【Colorful Interview】“走れ 走れ 走れ… ”「君恋列車」で快走中の二見颯一 大きすぎる民謡愛が止まらない!
聴く人の胸を打つ“やまびこボイス”が、演歌ファンだけでなく幅広い世代から支持を集めている二見颯一。2022年11月2日に発売した「君恋列車」は、前作「0時の終列車」の続編で、深夜0時のホームで見送った恋人をあきらめきれず、青森まで追っていく主人公の心情が綴られたストーリー。“列車シリーズ”二作が好調な二見に昨年を振り返って、そして子どものころから愛してやまないという民謡について話を聞いた。
キャッチーな「君恋列車」の指差しポーズでファンをとりこに♡
「君恋列車」はリリースから2カ月半くらい経ちましたが、ファンの皆さんからの反響はいかがですか?
二見 前作「0時の終列車」の続編として作られた曲ですが、「君恋列車」のほうがよいスタートを切れているかなという感じがします。「0時の終列車」を聴いたことのある方は、その続編となれば主人公の二人の恋の行方が気になって、きっとこちらも聴いてみようと思いますよね。逆に、先に「君恋列車」を知ってくださった方も、前作はどんな話だったんだろうと聴きたくなると思います。
たしかに、続編と聞くとその前の物語を知りたくなりますね。
二見 それに、二作とも曲調が同じような匂いがしますし、「0時の終列車」の中にあるメロディーを1フレーズ「君恋列車」に持ってきたりと、とても凝ったつくりの曲になっています。ファンの皆さんが、“ここのメロディー、同じだよね”と、僕が言わなくても気づいてくれたりするのですが、それがすごくうれしいですね。
“走れ 走れ 走れ…”のところがキャッチーですし、指差しポーズも人気ですね! ところで、列車で愛する人を追いかけていく恋愛は、現代の若者や二見さんも共感できますか?
二見 作詞のかず翼先生は、現代の若い男女に置き換えて歌ってもいいんじゃないかとおっしゃっていました。この曲では青森にいる愛する人のもとへ向かっていますが、東北地方ならいまでも列車に乗って旅に行くことも多いでしょう。たぶんこの二人は別れた後も連絡を取り合っていて、再びひかれ合っている。かず先生も水森先生も、”二見くんの身近な恋愛のイメージで、同世代の価値観を忘れないで歌ったほうがいい”と言ってくださいました。僕もそういう気持ちで歌っていますが、曲調は昭和の列車歌謡。そのギャップもこの曲の聴きどころかなと思います。
”演歌第七世代”の一翼として大活躍! そして新たな挑戦も
2022年は、ミュージカル『我輩は狸である』(10/5~10/9 東京・CBGKシブゲキ!!)に出演されました。初めてのミュージカルはいかがでしたか?
二見 メインキャストの赤西礼保さんと僕は狸の役で、人間の友だちの恋を手伝うというストーリーのミュージカルでした。キャストの皆さんは役者の方だけではなくて、ダンサーやアイドルなどさまざまな仕事をされている方も多く、ダンサーの方は踊るシーンがあったり、僕も民謡を歌うシーンがあったりと演じる人それぞれの個性を引き出したミュージカルだったので、稽古のときからお互いに刺激がありましたね。
けっこう多くのセリフがあったようですが、覚えるのは大変でしたか?
二見 初めて台本をいただいたときは、本当にセリフがたくさんあって最初は絶対に無理だと思いました(笑)。セリフにはメロディーがついていないので、僕は本当に苦手でした…。1カ所だけ、どうしても覚えられなくて、メロディーをつけてもらったところがあったほど(笑)。他は頑張って必死に覚えました。とてもいい経験になりましたし、すごく楽しかったです!
