岡宏とクリアトーンズ・オーケストラがコンサート＆ディナー開催。バンマス・岡宏がデビュー曲を披露

結成50年を迎える日本有数のビッグバンド・岡宏とクリアトーンズ・オーケストラが、10月15日、東京・新宿区の京王プラザホテルでコンサート＆ディナーを開いた。

クリアトーンズは、岡宏が1974年にフル編成の楽団として結成。各レコード会社での同楽団による録音をはじめ、テレビ、ラジオ等、放送媒体への出演、有名歌手との共演など、半世紀にわたって日本の音楽界の第一線で活躍してきた。また、音楽プロデューサーや作曲家としても活動し、なかでも韓国人歌手、キム・ヨンジャをプロデュースして『NHK 紅白歌合戦』に出場するまでのビッグ歌手に育て上げた。

今年は、バンドマスターの岡自らが「BOSS★岡」の芸名で歌手デビュー。6月21日に「かすり傷」でテイチクから”81歳で歌手デビューした”という衝撃的なニュースが、今年の日本の歌謡界で大きな話題を呼んでいる。
この日は、クリアトーンズの演奏と各ジャンルで活躍中のキャロル山崎、夏川玲、ペペル＆モコ、加藤順子、翠千賀の5組の歌手が交互に登場し、日本人にも親しまれている洋楽曲をそれぞれに披露。クリアトーンズは、ジャズ、ラテン、シャンソンなど幅広いジャンルから選曲した「ROOT66」「愛の讃歌」「SING SING SING」などを繊細かつダイナミックなサウンドで演奏し、観客を楽しませた。

この日はフリーアナウンサーの徳光和夫が祝福に駆けつける予定だったが、「『岡ちゃん、久しぶりにジャズを聴きに行くよ』と言ってくださっていたのですが、今朝電話がありまして『岡ちゃん、ごめん。コロナになっちゃった』と」と残念そうだった。

その指揮を一曲目から務めた岡が、終盤に「BOSS★岡」として登場すると、「デビューしてからまだ3カ月半ですが、そこそこ売れているようなので、今年の新人賞を狙います」と宣言し、キザでニヒルな昭和の男をテーマにしたデビュー曲「かすり傷」をクリアトーンズの演奏をバックに熱唱した。そして、岡が「CDを出す前にデヴィ夫人に電話をしたところ、ひと言、『あなた、頭おかしいの』と言われまして（笑）、今日はそのご本人をここに呼びつけました」と言うと、会場は大爆笑。

「今日来られた皆さんは、（クリアトーンズやゲスト歌手たちの）昔の素晴らしい音楽を聴いて懐かしがっていらっしゃると思います。クリアトーンズの演奏？ もちろん素晴らしいです」とデヴィ夫人も絶賛していた

デヴィ夫人が客席からステージに上がり、「いまさらデビューですか。すごいですね。岡宏さんは素晴らしいオーケストラのほかにたくさんの歌手を育てていらっしゃって、私は感服しております」と褒めると、岡が「その歌手を知っていますか？」と質問。すると「それは、（あなたの元妻の）キム・ヨンジャさんでしょ」と即答し、会場を沸かせた。

歌手デビューまで果たした岡は「低迷する歌謡界を活性化したい。僕がこうやってデビューしたことで、多くの皆さんに元気になっていただけるのでは…。目標？　新人賞を総ナメして、紅白に出ることです」と意欲を燃やしていた。