ・レジャバ氏も駆けつけ、「ツォトネくんは14歳という若いピアニストですが、若いからこその真の芸術性が彼のスタイルに表れているのではないかなと思います。彼は、国境の垣根を超えた国際的な音楽家としてこれからの活躍を期待しています。1年前に引退したジョージア出身の力士・栃ノ心は日本で大きな活躍をされましたが、彼には、その栃ノ心に代わるような大きなスターになってほしい」と話していた。
この後、今月4日に群馬・高崎市の高崎芸術劇場 音楽ホールでもピアノリサイタルを行う。
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