民謡を歌うシーンでは、監督から”狸はコブシをまわさないだろうから、コブシを入れないでほしい”と注文があったそうですね(笑)。
二見 はい(笑)。いつもは二見颯一として歌っていますが、ミュージカルでは役の“狸のベンベェ”。ベンベェが歌っているシーンなのにいつものように歌っちゃうと、歌のときだけ急に二見颯一が出ちゃう(笑)。そこを抑えるのが難しかったですね。コブシを消したり、譜面通りに歌う歌い方をあえて崩してみたり、僕の思う“狸風”に歌いました。
自然とともに生きてきた民謡の奥の深さを、これからも発信していきたいです
5歳で民謡を始められた二見さん。これからもずっと民謡を歌い続けていかれると思いますが、二見さんにとって民謡の魅力とは何でしょうか。
二見 5歳で民謡を始めて、今年で20年になります。民謡の魅力は“なまもの”で、形のない”水”みたいなところですね。同じ曲を歌っても一人ひとり、まったく違って聴こえます。同じ人が歌っても毎回違うし、二度と同じようには歌えないんです。
水のようなもの…。深いですね!
二見 はい。それと、僕の先生が全国のその地域の人しか知らない民謡を訪ね歩いていたことがありまして、福井の平野に盆踊りみたいな民謡があり歌詞を書き出してみたら「お山の~」というところがあった。気になって地層調査をしてみたら、そこはもともとは山だったのを何百年か前に切り開いて平野にしたということがわかったんですよ! その地域の人たちも知らないような大昔のことも、民謡には歌われている。自然と一緒に千年も二千年も生きてきたのが民謡。ロマンもありますよね!
すごく興味深い話です。”演歌第七世代”では彩青さんも民謡歌手としても活躍されていますが、お二人で民謡について語りあったりされますか?
二見 はい。彩青さんは北海道出身なので東日本の民謡の歌い方で、僕の民謡は西日本の歌い方。民謡は歌い方に地域差があるんです。同じ東北でも、太平洋側と日本海側では歌い方や口の開け方、声の出し方もまったく違います。山形、新潟、石川あたりの歌い方は本当に独特で、とくに新潟県の佐渡島の民謡はどこからも影響を受けずに独自に育っています。東京でも伊豆大島の民謡は、島で育った全然違う歌い方ですね。そういう話を、彩青さんと一緒になるときは楽屋でずっとしています(笑)。彩青さんの民謡愛もすごいです! 話が尽きません。
十代や二十代の若者ではなかなかない渋いトークですね(笑)! ありがとうございました。まだまだたくさん民謡のお話をお聞きしたいですが、最後に今年の抱負を聞かせてください。
二見 今年は5周年目になりますので、地に足をつけた二見颯一を、皆さんにお届けしたいと思います。“二見颯一といったらこれだよね”と、僕のイメージをしっかり定着させられるような一年にしたい。軸は演歌に置きながら、もっと民謡の素晴らしさも発信していきたいですし、ミュージカルや絵などいろんな枝葉を伸ばして大きく広げていけたらいいなと思っています。これからも応援をよろしくお願いします!!
二見さん、最新の“ふたみアート”を見せてください!
二見 これはアクリル絵の具で、指を使って描きました。背景はキャンバスに直接絵の具を乗せて、霧吹きでキャンバスを濡らし、手で色を馴染ませていきます。船のマストなどの細かい部分は、つめの先に絵の具を乗っけて、シューッと縦線を引くようにして描くんです。全部、指です。でも、筆がないわけじゃないですよ(笑)。
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2022年11月2日発売
二見颯一「君恋列車」
「君恋列車」
作詞:かず翼 作曲:水森英夫 編曲:竹内弘一
c/w「ふるさと暮色」
作詞:かず翼 作曲:水森英夫 編曲:竹内弘一
日本クラウン CRCN-8521 1,400円(税込)
INFORMATION
デビュー5周年記念「二見颯一やまびこコンサート2023 in 東京」
日時:2023年4月25日(火)
会場:東京・ティアラこうとう 大ホール(江東区住吉2-28-36)
時間:開場 17:30 開演 18:30
料金:S席 6,500円 / A席 5,000円(全席指定・税込)
お問い合わせ:ベルワールドミュージック 03−3222−7982(平日12:00〜17:00)
CHECK!!
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