• HOME
  • Interview
  • 【COLORful Interview】タブレット純 自身のルーツをたどる、夢のようなアルバムが完成!

【COLORful Interview】タブレット純 自身のルーツをたどる、夢のようなアルバムが完成!

“和田弘とマヒナスターズ”の元ボーカルで、現在は歌手、芸人、歌謡研究家など幅広く活躍中の“ムード歌謡の貴公子”タブレット純。11月26日に、自身初のアルバムをリリースする。タブレットが敬愛する“ムード歌謡の父”、作曲家・中川博之氏の名曲の中から思い入れのある作品を選んだ『タブレット純 大いに歌う~中川博之作品集』だ。発売日当日には、東京・恵比寿ガーデンホールで、発売を記念したライブ『タブレット純 大いに歌う2025』も開催が予定されている。

 

40年前の自分に、こんな日が来ることを教えてあげたい

タブレット純は小学6年生のとき、そろばん塾の帰りにクラスメイトの母親から“黒沢明とロス・プリモス”の「ラブユー東京」と「たそがれの銀座」のドーナツ盤を貸してもらった。年齢にそぐわないムード歌謡のレコードを選んだことには、理由がある。
幼いころからAMラジオで古い歌謡曲に親しんでいたタブレットは、すでに“和田弘とマヒナスターズ”を好んで聴いていた。“同じ系列のグループなのかな”と思って借りてみたのだ。
そして、タブレットの心の琴線にしっかりと触れたその2曲は、どちらも作曲が中川博之氏だった。

「それでもう“中川博之という方が作った作品は、きっと全部いい曲なんだろうな”と思って、中古レコード屋で中川先生の作品を見つけたら、すぐに買うようになりました。それ以来ずっと好きな作曲家です」

ムード歌謡の中でも、とりわけ昭和40年代の楽曲が好きだったタブレットは、「『ラブユー東京』は自分にとっての中川作品の原点です」。そう話すと話すとはにかむような笑顔を見せた。

「残念ながら、生前の中川先生にお会いすることはできませんでしたが、すっかり大人になったいま、こうして中川先生の作品を歌えているということが不思議で、夢を見ているようです。小学6年の自分に“将来、これを歌って、アルバムとして世に出すよ”って教えてあげたい。あのとき11歳で、いま51歳。ちょうど40年経ってこんな日が来るなんて、本当に生きていて良かったなと思います」

 

憧れていたのは、生まれる前の時代のネオンサイン

昭和41年にリリースされた「ラブユー東京」は、中川氏にとっても歌謡界でのデビュー作である。発売当初はB面の曲だったが、A面と入れ替えてミリオンセラーとなり、ロス・プリモスの代表曲となった。
タブレットが中川作品を聴くようになった昭和61年ごろは、前川清がボーカルを務めるクールファイブがまだ現役で、テレビで歌っていたことを憶えている。クラスメイトの間では『オレたちひょうきん族』というバラエティー番組が人気で、くしくも「ラブユー東京」のパロディー「ラブユー貧乏」がヒットした時代でもあった。

「そのころは、ムードコーラスもまだ静かに息づいていましたね。中学1年のとき、玉置宏さんが司会の『三大ムードコーラス夢の共演』というテレビ番組をβ(ベータ)のビデオデッキで録画して、何百回も繰り返し観ました。『テレビ探偵団』(TBS)の泉麻人さんのコーナーで、初めてロス・プリモスが『ラブユー東京』を歌うところも観たし、それを録画したテープも伸びるくらい何百回も…」

その当時、すでにナイトクラブやキャバレーは黄金期を過ぎていた。大人になりたい気持ちと大人になりたくない気持ちで揺れる複雑な年ごろのタブレットは、親でさえ出入りしたことのないきらびやかな夜の世界を歌う音楽に惹かれていった。近所の人がくれた昔の図鑑に“ネオンサイン”として銀座の夜景が載っているページがあり、タブレットはその写真を切り取って下敷きに入れて学校へ通っていたという。自分が生まれる前の時代の楽曲、実際に見ることのない街の夜景など、すべてに憧れを抱きながら過ごしていた。

