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浅草花劇場で『ASAKUSA NEXT ASIA FESTIVAL』開催! 〜アジアの次世代へ贈る、平和への祈りを音楽に乗せて〜

アジアの次世代に向けて平和を発信する音楽イベント『きのこの山たけのこの里 presents ASAKUSA NEXT ASIA FESTIVAL 2023』が、11月18日、東京・浅草花劇場で開催された。
世界で活躍中の和楽器ユニットAUN J クラシック・オーケストラをホストに、日本とミャンマーを代表して俳優としても活躍する森崎ウィン、台湾の歌姫・?te(Whyte)、タイのインフルエンサー・Miteennnの4組が出演しステージを彩った。
また、この日のためにポケモンゲームの楽曲を手がける作曲家・景山将太が作曲した「NEXT ASIA」が用意され、全員で合唱した。

AUN J クラシック・オーケストラのメンバーがステージに登場し、厳かに「大河の想い」を奏で始めると、その独特の世界観に、客席が一気に惹き込まれるのがわかった。さらに、次に演奏された「青い薔薇」で、観客はさらなる深みに誘われてゆく。

「皆様、ようこそお越しくださいました。私たちAUN J クラシック・オーケストラは、和楽器のみで編成された7人組のユニットです。今回は『NEXT ASIA FESTIVAL』ということで、なぜ“NEXT”を付けているかと言いますと、私たちは『ONE ASIA  ジョイントコンサート』を続けています。これまで7年間かけてASEAN10カ国をすべて回らせていただいた。“その次”のためです」と、MC担当の石垣征山(尺八)があいさつ。そして、伝統的な和楽器の音色を斬新な曲調アレンジで聴かせる「乱」と、新曲の「この花咲夜姫」を披露した。

【AUN J(アウンジェイ)クラシック・オーケストラ】「1000年続く和の音を、1000年先まで伝えたい」をコンセプトに、2008年に和楽器のみで編成されたユニット。和の音を世代を越えて日本中、世界中に広める活動を日々続けている。メンバーは尾上秀樹(中棹三味線)、井上良平(和太鼓・リーダー)、石垣征山(尺八)、山田路子(篠笛)、山野安珠美(筝)、市川慎(筝)、井上公平(太棹三味線、笛)の7名

「次の曲は『in the Moonlight』で、ラオスとの国交60周年を記念した楽曲です。ラオスの国旗は、日本の国旗とちょっと似ていまして、真ん中に“丸”があります。この白抜きの丸は、メコン川に浮かぶ月を表しているんですね。月明かりのもとで、輪になってお祭りをしている様子をイメージしながらこの曲を作りました」

次に、タイで人気のZ世代シンガー・Miteennnが登場。凝った刺繍が施された女の子らしい白い衣装と、人懐っこい笑顔に、客席からは「かわいい~!」と声が上がる。来日は、今回が2度目。昨日は浅草観光をしたと通訳を交えて話したMiteennnは、「Let’s Go!」とかけ声をかけると「Klang Jai Klai jung」を歌唱した。

【Miteennn(ミティーン)】Muzik Move傘下のHome Run Music所属。1stシングルでは作詞も手がけ、YouTubeで公開したMVの再生回数は150万回越えている。SNS総フォロワー数100万人以上のタイで大人気の新人アーティスト

ポケットから取り出したメモを頼りに、「コンバンハ、Miteennnデス。タイカラ来マシタ。次ノ歌ハ、聞イタトコ…聞イタコト?(笑)アル人モ、イラッシャルト思イマス」と、たどたどしい日本語ながらも健気に歌唱曲を紹介。「Ao Pakka Ma Wong」を歌い始めると、客席からは自然と熱い手拍子が沸き起こった。

【?te(Whyte,壊特)(ホワイト)】 トレードマークの帽子とサングラスなど独自のスタイルで注目を集めている。最新アルバム『Way Out』は台湾のGMA・ベストアルバムに選ばれた。Zepp New Taipeiでライブを行なうなど、台湾の音楽シーンを代表するアーティスト

帽子とサングラスがトレードマークの台湾人シンガーソングライター・?te(Whyte)。アーティスト名の「?」は「Why」、そこに「te」を付けて「ホワイト」と読ませる。「独身さんは誰ですか?ボーイフレンドがいない。ダンナ様もいない。あなたのことね。私も一緒よ」と、英語で客席に語りかけて笑いを誘うと、「Oh Bob」を披露した。続く「Sante’」は、フランス語で“乾杯”の意。コケティッシュな?teが、日本風の音頭を取り全員でビールのジョッキを手にしたつもりで“乾杯”をした。エアー乾杯でなごやかな親近感が生まれた観客は、歌に合わせて手を振りながら、?teの心地よいスモーキーボイスに酔いしれた。

