【COLORful Interview】こおり健太 ”女唄ならこおり健太!” 新曲「十六夜橋」を 僕の代名詞に
“女唄の伝道師”こおり健太が10月8日、待望の新曲「十六夜橋」を発売する。デビュー曲から追求してきた“女唄”にますます磨きがかかり、月明かりの美しい情景と切ない心情をこおりならではの表現力で歌っている。カップリングの「LALALA 君と生きる」は、東北放送TBCラジオ『GoGoはみみこいラジオな気分』とタイアップした“昭和100年特別企画”だ。今回のインタビューは、東京・四谷にあるこおりの店『創作酒場&カフェ ずん太‶』で行ない、人とのご縁を大切にするこおりの店に対する思いも聞いた。
僕のところへ来るべくして来てくれた作品
新曲の「十六夜橋」は、だんだん欠けていく月に想いを重ねた切ない歌。やっぱり“おんな唄”と言えば、こおりさんですね!
こおり こおり健太らしい歌ができたなと思っています。麻こよみ先生に「どんなタイミングでこの歌詞を書かれたんですか?」と質問したら、「満月の夜に、こおり健太に届くといいなと願いを込めながら書いたの」とおっしゃっていました。だから、来るべくして僕のところに来た作品なんだということを感じますね。まずタイトルを見て、すごくきれいだなと思いました。そして歌詞を読ませていただいたら、涙なしでは聴けないような切なさがあった。これこそ、こおり健太が歌ってきた世界観ですから、“やっぱりこれは僕の曲!迷いなくやるぞ”というスイッチが入りましたね。
おんな唄を歌うとは、実際には体験できない女性側の気持ちを表現することですが、どういう気持ちで歌われていますか?
こおり そこには、想像する楽しみがあるんですよ。こんなふうに女性から追いかけてもらいたいという願望、こういう女性とこういう時間を過ごしてみたいというような理想像を、絵を描くように自分で作っちゃう。それが、おんな唄を歌う上での最初の作業です。それから“主人公はどんな気持ちだろうか”“逆に一緒にいる男性の気持ちは?”と探っていく。そうすると女性の気持ちになって歌うというよりも、男も女もないなと思えるところがあるんですよね。最近ではとくに、等身大の自分をそこに乗せて自然体に歌えるようになってきたかなと思います。
たしかに人を好きになる気持ちは、男性も女性も一緒ですね。
こおり いまの時代はどちらかというと、受け身な男性が多いかもしれないですね。男女平等で、女性は三歩下がっていろという時代じゃないですから。仕事もそうですが、女性の方が前に進んでいくエネルギーを持っているかもしれない。そういう意味では、女性と男性の境目がなくなってきたんじゃないかなと、すごく感じています。もちろんいまでも“俺についてこい”タイプも、いっぱいいますけどね(笑)。一般の男性でもメイクして外を歩くのが普通の時代になって、リップも女性のものという概念が崩れてきています。だから男として女としてではなく、人としての情、恋愛を歌ってもいいと思いますね。
こおりさんご自身も、「十六夜橋」の歌詞に共感できるところもありますか?
こおり どうでしょうね…。数少ない恋愛経験の中から、歌と重なる部分はあるかな。あと、これはちょっと歌の物語とは違っちゃうんですけど、僕はいま、犬を飼っていて、その子がすごく大事な存在なんですよね。だから“二人で決めた 別れです”だなんて、僕だったら別れられないよ…なんて、犬とのこととしてすごく考えて、悲しくなるんです。歌の主人公は女性ですが、僕が日常で感じていることや、犬と自分の関係を重ねて歌っちゃっているところもあります。僕のお相手は愛犬の“ずんだ”です(笑)。