中川先生の珠玉の作品を自分の声でアルバムに

それほど思い入れのある作品たちをレコーディングしたことは、タブレットにどれほどの幸せな気持ちをもたらしただろうか。

「そうですね。 ありがたくてうれしい反面、ちょっと恐れ多いなというところもあります。かなり聴いていた曲だと、知らずに真似てしまうし、オリジナルを超えられない。そういうジレンマはかなりありました。小説家を目指してる方が、あまりの名作を読むと書けなくなるというのと近いかもしれません。自分なりの歌にするにはどうしたらいいのかと、考えましたね」

けれども、意外なことにレコーディングでの苦労はしていないようだ。

「僕自身が結構いい加減な性格で、ひょっとすると他の人なら1曲1曲かなり歌い直ししたかもしれませんが、僕はせいぜい三回ぐらい。それで別に問題ないと言われたので、僕も“まあいいかな”と終わりにしちゃっいました(笑)。レコーディングの難しさは痛感しましたが、何度も歌ってドツボにはまってしまうよりは、さりげなく歌った方が良かったりする場合もありますから。自分がいまできる“ありのまま”だと思って聴いていただければと思います」

大人になったいまは、仕事柄スナックやバー、銀座のクラブにも行く機会がある。ムード歌謡で描かれる世界への憧れをにじませながらも、いまだにそういう大人になれていないとタブレット自身は思っている。
タブレットにとって、ムード歌謡はこれからも永遠に憧れの世界だ。

「尊敬する中川先生の紡いだ珠玉の世界を自分の声で形にできる喜びは、とても幸せに感じました。このアルバムの発売記念を兼ねたライブには、中川先生の奥様であり作詞家として、ともに苦楽の道を歩まれた髙畠じゅん子先生もおいでになって見守ってくださいます。作品に託された想いや、世の中の人々が流した涙を胸に、精いっぱい歌いたいと思います。ぜひアルバムを聴いて、ライブに足を運んでくださいね」

【PROFILE】タブレット純(ジュン) 1974年8月31日、神奈川県相模原市出身。幼少時にラジオを通じて歌謡曲に目覚め、思春期は中古レコードの収集・研究に没頭する。高校卒業後は古本屋や介護職など経て、27歳でムード歌謡グループ・和田弘とマヒナスターズに加入(芸名:田渕純)。和田弘氏が逝去するまでの2年間、ボーカルとして活動。グループ解散後はネオ昭和歌謡、サブカル系のイベントに出演する他、寄席・お笑いライブなどにも進出。ムード歌謡漫談という新ジャンルを確立し唯一無二の存在感を放っている。

 


NEW RELEASE!!

2025年11月26日発売
タブレット純『タブレット純 大いに歌う~中川博之作品集』

【収録予定曲】
足手まとい(森 雄二とサザンクロス)
夜の銀狐(斉条史朗)
生命のブルース(黒沢 明とロス・プリモス)
意気地なし(森 雄二とサザンクロス)
わたし祈ってます(敏いとうとハッピー&ブルー)
サヨナラ横浜(石原裕次郎)
さようならは五つのひらがな(黒沢 明とロス・プリモス)
ラブユー東京(黒沢 明とロス・プリモス)
昨日の女(湯原昌幸、小林 繁)
たそがれの銀座(黒沢 明とロス・プリモス)
( )内はオリジナルアーティスト
※曲順は変更あり
日本コロムビア COCP-42607 3,000円(税込)

 

INFORMATION

ニューアルバムリリース記念ライブ「タブレット純 大いに歌う 2025」

日程:2025年11月26日(水)
時間:開場 16:00/開演 17:00
会場:東京・恵比寿ザ・ガーデンホール
出演者:タブレット純
西寄ひがし(MC)・北園優(ピアノ)・石井夕紀(ヴァイオリン)・サリー久保田(ベース)
料金:S席 10,000円(税込) A席 9,000円(税込)
※どちらも「タブレット純 大いに歌う~中川博之作品集」CD付き
問い合わせ先: ホットスタッフ・プロモーション 050-5211-6077(平日12:00~18:00)
チケット詳細はこちら

 

CHECK!!

タブレット純日本コロムビアサイト
タブレット純オフィシャルファンクラブ「メルルーサ」
タブレット純オフィシャルブログ

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。