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【ライブレポート】三丘翔太とオルニチンズが第1回定期演奏会を開催! 新曲「ゆうなぎの唄」をはじめ全17曲を熱唱

デビュー10周年を迎えた三丘翔太がバンマスを務めることで知られる“三丘翔太とオルニチンズ”が、4月26日、東京・築地のライブハウス&レストラン「BLUE MOOD」で、第1回定期演奏会を開催した。
開演のブザーを合図に会場が暗くなり、板を鳴らす靴音が聞こえる。オーボエが音を出し、他の管楽器や弦楽器が音合わせを始めた。三丘翔太がタクトを手に登場してスポットライトが当たると、そこには誰にもいない。「夢芝居」のイントロが奏でられ、たった一人でタクトを振り続ける三丘。イントロの終わりでくるりと振り向いて、タクトを振りながら「夢芝居」を歌い出した三丘を見て、来場者は不思議な感覚に包まれた。

オルニチンズとは、三丘のDTMソフト(パソコンに打ち込んで音楽制作や編集を行うツール)のこと。三丘はコロナ禍の活動自粛期間にカラオケを作る技術を習得し、パソコンの中にいるバンドメンバーに大好きな枝豆の栄養素から“オルニチンズ”と命名した。「今日は三丘翔太が歌いたいようなアレンジ、三丘翔太のためだけの演奏を、オルニチンズの皆さんがしてくれます」と三丘が紹介すると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。

 

歌も演奏もコーラスも全部、一人でやっています!

演歌のカラオケは、基本的にはオーケストラの生演奏だ。CDに収録された贅沢なカラオケがあるにもかかわらず、今回の演奏会ではオリジナル曲もオルチニンズに演奏してもらうという。まずは「釧路発5時35分根室行き」を、もともとのビックバンド風のアレンジに三丘のテイストもプラスして、さらに壮大なスケール感に仕上げて聴かせた。次に「面影今いずこ」を青春歌謡っぽく、「虹色の雨」はオリジナルよりも派手なアレンジで披露した。

懐メロのコーナーは『春の東京メドレー』として、昭和25年に美空ひばりが歌った「東京キッド」、映画音楽のようなイントロが大好きだという霧島昇の「胸の振子」、昭和35年のヒット曲「有楽町で逢いましょう」をジャズっぽくスイングさせて届けた。歌った後で、三丘のPCの中身はどうなっているのか、春の東京メドレーはどのように作られているのかをプロジェクターを使って解説。「胸の振子」のイントロのピアノ、そこにクラリネットを重ねてみせたり、「東京キッド」のカラオケの中に「リンゴの唄」のメロディーが入れ込んであることなどを明かす。遊び心いっぱいの凝った仕掛けがたくさん隠されている三丘のアレンジ作業は時間を忘れてしまうそうで、「夜が明けて昼が来る。最近は昼夜逆転の生活なんですよ。夜中は集中できるんですよね」と話した。

YouTubeの生配信でリクエストを募って歌うことが決まったという山川豊の「夜桜」は、オルニチンズも琴奏者をフィーチャーして艶やかに。続くムード歌謡のコーナーでは、三丘がリーダーを務めるムード歌謡コーラスグループ“三丘翔太とイソフラボンズ”が登場し、あいさつ代わりに「長崎は今日も雨だった」と「星降る街角」で息の合ったハーモニーを響かせた。メインボーカルの三丘を重厚なバックコーラスで支えるイソフラボンズは、三丘一人の多重録音による音源のこと。オルニチンズと同じく、グループ名は枝豆の栄養素“イソフラボン”から命名されている。会場のスクリーンに映し出されたイソホラボンズメンバーの合成写真は、会場をおおいに沸かせた。

