【ライブレポート】三丘翔太が『 Mits LIVE』開催! 「ちょっと大人なラインナップを楽しんで」
三丘翔太が10月27日、東京・目黒ブルースアレイで、『三丘翔太 Mits LIVE』を行なった。作曲家・水森英夫氏の門下生として、歌唱力では定評のある三丘は、10月16日に10枚目のシングル「ゆうなぎの唄」を発売したばかり。来年デビュー10周年の節目を迎えるにあたり、新たな試みを盛り込んだアコースティックライブで、少し大人になった表情を見せた。
いつものライブとはひと味もふた味も違う!
今回の会場となったブルースアレイは、国内外のトップアーティストの演奏とこだわりのフレンチで知られるライブレストラン。来場者はおいしい料理とドリンクを楽しみながら、ライブの開演を待っていた。メニューには、当日限定のスペシャルドリンク「ミッツの酸っぱい思い出」も。三丘自身が選んだクラフトジンをブルースアレイ独自のレシピでまとめたカクテルで、ノンアルコールはオーガニックレモンジュースを使ったスカッシュ。どちらもさわやかな甘酸っぱさが、大好評だった。
客席の照明が落とされ、盛大な“翔太コール”とに迎えられて三丘が登場した。オープニング曲は、布施明の「君は薔薇より美しい」。ダイナミックで伸びやかな歌声が、会場を一気に魅了した。
「皆様、Mits LIVEにお越しいただきまして、どうもありがとうございます。今日はグランドピアノとアコースティックギターの生演奏で、ちょっと大人なラインナップをお送りしたいと思います。いつもの三丘のライブとはひと味もふた味も違った選曲をさせていただいていますので、どんな歌が出てくるか楽しみにしていただきたいですね」
衣装は鮮やかな赤のスーツで、片方だけ黒い襟がアクセントになっており、蝶ネクタイとポケットチーフも黒を合わせた。「君は薔薇より美しい」を歌い終えたところで、「ミッツの酸っぱい思い出」のノンアルコールがステージに運ばれ、来場者もそれぞれがドリンクを片手に乾杯。会場は、すっかりなごやかな雰囲気となる。
2曲目に堺正章の「さらば恋人」を歌った三丘は、「今日のライブは、“ピアノとギターで演奏を聴きたくなるような歌謡曲”をコンセプトとして僕が選曲しました。イントロや間奏まで非常に聴きどころのある曲のカバーを、今日は続々とお届けします」とライブのコンセプトを説明した。
オリジナル曲のコーナーでは、3枚目のシングルで作曲家である恩師・水森氏が作詞まで手がけた「面影今いずこ」と、「虹色の雨」を歌唱。また北海道で開催された『第32回 根室さんま祭り』にゲスト出演したという三丘は、根室とご縁が繋がるきっかけとなった「釧路発5時35分根室行き」の歌詞にあるとおり、実際の列車に乗ることができたと話す。
「朝の5時35分の始発、根室本線“快速はなさき”という列車に、やっと乗ることができました。カーブを曲がって林の中を抜けると牧場が広がったり、また森に入ってそこを抜けると今度は海が見えたり。まるで旅行番組みたいな、すばらしい景色の中を走って根室の町にたどり着きました。そして秋刀魚をたくさん食べました!ここ目黒も“さんま祭り”がありますし、真田ナオキさんと“三真(サンマ)”というコンビでイベントをやらせていただいていますし、僕は秋刀魚にご縁がありますね(笑)」
バンドとムードコーラスグループのリーダーだけど、メンバーは自分ひとり!?
