シンガー・ソングライター&精神科医、2つの顔を持つ異色のアーティスト小山文彦が62歳にしてついにメジャーデビュー!
著名な精神科医でありながら、長きにわたりシンガー・ソングライターとしても活動してきた小山文彦が、3月20日、テイチクエンタテインメントより念願のメジャーデビューを果たした。
デビュー作品は、両A面シングル「きみがいた / きみに春がくる」。この2曲を引っ提げ、記念すべきデビュー日に東京・大岡山のライブハウスGoodstockTokyoにてミニライブを開催した。長年応援してきてくれたファンを中心に、発売開始早々チケットはソールドアウト。アコースティックギターを抱えた小山が登場すると、インディーズ時代のファーストアルバム収録曲「I Still」でライブはスタートを切った。ノスタルジック感漂うサウンドに乗って、小山の特徴である真っ直ぐで朴訥なハイトーンヴォイスが会場に響きわたった。
続けて、インディーズ時代の作品ではあるが、今回のメジャー作品のカップリングにも収録されている「リンゴの赤」を披露。コロナ期に感じた孤独を歌ったこの曲は、コロナ明けのいま聴いても心に刺さる。精神科医ならではの視点によるわかりやすい歌詞、そして楽曲解説のMCが、曲の印象をより強いものにしてくれる。ふだんあまり感じることのできない、精神科医&シンガー・ソングライターの小山のライブならではの新しい感覚だ。
温かい空気のままライブは進んで行く。ラスト2曲となり、いよいよ待望のメジャー・デビュー作品「きみがいた」、「きみに春がくる」の披露となる。この2曲は精神科医としての多くの経験が最も反映されている楽曲だという。あえて難しい言葉を使わず、シンプルな言葉で綴った「きみがいた」は、かけがえのない“きみ”への素直な感情が綴られている。
そしてラストの「きみに春がくる」へと続く。人生の応援歌でもあり、この時期では受験生の応援歌ともとれる素敵な歌だ。会場からは自然発生的に手拍子が起こり、徐々に一体感と高揚感が生まれ、この日一番の盛り上がりとなる。全曲を披露し終え「良い春を迎えましょう」という小山の言葉で、約45分間のライブは締められた。
幼少期からロックやフォークソングに夢中になり、学生時代にバンド活動を開始、そのころからずっとミュージシャンとしてデビューすることを夢見ていた。一方、医学部に進学したため、当然ながら医師という大切な将来の選択肢がある。時が経ち、音楽への愛を忘れた日はないが、医師としての小山文彦が順風満帆に進み始め、自ずと音楽活動への時間が制限されていく。時々思い立ったように音楽への気持ちが増幅し、ライブをやってみるものの、こちらは思い描いていたように広がって行かず、夢を夢で終わらせる方向に気持ちが傾き始める。
しかし、精神科医としての日常が安定し始めたころから、学生時代に持っていたような音楽へのハングリーさが蘇る。しっかりと医師としての活動をしながらも、そこでゼロから音楽を学び直す決意をし、楽器やヴォーカル、曲作りなどを基礎からやり直す。その甲斐あって2019年、56歳にして初のCDをインディー・レーベルよりリリース。
さらには、精神科医とミュージシャン双方の絶妙なバランスを活かした、ラジオDJとしての活動も開始し、徐々に音楽を軸とした活動が加速する。その後、USENでチャートインするなど、ミュージシャンとしての手応えも感じ始め、還暦を迎えた後に作った「きみがいた」「きみに春がくる」の2曲で、2023年ついにメジャーデビューを果たしたのだ。
今日、ステージで歌っていたシンガー・ソングライター小山文彦と、NHK『きょうの健康』や読売新聞「ヨミドクター」でコラムを執筆している精神科医・小山文彦が同一人物だという事実が、なんだかとても面白い。でも、どちらも小山文彦であることは間違いない。還暦を過ぎても夢を追い続け、その夢を掴むためのスタートラインまでは到達した。そんな小山文彦という人物の今後に注目していきたい。
◾️セットリスト
M1 Still
M2 リンゴの赤
M3 冬のソライロ
M4 芝浜を歩く
M5 きみがいた
M6 きみに春がくる
Enc. きみに春がくる
NEW RELEASE!!
2024年3月20日発売
小山文彦「きみがいた / きみに春がくる」
「きみがいた」
作詞・作曲:小山文彦 編曲:黒沢和貴
「きみに春がくる」
作詞・作曲:小山文彦 編曲:黒沢和貴
「リンゴの赤」
作詞・作曲:小山文彦 編曲:サトウレイ
テイチクエンタテインメント TECH-14555 1,400円(税込)
オンラインでの購入はこちら ▶︎https://www.teichiku.co.jp/artist/koyama-fumihiko/discography/TECH-14555.html
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