【ライブレポート】原点回帰、そして未来へ…! 津吹みゆがデビュー10周年コンサートで届けたかった思い

“どんと響く!直球ボイス!”津吹みゆが、4月5日、東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで『デビュー10周年記念コンサート ー どんと響く、みゆワールド!ー』を開催した。この日は、津吹の歩んできた10年間の集大成のコンサートということもあり、ホールには満席となる650名ものファンが集結。津吹はこれまでの熱い応援に感謝しながら、これからの歌手人生への決意を歌に乗せて届けた。
デビューからの歩みを振り返る! シングル曲を全て披露
2015年2月、18歳でデビューした津吹。高校卒業後、故郷・福島県より上京し、作曲家の四方章人氏のもとで研鑽を積んだ。舞台への出演や、ロック・クラシックなど音楽ジャンルをのレパートリーも多彩で、演歌歌手としてだけでない幅広い活躍でも多くの人々の支持を得ている。
”みゆちゃん”コールがこだまする中、拍子木が鳴りじょんがら節のSEとともに津吹が赤い着物姿で登場すると、一曲目「おんなの津軽」から熱烈な拍手に包まれた。
「始まる前からの”みゆちゃん”コールとてもうれしいです。今日はたくさん歌わせていただきます。5周年の時はコロナ禍だったので、会場で一緒に楽しむことができなくて…。だから今日はたくさんの皆さんが駆けつけてくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ひと時、一緒に楽しんでいただければうれしいです」と、会場を埋め尽くすファンを見渡しうれしそうにはにかみながら話すと「
「私にとっての原点といえば懐メロなんです。昭和20年〜30年代の曲がすごく好きで、じいちゃんばあちゃん子でしたからよく歌を教えてもらいました。ここからは戦後の日本を支えた昭和20年〜30年代の曲をお届けしていきたいと思います」
津吹の紹介に導かれ、抒情歌・懐メロメドレーのコーナーへ。古き良き昭和のレディーを彷彿する黄色のワンピースに着替え「ガード下の靴磨き」を歌うと、ステージを降り客席をラウンドしながら「東京の屋根の下」「東京の花売娘」「君の名は」など、昭和20年代から30年代の名曲を次々に披露。ファンは間近に訪れたかわいらしい津吹に見惚れながらも、その歌声に静かに耳を傾けた。
音楽のジャンルを越え磨き上げてきた美しい歌声に酔いしれる
まだまだ序盤だというのに、すでに15曲。このステージに懸ける意気込みがその歌声、そしてくるくると変わる魅力的な表情からも伝わってくる。続いては、都はるみの「さよなら海峡」、森昌子の「立待岬」、高田みづえの「硝子坂」と、次々と女性歌手の名曲をカバー。「え、『色っぽい』?『セクシー』? (その言葉を)待ってました(笑)。津吹のステージは参加型でございます。なので最後までかけ声や手拍子、笑い声も笑顔もなんでもうれしいです。ぜひお願いします! 」。ファンと気さくにふれあいながら、一曲歌い上げていくたびに声が熱を帯びていった。

2月28日に29歳の誕生日を迎えたばかりの津吹。女性としても日々輝きを増している彼女に、タイトな白いマーメイドドレスがよく似合っていた
そして、津吹は「クラシックもいま勉強しているんですが、城之内ミサさんとご縁をいただいたのが3年前。私の高音をお聴きになって”レッスンしたらオペラやクラシックも歌えるかもしれない”と、ベルカント唱法を教えていただいたり、2年前に初めてフランス・パリに(コンサートで)行かせていただきました。すごく不安でしたが、一生に一度の経験をさせていただきました」と告げると、「精霊~Ondine」「もう一度あいたいBeautiful place」を披露した。
「もう一度あいたいBeautiful place」は、原案を玉城デニー沖縄県知事、作詞を沖縄在住のシンガーソングライター・永井龍雲氏、そして作・編曲を『ユネスコ平和芸術家』に日本人の作曲家として初めて任命された城之内ミサが手がけた沖縄県世界遺産首里城復興祈念イメージソングだ。音楽ジャンルの垣根を越えて磨き上げてきた、津吹の豊かな歌唱力と表現力を存分に発揮した美しい歌声がホールを満たし、荘厳な雰囲気に包まれる中、前半が終了した。
みゆワールド真骨頂! 「歌語り 壇ノ浦恋歌」
後半は、本邦初披露となる「歌語り 壇ノ浦恋歌」よりスタート。2022年に発表した人気オリジナル曲「壇ノ浦恋歌」に新たに歌詞を加え、ひとり語りの芝居仕立てで歌い上げる意欲作だ。宝塚歌劇団や大衆演劇などにも造詣の深い津吹。役者・速水映人との共演をはじめ、舞台出演で培った迫真のセリフ回しで、主人公の揺れ動く心模様や情念を見事に表現して、観客一人ひとりの心を強く揺さぶった。

