【ライブレポート】青山新 「ファーストコンサート~新たなステージへ~」笑いと涙、感動の空間に響く歌声
青山新が5月8日、東京・日本橋三井ホールでファーストコンサートを開催した。演歌・歌謡界を盛り上げている”演歌第七世代”の一翼を担う存在として注目を浴びる青山は、2020年にテイチクエンタテインメント創立85周年、芸映創立60周年のダブル記念アーティストとしてデビューしたが、デビュー直後からのコロナ禍の影響により、これまで活動に大きな制約を受け続けてきた。
「デビュー3年目にして、ようやく出発できるような心境です。これから何年経っても、“ファーストコンサート、よかったよね”と言っていただけるようにしたいです。ふだんはお届けすることのない選曲もあります。デビュー前に慣れ親しんだ歌を順番に並べてみたら、僕の人生の……と言ってもまだ21年しか生きていないですけれど(笑)、足跡をたどるような演出になりました。尊敬する水森英夫先生や先輩方の作品を歌わせていただくことも、僕にとってはすごくうれしいことです。ふだんの青山新ではない一面もお見せできる、特別なコンサートになるんじゃないかと思います」(開演前・青山)
待ちに待ったファーストコンサート! 青山ならではのバラエティー豊かな選曲でファンを魅了
「こんにちは! 青山新です。よろしくお願いします」
オリジナル生バンドが奏でる「青春プロローグ」のイントロに迎えられ、笑顔でステージに登場した青山は、感激のためかすでに瞳が潤んでいた。
「いや、まだ泣いていないですよ。僕は今日の日を、どれだけ楽しみにしてきたか。皆さんの表情をうかがいますと、ああ、皆さんも楽しみにして来てくださったんだなと感じております。念願だったソロコンサートを開催できて、本当に本当にうれしい。ありがとうございます。前日のギリギリまで、何を話そうかと考えていたんですけれど、ここに立ったら、ぜんぶ飛んじゃいました(笑)。今日はハイブリッドコンサートですから、配信で観てくださっている皆さんもいらっしゃいます。カメラの向こうの皆さんも、ありがとうございます。お元気でしたか?」
2曲目は、今年の2月2日に発売された新曲のカップリング曲「奥州三関(おうしゅうさんせき)」。続いて新曲の「君とどこまでも」を歌唱。その後は、1回目の“お着替えタイム”で、青山は袖に引っ込んだ。すると、青山のいないステージ上に、大きなスクリーンが降りてきて、カメラが楽屋口へと小走りに移動する青山を映し出している。
「えっ、ちょっと、カメラがついて来ちゃってるよ。あんまり見ないでください! 今から着替えるんですから」と慌てる青山。ハイブリッドコンサートならではの演出で、つい立のカーテンの裏で「いま脱いでいます」と青山が言うと、会場からは和やかな笑い声が湧き起こった。
青山の“21年間の人生の足跡をたどるセットリスト”は、カラオケ好きの祖母の影響で覚えた「ノラ」や、初めて人前で歌った「また君に恋してる」、尊敬する先輩方の曲として「池袋夜女」「噂の女」と続いた。
そして、青山の演歌人生を語るのに欠かせない曲として八代亜紀の「もう一度逢いたい」を歌う前には、中学生のころに行ったコンサートで八代本人からもらったというポーチを“お守り”として披露。そして中学時代にはもうひとつ、青山にとって大きな出来事があったと話した。
「中学2年生の時に出場したカラオケ大会で、恩師の作曲家・水森英夫先生を紹介されて、14歳で弟子入りさせていただきました。とくに印象に残っているのはレッスンを受け始めて3年目の頃、水森先生から『お前、歌が焦っているぞ』と言われたこと。まったく自覚がなくて、最初は何のことかわからなかったんですよね。『いいか、デビューすることももちろん大事だけど、まずは歌を磨け』と言われて、ハッと気づきました。レッスンさえ受けていれば、いつかはデビューできると思っていた自分の甘さ。先生はちょっと歌を聴いただけで、それを見抜いたんですよね。本当にいろいろなことを教えていただいたから、デビューできたのだと思っています。これからもっと頑張って、いつかスターになって恩返しができるよう精進してまいりますので、今後とも厳しいレッスンをビシバシとお願いします」
