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【ライブレポート】おかゆが昭和歌謡ライブでタブレット純とディープなムード歌謡スペシャルナイト☆

流し出身のシンガーソングライター・おかゆが9月14日、東京・Jazz Dining B-flatで、昭和ムード歌謡をテーマにした昭和歌謡ライブを開催した。スペシャルゲストに元マヒナスターズのメンバーで昭和歌謡の奇才・タブレット純と、元NHKアナウンサーで紅白歌合戦の司会経験者・宮本隆治を迎えた超ディープでマニアックなイベント。折りしも近くの氷川神社が祭日でにぎわう赤坂で、ムーディーで笑いの絶えないライブを繰り広げた。

 

おかゆのソロコーナーに、スヌーピーのTシャツが乱入!?

エレガントな真っ白なドレスで登場したおかゆは、MCを務める宮本と軽くトークを楽しんだあと、「最初にお送りするのは昭和歌謡の神様と言っても過言ではない、私にとってあこがれの大先輩のひとりでもあるちあきなおみさんの曲です。私の音楽人生にも、大きな転機を与えてくれました」と、「朝日楼」を情感を込めて歌唱。オープニングから、観客を昭和歌謡の世界へどっぷりと引き込んだ。

天国にいるおかゆの母が大好きで、おかゆにとっても一番のあこがれの存在、髙橋真梨子のペドロ&カプリシャス時代の楽曲を三曲メドレーで届けると、インディーズ時代に初めてテレビで歌った際、加藤登紀子から褒められたという鶴田浩二の「傷だらけの人生」を歌った。女性歌手のカバーはあまり聴かない曲だが、おかゆは「いまの世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか」などのセリフもばっちりだった。

おかゆは8月21日から10日間、三重県の長島温泉で歌謡ショウに出演。ビクターの大先輩・三沢あけみからプレゼントされた着物を着て、古都清乃の「和歌山ブルース」や三沢あけみ・和田弘とマヒナスターズが1963年にヒットを飛ばした「島のブルース」などを歌ったという。

「今日は『島のブルース』を弾き語りバージョンで歌わせていただいてもいいでしょうか?」

一番を歌い終えたところで、「えっ?あれっ?えっ、スヌーピー??」と戸惑うおかゆ。ステージに突然、出番前のタブレット純が現れたのだ。「マヒナの歌なので、ちょっと歌いたいなと思って」と話すタブレットは、まだ衣装に着替えておらず、スヌーピーのTシャツに短パンという私服姿。まったく予定になかったデュエットに、客席からは笑いと大きな拍手が送られた。

「最初、お酒を飲まれて酔っ払ったお客さんが来ちゃったのかなって思いました。だってスヌーピーなんだもん。びっくりしました。でもすごい。本物のマヒナスターズのメンバーさんですからね」(おかゆ)

「いろんな希望、いろんな感情がたくさん詰まっている昭和歌謡から、人生も学んでいます」というおかゆは、大好きな先輩方の曲として、門倉有希の「ノラ」、松尾和子の「再会」、青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」を歌った。

「私のデビュー曲は『ヨコハマ・ヘンリー』ですが、伊勢佐木、本牧とか、ため息ブルースというワードは、この『伊勢佐木町ブルース』をリスペクトして入れさせていただきました」(おかゆ)

おかゆのコーナーの最後は、『第16回CDショップ大賞2024 歌謡曲賞』を受賞した「渋谷のマリア」に続く渋谷シリーズ第2弾「「渋谷ぼっちの歌謡曲」で締めくくった。

 

しゃべる声と歌う声がまるで別人! タブレット純のしなやかなステージを堪能

私服とはガラリと雰囲気を変えて、鮮やかな紫のスーツに着替えたタブレットが再びステージに登場。「皆さん、あらためまして。タブレット純です。偽アルフィーと言われます。宮本さんは相変わらず、壇ふみに似ていますね。おかゆさんは、実写版サザエさんみたい」など、ウィットに富んだトークが止まらない。タブレットの一言ひと言が、会場の笑いを誘った。

ふだんは芸人としても活躍中のタブレットだが、元々はマヒナスターズに低音パートで加入した歌手。まずは、フランク永井の曲で“赤坂”が出てくる「東京カチート」、次に石原裕次郎の「僕はお前に弱いんだ」を披露。しゃべっているときのか細い声と、男らしい歌声のギャップに、観客は驚かされる。

「『俺はお前に弱いんだ』はセリフもあります。歌声は低いところまで出るのに、セリフはダメですね。僕は力が弱くて、小学生のときは腕相撲で女子に負けたくらいなので、『俺は“お前より”弱いんだ』というかんじ(笑)」

自筆の似顔絵を使ったモノマネのコーナーでは、ニッポン放送の加藤諦三、美輪明宏、『演歌の花道』のナレーションを務めていた来宮良子、昔懐かしい『川口浩探検隊』の田中信夫、『クイズダービー』の大橋巨泉、『はぐれ刑事 純情派』の藤田まことなど幅広いネタを披露し、会場を盛り上げた

また、9月10日に敏いとうとハッピー&ブルーの敏いとう氏が亡くなったという報道を受けて生前の思い出話を語り、追悼の思いを込めミニギターとハーモニカの弾き語りで「わたし祈ってます」を歌う一幕も。

そして、河崎実監督の特撮映画『超伝合体ゴッドヒコザ』の主題歌を、これまでとは打って変わって激しく歌い上げると、加藤登紀子が作詞作曲をした新曲「母よ」をしっとりと聴かせた。