「セリフ入りのお芝居がすごく好きで、今回このステージでお届けできることがとてもうれしかったです。気を抜くとちょっとなまってきちゃうんですよ(笑)。何度もレッスンもしました」(津吹)

本公演最大の見せ場となった「歌語り 壇ノ浦恋歌」は4月2日に発売されたばかりの10周年記念アルバム『オリジナルベスト2025』に収録。また、そのMVがコンサート内で先行公開された
「この10年の中、たくさんの方に支えていただいてこうしていまを迎えることができました。師匠・四方先生やたくさんの先生方から素敵な楽曲もいただいて、私はすごく幸せだなと感じています。今日は33曲歌う予定なんです。まだまだ歌ってもいいですか?」
そう話すと大きな歓声が上がり、ニッコリと微笑んだ津吹は再び「嫁入り峠」「郡上しぐれて」などシングル曲のメドレー、そしてラストの曲「なみだ紅」を会場いっぱいに揺れるピンクの光に合わせて熱唱。さらに深いみゆワールドへ誘い、ファンと熱い思いを分かち合った。

シングル曲メドレーでは、思いがあふれ涙を浮かべるシーンも。「一曲一曲に思い出がたくさんあって、出会いも別れも…。最近涙もろくなって、元気に笑顔でと思っていたんですがごめんなさい」。謝る津吹にファンは大きな拍手を送った

福島県矢吹町の蛭田泰昭町長と鈴木一史副町長がステージへサプライズ登場し津吹へ花束と祝福のメッセージを送った
「これからも私なりに一生懸命、一歩一歩でも進んでいきたいと思っています。これからチャレンジしていきたいこともたくさんあります。もしよかったら、一緒に歩んでいただければうれしいです。いつか必ず津吹みゆを応援していてよかったと思ってもらえるように、これからも日々精進していきたいと思っております。どうぞこれからもよろしくお願いいたします!」
熱烈なアンコールに応えて再登場した津吹が、最後に選んだ曲は「
◾️セットリスト
M1 おんなの津軽
M2 みちのく恋桜
M3 会津・山の神
M4 すみれの恋
M5 わたしの門前仲町
M6 母子草
M7 由良川恋文
M8 あした咲く花
M9 懐メロメドレー(バンド演奏)
M10 ガード下の靴磨き
M11 東京の屋根の下
M12 東京の花売娘
M13 星の流れに
M14 君の名は
M15 夢であいましょう
M16 さよなら海峡
M17 立待岬
M18 硝子坂
M19 東京ホタル
M20 黄昏の雪
M 精霊〜Ondine
M21 もう一度あいたい Beautiful place
M22 歌語り 壇ノ浦恋歌
M23 哀愁の木曽路
M24 嫁入り峠
M25 望郷さんさ
M26 郡上しぐれて
M27 おんなの嵯峨野路
M28 雨のむこうの故郷
M29 会津なみだ橋
M30 望郷恋歌
M31 闇夜においで
M32 なみだ紅
Enc. 恋は女の晴れ舞台
NEW RELEASE!!
2025年4月2日発売
津吹みゆ『デビュー10周年記念 オリジナルベスト2025』
【収録曲】
1.会津・山の神
2.望郷恋歌
3.雨の向こうの故郷
4.哀愁の木曽路
5.望郷さんさ
6.みちのく恋桜
7.嫁入り峠
8.おんなの津軽
9.東京ホタル
10.壇ノ浦恋歌
11.おんなの嵯峨野路
12.郡上しぐれて
13.会津なみだ橋
14.歌語り 壇ノ浦恋歌
日本クラウン CRCN-41523 3,000円(税込)
配信はこちら ▶︎https://lnk.to/tsubukimiyu
2024年11月27日発売
津吹みゆ「なみだ紅」
「なみだ紅」
作詞:麻こよみ 作曲:四方章人 編曲:竹内弘一
「闇夜においで」
作詞:さくらちさと 作曲:四方章人 編曲:竹内弘一
日本クラウン CRCN-8708 1,500円(税込)
この記事へのコメントはありません。