続いて、三丘の専属バンド『三丘翔太とオルニチンズ』と、三丘がリーダーを務めるムードコーラスグループ『三丘翔太とイソフラボンズ』が夢のコラボレーションを果たすコーナーへ。オルニチンもイソフラボンも枝豆の主要栄養素で、“枝豆王子”の三丘らしいグループ名だが、その実体は三丘が打ち込みで制作したカラオケと、三丘自身の多重録音によるバックコーラスだ。メンバーが三丘ひとりだけとは思えないサウンドで、「ラブユー東京」や「星降る街角」などのムード歌謡をメドレーで濃厚に聴かせた。
「今日は久しぶりのワンマンなので、チャレンジをした方がいいですよね」と三丘が取り出したのはアコーディオンだった。「アコーディオンを抱えたら、緊張してきましたよ」と何度も試し弾きをしてから、「アコーディオンと言ったら、懐メロじゃないでしょうか」と三丘が選んだ曲は「高原列車は行く」。“懐メロボーイ”としても親しまれている三丘の軽快な歌声と演奏に、客席からは手拍子が沸き起こった。編曲家の伊戸のりお氏に借りたという格調高いアコーディオンは、かなり重たかった様子。演奏を終えて下ろしたとき、三丘は「肩の荷が下りました」とギャグを言ってファンを笑わせた。
「ようやく秋が深まってまいりました。今年の夏は暑かったですね」と、高田みづえの歌唱が有名な中山丈ニの「秋冬」をしっとりと聴かせた三丘。「しんみりしますね。恋をしているわけじゃないけど。出会ってもいないのに、別れの歌をうたっています」と話すと、客席からは「あらあら」「恋してね」と声がかかった。次にピアノが主役の曲で、初々しい歌詞が印象的な西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」、男性では歌う歌手が少ない八代亜紀の「舟唄」をじっくり聴かせた。
皆様のおかげで、来年デビュー10周年
ライブも終盤に差しかかり、新曲のカップリング曲「困るのよ」と、新曲「ゆうなぎの唄」が披露された。
「来年はデビュー10年を迎えます。皆さまのおかげで10周年、そして一作一作、水森先生が丹精を込めて曲を作ってくださって10枚目でございます。今回の新曲は、海辺の町が舞台です。日本は海に囲まれている島国ですから、たくさんの海辺の町があります。皆さんお一人お一人に、きっと思い浮かぶ町があるんじゃないでしょうか。海風と陸風が止んで風がない状態になることを“夕凪(ゆうなぎ)”というそうです。おだやかな夕凪の一瞬、そこに生きる人々の何気ない姿を、美しい歌詞とメロディーで作っていただきました。ぜひ聴いてください」
最後は映画『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘプバーンが歌っている「Moon River」を、アンコールに「若いってすばらしい」を来場者と一緒に歌いライブを締めくくった。
「来年は、10周年を記念するライブかコンサートがやれたらいいですね。えっ、紅白ですか?人生何が起こるかわかりませんからね。夢は大きく。これからもよろしくお願いします」
■セットリスト
(第1部)
M1 君は薔薇より美しい
M2 さらば恋人
M3 面影今いずこ
M4 虹色の雨
M5 釧路発5時35分根室行き
M6ムード歌謡・自作カラオケメドレー
(ラブユー東京〜たそがれの銀座〜コモエスタ赤坂〜泣かないで〜星降る街角)
M7 高原列車は行く ※アコーディオン
M8 秋冬
M9 もしもピアノが弾けたなら
M10 舟唄
M11 困るのよ
M12 ゆうなぎの唄
M13 Moon River
Enc. 若いってすばらしい
(第2部)
M1 君は薔薇より美しい
M2 さらば恋人
M3 燈台灯り
M4 発車のベルが長すぎる
M5 よこはま埠頭
M6 ムード歌謡・自作カラオケメドレー
(ラブユー東京〜たそがれの銀座〜コモエスタ赤坂〜長崎は今日も雨だった〜星降る街角)
M7 高原列車は行く ※アコーディオン
M8 秋冬
M9 もしもピアノが弾けたなら
M10 舟唄
M11 困るのよ
M12 ゆうなぎの唄
M13 Moon River
Enc. 若いってすばらしい
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2024年10月16日発売
三丘翔太「ゆうなぎの唄」
「ゆうなぎの唄」」
作詞:前田たかひろ 作曲:水森英夫 編曲:猪股義周
c/w「困るのよ」
作作詞:さくらちさと 作曲:水森英夫 編曲:猪股義周
テイチクエンタテインメント TECA-24055 1,500円(税込)
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