山本譲二『デビュー50周年記念コンサートファイナル』を開催。家族や仲間、多くの祝福を受け全身全霊の熱唱

5月25日、東京・江東区のティアラこうとう 大ホールで『山本譲二デビュー50周年記念コンサート ファイナル』が開催された。会場には、長年山本や山本の作品を愛してきた多くのファンが駆けつけ、満員御礼の大盛況。全25曲、50年にわたる軌跡をじっくりとたどるように、ファン歓喜のラインナップを届けた。
「皆さん、俺は大好きだ」──50年間支えてくれたファンへの感謝と想い
開演前に行われた記者会見で山本は、「皆さん、俺は大好きだ。それをまず伝えたい。心から感謝しています。ショーが始まったら、歌と歌の合間にいろいろなことを振り返って、きっと何か話すと思うんですけど…正直、何をしゃべるか自分でもわかりません。でもね、きっといい雰囲気で皆さんを包めるんじゃないかな、そんなふうに思っています。皆さんが声援を送ってくれるから、歌い手はノッていける。だからお客様にすごく期待しています。…山本譲二には何の期待もありません(笑)」と、50年もの間支えてくれたファンに向けて、感謝の気持ちをユーモアを交えながらも真剣なまなざしで語っていた。
祝・50周年! 豪華サプライズゲストが続々登場
山本は、高校卒業後、出身地の山口県より上京。作曲家の浜圭介氏と出会い、1974年に”伊達春樹”の名で「夜霧のあなた」で歌手デビューを果たした。その後、北島三郎の付人兼前唄を務めるようになり、1978年本名の山本譲二に改名、「北ものがたり」で再デビューした。1980年に地道な活動が実を結び、「みちのくひとり旅」がミリオンヒット。数々の賞を獲得すると、翌1981年の『NHK 紅白歌合戦』に初出場し、人気歌手としての地位を確立した。
その代表曲「みちのくひとり旅」のギター演奏にのせスクリーンにこの50年の歩みが映し出され、いよいよステージの幕が上がった。華やかなライトとともに登場した山本は、満席の会場を見渡し笑顔を浮かべ、「花も嵐も」「夢街道」でスタートを切った。歳を重ねても衰えることのない精悍な歌声に、満員の客席からは大きな拍手と歓声が送られた。

とんねるずの木梨憲武と「憲三郎&ジョージ山本」として発売し異色のコラボレーションとして大きな話題となった「浪漫〜ROMAN〜」をこの日は一人で熱唱。この曲で1996年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場した
開始早々会場が沸いたのは、豪華なサプライズゲストの登場だ。前川清、堀内孝雄、そして戦友とも言える川中美幸が次々とステージに現れ、会場は驚きと喜びに包まれた。ステージへ現れた前川は、山本を祝福するために福岡より出向き、終えるとまた福岡へ戻ると笑いを交えつつ、飾らない人柄で温かく会場を盛り上げ、代表曲の中から「そして、神戸」「東京砂漠」を披露した。