会場には水森氏の姿も。青山は大きな拍手に包まれながら水森氏の作品をメドレーで堂々と歌い切り、歌声に乗せ歌手として一歩ずつ成長している姿を師匠へ届けた。
衣装の早替えを終え、青山はエレキギターのリズミカルなイントロの流れる中、スカジャンにサングラスで登場。時折ツイストのステップを踏みながらキャロルの「ファンキー・モンキー・ベイビー」「ルイジアンナ」を披露すると、初めて挑戦したロックな青山の姿に、会場のファンも大いに盛り上がった。
サッカーが大好きな青山のリフティング100回チャレンジなどの映像でファンを楽しませた後は、デビュー曲「仕方ないのさ」で再び演歌モードに。角川博の「伊豆の雨」、自身の雨の歌「石楠花の雨」、そしてセカンドシングル「霧雨の夜は更ける」では21歳とは思えない貫禄のある歌声で魅了した。
「今日のことは、絶対に忘れません」
「楽しんでいただけましたでしょうか。歌っていいなあ、歌手になれてよかったなあって思います。皆さん、本当にありがとうございます。今日は本当に楽しかったです。不安や緊張を抱えながら今日を迎えましたが、人生観が変わるくらいコンサートってすごいなって思いました。皆様のおかげで、今日は素敵な景色を見ることができました。また今後もさらにステップアップできるように頑張ってまいりますので、これからもずっとずっと青山新の応援をよろしくお願いします!」
最後の曲は「ブルースカイ ブルー」。大きく深呼吸をしながら「歌えるかな」とつぶやいた青山だが、曲が始まると涙が次々にあふれた。
気持ちを新たに。ここからまた心機一転
歌い終わった直後からアンコールの拍手は鳴り止まない。そこへ、青山がTシャツに着替えて再登場した。
「今日は母の日ですね。僕は皆さんをお母さんだと思って、今日は感謝の気持ちをお伝えします。本当にありがとうございます。今日の歓喜の日のことは、絶対に忘れないです。そしてこの素直な気持ちを今後も大切に、忘れないで歌手活動をしていけたらなと思っております。またいつの日か再会できる日を楽しみに、コンサートを開催できるように頑張りますので、また来てくださいね」
新曲「君とどこまでも」で、記念すべきファーストコンサートを締めくくった。
会場には、師匠の水森英夫氏のほか、同じ事務所の先輩である市川由紀乃や兄弟子の三丘翔太の姿もあり、青山の勇姿を見守っていた。
また、今年はファンクラブも結成されたという青山。「デビュー3年目、ソロコンサートも開催できて、気持ちが新たになりました。ここからまた心機一転。今日のコンサートを節目として、これからも新しいことにチャレンジしていきたいと思っています!」と、最後は満面の笑みでさらなる飛躍を誓った。
(取材・文/夏見幸恵)
M3 君とどこまでも
NEW RELEASE!!
2022年2月2日発売
青山新「君とどこまでも」
「君とどこまでも」
作詞:岸かいせい 作曲:水森英夫 編曲:石倉重信
c/w「奥州三関」
作詞:麻こよみ 作曲:水森英夫 編曲:石倉重信
テイチクエンタテインメント TECA-22004 1,350円(税込)
(DVD付き)
「君とどこまでも」
「君とどこまでも」
作詞:岸かいせい 作曲:水森英夫 編曲:石倉重信
c/w「奥州三関」
作詞:麻こよみ 作曲:水森英夫 編曲:石倉重信
【DVD】「君とどこまでも」ミュージックビデオ
テイチクエンタテインメント TECA-22004 1,550円(税込)
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