「加藤登紀子さんがリサイタルを観に来てくださって、偶然うちの母と会う機会があったんです。お会いしたのはほんの5分くらいだったんですけど、そのときの印象を歌にしてくださいました」

 

ラテンのステップ、タンスに足の小指…おかゆの新たな一面が花開く

最後の三人のショウタイムのコーナーは、宮本の「おまえに」歌唱から。ふだんはほとんど歌う機会がない、けれども司会者としてムード歌謡の本家本元の歌声を一番近くで聴いてきた宮本の、本邦初公開の歌声だ。続いての「東京ナイト・クラブ」では、おかゆとのデュエットにも挑戦。前口上も自分で入れてから歌い出す宮本は、さりげなくステップを踏みながら歌っている。間奏からはおかゆも、見よう見まねでステップを踏み始めた。

「宮本さんのステップを踏みながらしゃべるのは、すごいですね。なかなかできないと思いますよ」(おかゆ)

「ラテン・ダンスを17年やっているんですよ」(宮本)

そこにタブレットが、衣装をダークブラウンに着替えて登場。「宮本さんは、歌声もいいですね。響くんだけど軽い味わいで“トーハト オールレーズン”みたいな声質だと思います(笑)。さっきのおかゆさんの『伊勢佐木町ブルース』のため息?タンスに足の小指をぶつけた人みたいなかんじでした。あれはちょっとね(笑)」と、おかゆ渾身のセクシーなため息への思いがけない感想に、おかゆも観客も大爆笑となった。

おかゆとタブレットのデュエットは、「グッド・ナイト」。そして最後の曲「誰よりも君を愛す」とアンコール「いつでも夢を」は三人で歌唱し、ディープなスペシャルナイトは幕を下ろした。

「本当に楽しかったです。昭和歌謡の世界って淋しげで哀愁があるのに、今日はたくさん笑いが起こったりして、何だか温かい気持ちになれましたよね。あのお二人以上に昭和歌謡を敬愛して、それを表現できる方はなかなかいらっしゃらないじゃないですか。お二人から教えていただいたことがたくさんあって、あらためて昭和歌謡は深いなと思いました。前回の昭和歌謡ライブでは、スペシャルゲストの荻野目洋子さんから『ダンシング・ヒーロー』の踊りを教わりました。今回は宮本さんからラテン・ダンスですよ!次のライブがいまから楽しみですね(笑)」(おかゆ)

(取材・文/夏見幸恵)

◾️セットリスト
M1 朝日楼 (おかゆ)
M2 高橋真梨子メドレー(おかゆ)
別れの朝〜五番街のマリーへ〜ジョニーへの伝言
M3 傷だらけの人生 (おかゆ)
M4 和歌山ブルース (おかゆ)
M5 島のブルース (おかゆ with タブレット純)
M6 ノラ (おかゆ)
M7 再会 (おかゆ)
M8 伊勢佐木町ブルース (おかゆ)
M9 渋谷ぼっちの歌謡曲 (おかゆ)
M10 東京カチート (タブレット純)
M11 俺はお前に弱いんだ (タブレット純)
M12 16トン(シックスティーン・トン) (タブレット純)
M13 コモエスタ赤坂 (タブレット純)
M14 わたし祈ってます (タブレット純)
M15 ゆけ!超伝合体ゴッドヒコザ (タブレット純)
M16 母よ (タブレット純)
M17 おまえに (宮本隆治)
M18 東京ナイトクラブ (おかゆ&宮本隆治)
M19 グッド・ナイト (おかゆ&タブレット純)
M20 誰よりも君を愛す (おかゆ&タブレット純&宮本隆治)
Enc. いつでも夢を (おかゆ&タブレット純&宮本隆治)

 

NEW RELEASE!!

2024年5月1日発売
おかゆ「渋谷ぼっちの歌謡曲」
【遥かな人へ盤】

「渋谷ぼっちの歌謡曲
作詞・作曲:おかゆ 編曲:鈴木豪
c/w「遥かな人へ」
作詞:髙橋真梨子 作曲:松田良 編曲:斉藤真也
c/w「ロンリー・ガール」
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:鈴木豪
ビクターエンタテインメント VICL-37733 1,500円(税込)

おかゆ「渋谷ぼっちの歌謡曲」
【ミッドナイト盤】

「渋谷ぼっちの歌謡曲
作詞・作曲:おかゆ 編曲:鈴木豪
c/w「ミッドナイトメモリー」
作詞・作曲:おかゆ 編曲:綾瀬悠
c/w「キャッツ・アイ」
作詞:三浦徳子 作曲:小田裕一郎 編曲:綾瀬悠
ビクターエンタテインメント VICL-37734 1,500円(税込)

おかゆ「渋谷ぼっちの歌謡曲」
【八起き盤】

「渋谷ぼっちの歌謡曲」
作詞・作曲:おかゆ 編曲:鈴木豪
c/w「七転び八起き 幸せに」
作詞:おかゆ 作曲:野々田万照 編曲:鈴木豪

c/w「夜空」
作詞:山口洋子 作曲:平尾昌晃 編曲:鈴木豪
ビクターエンタテインメント VICL-37735 1,500円(税込)

ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて5月1日より配信スタート
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、Spotify、YouTube Music、LINE MUSIC、Amazon Music、Deezer、AWA、Rakuten Music、KKBOX、TOWER RECORDS MUSIC

CHECK!!

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