「僕はこれまでたくさんもらってきてますからね、握った感じでわかります。こちらのお客様…これは10万ウォン」。山本の軽妙なジョークで客席は笑いの嵐に
山本と同じ年という堀内孝雄は、昭和の時代を彩った自身の名曲「恋唄綴り」で会場を魅了した。そして、川中美幸との共演は、感動のひと言。山本は、川中の助言もあり現在所属するレコード会社・テイチクヘ移籍。その後現在まで長年にわたりレーベルメイトとして、戦友として、互いを支え合ってきた。
川中は、「今日入場なさっているお客様の姿を見ていて、思わず涙が出てきちゃいました。譲二さんを待っていらっしゃる皆様がこんなにたくさんいらっしゃるんだと、本当にありがたいなと…」。そして二人が2010年に発表した「仁川エアポート」を肩を抱き合いながらデュエット。二人の歌声が重なり合った瞬間は、会場にいるすべての人の心を揺さぶった。
笑いと感動が詰まったギターの音色に酔いしれる
このコンサートのハイライトのひとつは、山本によるギターの弾き語りコーナーだ。「絶対に期待しないでください。ギター間違いますから、しょうがないっていう気持ちで聴いていただきたい(笑)」と、自ら茶化しながら披露したのは、カラオケで一番歌われている楽曲として有名な「北の旅人」。続いて「今日でお別れ」を披露。山本は友人の結婚の祝いの席で歌って顰蹙を買ったというエピソードを明かし、会場は笑いに包まれた。
そして、最も感動的だったのは「恋しき孫よ」。愛する孫を思う山本の心情を、盟友である吉幾三が作詞作曲した特別な一曲だ。ギターの音色と、情感豊かな歌声が温かく会場に響きわたった。
演歌界の重鎮とメタルの融合! 盟友・吉幾三も参戦
昨年、デビュー50周年企画として始まった「山本譲二メタル化計画」。もとはスタッフの独断で始まったプロジェクトだが、だんだんと火がつき演歌・歌謡界の多くの仲間や後輩を巻き込み大きな話題となった。演歌界の重鎮がメタルに挑戦する衝撃…その集大成ともいえるステージが、この日繰り広げられた。
アジアで唯一のMETALLICA公認のトリビュートバンド・HATTALLICAのメンバーがステージに登場。METALLICAの人気曲メドレーのパワフルな演奏を披露し、会場の空気が一変した。
続けて、サングラスに煌びやかなスーツ姿でステージへ戻ってきた山本は、メタル風にアレンジされた「人は旅人」「ローリングストーン」をコラボレーション。
そしてついに、HATTALLICAとのコラボで山本譲二初挑戦のメタル楽曲「言論の自由」が披露された。ここで、山本が「兄弟」と語る吉幾三も参戦。二人でサングラスをかけ、まるで別人のような風貌でヘビーなサウンドに合わせて熱く歌い切ったが、「酸素…ほしい。これは70のジジイたちにはキツい」。苦笑いの二人に、客席は大きな拍手を送った。

ゲストのギタリスト・SAKIも「言論の自由」に参戦。HATTALICAと情熱的にギターを弾き鳴らした
山本が「ちょっと頼むわ。7分くらい」とステージを吉に託し衣装チェンジへ。任された吉は代表曲「酒よ」、昨年発表した新たな一面を感じさせる「You Were There〜あなたが居たから〜」を情感豊かに歌い届けた。

吉は戻ってきた山本を労わるように、涙を浮かべ歌唱した
最後まで愛する家族・仲間・ファン…すべての人々への感謝を込めて
終盤には、山本の愛妻・悦子夫人がステージに上がり山本のもとへ。手を握り合いながら、吉が山本に贈った50周年記念曲「妻よ…ありがとう」を歌い上げ、続けて、HATTALLICAとSAKIとの共演による「みちのくひとり旅」が披露された。
その盛り上がりの中、スクリーンに北島三郎からの激励メッセージ映像も映し出され、感動的なひと時に。ラストは50周年を記念して制作された楽曲「山本譲二物語」を、全身全霊の熱唱で聴かせた。半世紀にわたる音楽活動や人生の歩みを振り返り、支え続けてくれた愛する家族・仲間・ファン…すべての人々への感謝の言葉を述べ、スペシャルなステージを締めくくった。
◾️セットリスト
M1 花も嵐も
M2 夢街道
M3 度の終りはお前
M4 浪漫〜ROMAN〜
M5 そして、神戸
M6 東京砂漠
M7 恋唄綴り
M7 ひとりで泣くなよ
M8 時は流れても
M9 望郷しぐれ
M10 仁川エアポート
M11 北の旅人
M12 今日でお別れ
M13 恋しき孫よ
M14 奥入瀬
M15 METALLICAメドレー
M16 人は旅人
M17 ローリングストーン
M18 言論の自由
M19 酒よ
M20 You Were There〜あなたが居たから〜
M21 妻よ…ありがとう
M22 いつまでも…沖縄
M23 揚子江
M24 みちのくひとり旅
M25 山本譲二物語
NEW RELEASE!!
2024年7月24日発売
山本譲二「妻よ・・・ありがとう」
「妻よ・・・ありがとう」
作詞・作曲:吉 幾三 編曲:伊戸のりお
c/w「恋しき孫よ」
作詞・作曲:吉 幾三 編曲:伊戸のりお
ボーナストラック「言論の自由」
ユニット名:J&J feat. HATTALICA with 長谷川太一
作詞・作曲:IKZO 編曲:KIRZ(HATTALLICA)
テイチクエンタテインメント TECA-24036 1,500円(税込)
CHECK!!
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