三丘翔太とイソフラボンズとしては初披露となる「困るのよ」は、新曲「ゆうなぎの唄」のカップリング曲。「今日はダンサブルなかんじになっていますが、踊るとよくわからなくなりそうなので、歌だけにしておきます(笑)。それでは三丘翔太とオルニチンズが演奏のもと、三丘翔太とイソホラボンズのコーラスに乗せて、三丘翔太が歌う『困るのよ』、聴いてください」。オリジナルの雰囲気をがらりと変えたアレンジと、美しいファルセットのコーラスに、会場のファンもノリの良い“翔太コール”でこたえた。

 

デビュー10周年!僕が演歌・歌謡を盛り上げるひとつのピースになれたらいいな

今年デビュー10周年を迎えた三丘は、同じ年に歌手デビューして以来ずっと交流が続いている真田ナオキのことを話し、「僕が大好きなナオキ氏の歌『マジ惚れ』を、イソホラボンズとともに歌ってみたいと思います」と、「本気(マジ)で惚れた」をカバーした。クールファイブ風のコーラスが入り、ハスキーボ
イスの真田とはまったく別の曲に生まれ変わった「マジ惚れ」には、ファンも大喜び。また同じ水森英夫門下生で、デビュー前から尊敬していた大先輩の山内惠介の「風蓮湖」を、神秘的なアレンジで歌った。

「音楽って一つひとつの音の重なり合いなんですよね。ベースがこう鳴っていてドラムがここで…というのを、一曲一曲分析していく。そうすると、一つひとつの音が考えて作られていて、それが集まって音楽ができているんだなというのがわかるんです。そして最後の上物として僕の歌がポッと乗っかっている。そういう曲の成り立ちを今日は、皆さんにも少し理解していただけたのかなと思いますが、どうでしょうか?今後もオルニチンズのレパートリーを増やして、今回“第1回”と銘打ったということは、第2回も開催したいということ。どうか皆さん、第2回もお越しくださいね」と三丘が話すと、会場からは大きな拍手が送られた。

最後の曲は『第42回 NHK紅白歌合戦』(1991年)の大トリだった谷村新司の「昴-すばる-」を雄大に。アンコールでは、オルニチンズのメンバー紹介も行われた。各パートが昭和歌謡のイントロにちなんだフレーズを聴かせるという、細部まで行きわたっているバンマス・三丘のこだわりが見事だった。アンコールはまず菅田将暉の「虹」を。演奏会の締めくくりは新曲の「ゆうなぎの唄」と「帰ろかな」をメドレーで、豆腐屋のラッパの音などを取り入れた素朴なアレンジで届けた。

「オルニチンズの演奏会にお集りいただきまして、あらためて感謝を申し上げます。第1回目なので、コンセプトが伝わるかなと思いましたが、だいたいわかっていただけたのではないでしょうか。僕の相棒のVAIOちゃん(ノートパソコン)と二人三脚で…二人じゃなくて一人と一台かな(笑)。パソコンとともに音を作って、こうしてライブができるというのは本当に幸せなことでございます。そしてデビュー10周年ですから、演歌・歌謡を盛り上げるための、三丘翔太が何かひとつのピースになれたらいいですね。そして10周年はこれを皮切りに、いろんなイベントをやりたいなと計画している最中でございます。ぜひ皆さんも一緒に盛り上げていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします」 

▪️セットリスト
M1 夢芝居
M2 釧路発5時35分根室行き
M3 面影今いずこ
M4 虹色の雨
M5 春の東京メドレー(東京キッド〜胸の振子〜有楽町で逢いましょう)
M6 夜桜
M7 長崎は今日も雨だった~星降る街角
M8 困るのよ
M9 本気(マジ)で惚れた
M10 風連湖
M11 昴-すばる-
M12 虹
M13ゆうなぎの唄〜帰ろかな

(取材・文/夏見幸恵)

 

NEW RELEASE!!

2024年10月16日発売
三丘翔太「ゆうなぎの唄」

「ゆうなぎの唄」
作詞:前田たかひろ 作曲:水森英夫 編曲:猪股義周
c/w「困るのよ」
作作詞:さくらちさと 作曲:水森英夫 編曲:猪股義周
テイチクエンタテインメント TECA-24055 1,500円(税込)

 

CHECK!!

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