出会うことで、運は開けていく
ここのお店『創作酒場&カフェ ずん太‶』も、昨年の5月にオープンしてもうすぐ1年半になりますね。
こおり お店の名前は犬と僕の名前をかけ合わせていて、“だ”は健太の“太”に濁点を付けました。犬と一緒に来ていただける居酒屋です。人が集まる場所を作りたかったんですよね。コロナ禍で人と会えなかった4年間に、人って大事だな、出会うって大事だなと心から思いましたから。僕は、すべての運は出会いだと思っています。東京に出てきて1年半くらいで、トントン拍子にデビューできたこともそうですが、いろいろな人やものに出会うことで、運って開けてくる。ここの物件も、縁あっていいところが見つかったので、自分でもびっくりしています。
出会いとチャンスとタイミング!ですね。それでも始めるときは、かなり思い切ったのではないでしょうか。
こおり 僕は、“いま”を大事にするタイプ。やろうと思ったときにやらなかったら、次はないかもしれませんよね。後になって“逃しちゃったな”“やっておけばよかったな”では、面白くないじゃないですか。ここに来てくださる方は年齢層も職種もバラバラ。テレビに出ているような人や大物の政治家さんも来ることがあります。演歌・歌謡曲の世界の皆さんはもちろん応援してくれますが、歌だけでは知り合えなかった方たちとも出会える場です。居酒屋だけどうるさくなくて、ゆっくりしゃべれるから居心地がいいと言ってくださいます。いいお客様に恵まれていますね。

今年は昭和100年。これから100年後まで歌ってもらえる歌を
カップリングの「LALALA 君と生きる」は、東北放送TBCラジオのアナウンサー・佐々木淳吾さんが作詞されたそうですね。
こおり もう1年以上前ですが、TBCラジオの生放送に出演したときに、佐々木淳吾さんが趣味でいろいろ書き物をしていると聞いたんです。“今度、こおりさんの歌も書かせてくださいよ”と言っていらしたので、今回こちらから企画を持ち込みました。『GoGoはみみこいラジオな気分』という毎日やってる帯番組で、リスナーの皆さんから歌詞に入れてほしい言葉を募集して、淳吾さんが初めて作詞に挑戦した曲なんです。なんとなく仮のようなかんじで入っていた“LALALA”という歌詞、これはすごくいいので残してくださいと、僕がお願いしました。淳吾さんは、オケ録りのときは上京してきてくれましたよ。
宮城県の景色がたくさん入った歌ですから、地元の皆さんもうれしいですね。
こおり 今年は昭和100年。いまの子どもたちは、これから100年後も生きているかもしれないと考えたときに、100年後までかわいがってもらえる歌を作りたいと思ったんです。仙台の七夕とか青葉通り、湯けむりというと秋保とか作並でしょうね。リスナーの方から、震災のことを外さないでほしいというご意見があって、2番に入れました。命の大事さは、いまも100年後も変わらないはずですから。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
こおり 「十六夜橋」をいただいて、あらためて“女唄ならこおり健太”、“こおり健太と言えば女唄”と言っていただけるようになりたいと思っています。こおり健太の代名詞になるよう「十六夜橋」を育てていかなくちゃいけないですね。まだ僕の歌を直接聴いたことがないという方も多いと思います。そういった方々にもお会いできることを楽しみに、これから全国走り回っていきたいと思います。どうか皆様、僕に会いに、そして僕の歌を聴きにお越しいただけたらなと思います。

【PROFILE】こおり健太(こおりけんた) 1983年1月5日、宮城県亘理郡出身。保育士の仕事に3年間携わり、そのかたわら数々のカラオケ大会へ出場。福島テレビの人気番組『弦哲也のFTVカラオケグランプリ』で第7回グランドチャンピオンに輝く。幼いころからの歌手になりたいという夢を果たすため、単身上京。2008年11月「口紅哀歌」で歌手デビューを果たす。2017年、ミャンマー観光親善大使に就任。情感豊かに歌い上げる女唄には定評がある“女唄の伝道師”。
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2025年10月8日発売
こおり健太「十六夜橋」

「十六夜橋」
作詞:麻こよみ 作曲:桧原さとし 編曲:南郷達也
c/w「LALALA君と生きる」
作詞:佐々木淳吾 作曲:桧原さとし 編曲:杉山ユカリ
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91655 1,500円(税込)
CHECK!!
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こおり健太オフィシャルブログ
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