ここで、スペシャルゲストの森崎ウィンがステージへ。自身も出演する映画『おしょりん』(11月3日より公開中)のエンディングに起用されている「Dear」を「この曲はいつも、手紙を読むように皆さんにお届けしたいと思って歌っています」と紹介し、AUN J クラシック・オーケストラのリーダーである井上良平(和太鼓)と井上公平(笛)も参加した特別バージョンで披露した。

【森崎ウィン】 ミャンマー出身。NHK大河ドラマ『どうする家康』に徳川秀忠役で出演中。現在公開中の映画『おしょりん』、来春公開予定の『レディ加賀』にも出演。2ndアルバム『BAGGAGE』も好評発売中で、歌手としても俳優としてもさらなる活躍が期待されている

ライブも終盤に近づき、森崎が残りのAUN J クラシック・オーケストラのメンバーもステージに呼び込む。AUN Jと森崎は日本とミャンマーの友好イベントで知り合い、4年前にAUN Jの曲に森崎が詞を書いたのが「Don’t Cry」という楽曲だ。

「僕らは日本に住んでいて、欲しいものが欲しいときに手に入るじゃないですか。生活の基盤があるから、大きな夢を見ていられるんだと思うんです。まだそこに手が届かない人たちが、世界中にたくさんいます。でも子どもたちの小さな手には、たくさん希望を持っていてほしいなと思って。その思いを僕なりに、この曲に込めました」(森崎)

最後に、この日のために用意された「NEXT ASIA」の作曲者・景山将太がステージに呼び込まれた。

「“言葉や文化の違いはあっても、音楽でひとつになろう”いうコンセプトで活動されているAUN J クラシック・オーケストラさんの、すごく文化的で幅の広い活動はよく存じておりました。そんなAUN Jさんに曲を書かせていただくという大役は重責で、何を書いたらいいんだろうとものすごく悩みました。でもね、僕はちゃんとリサーチしました(笑)。皆さんの曲をたくさん聴いて、皆さんが輝けるように書きましたので、気持ちよく歌えるのは偶然じゃない。プロの技なんですよ!」(景山)

Miteennnと?teもステージに再び登場し、景山はキーボードで、出演者全員で演奏された「NEXT ASIA」は、キャッチーで覚えやすいメロディーと美しいハーモニーが印象的な楽曲。Miteennnと?teが歌うタイ語と中国語のフレーズもあり、国際色豊かなイベントのエンディングにとてもふさわしく、込められた思いの壮大さを肌で感じる一曲だった。

このイベントは、“きのこの山たけのこの里 presents”と銘打たれており、鳴り止まぬアンコールに再登場した出演者は全員、「きのこの山」か「たけのこの里」のTシャツをそれぞれ選んで着用していた。“きのこ派”か“たけのこ派”かの談義を繰り広げ盛り上がった後、「万殊の灯りに想いを馳せて」を演奏。曲の終わりに観客も一緒に“三本締め”、最後にもう一度“一本締め”を行ない、大盛況のうちに幕を閉じた。

 

ちなみに、森崎ウィンは“たけのこ派”!

この日、花劇場と隣接する花やしきは、「きのこの山」と「たけのこの里」にジャックされており、「きのこ、たけのこDOCCHI派?」を海外の人々にも問うイベントを開催中。花やしきのスタッフもNEXT ASIA FESTHIVALのスタッフも全員が、それぞれ好きな派のTシャツを着用して業務を行なっていた。

森崎ウィンは開演前、花やしき内に設置された「きのたけグローバル党員証」の発行所を訪ねて、「たけのこ党」の党員証をゲット。フォトスポットでは、写真撮影にも興じていた。

 

◾️セットリスト
M1 大河の想い (AUN J クラシック・オーケストラ)
M2 青い薔薇 (AUN J クラシック・オーケストラ)
M3 乱 (AUN J クラシック・オーケストラ)
M4 この花咲夜姫 (AUN J クラシック・オーケストラ)
M5 in the Moonlight (AUN J クラシック・オーケストラ)
M6 Klang Jai Klai jung (MITEENNN)
M7 Ao Pakka Ma Wong (MITEENNN)
M8 Oh Bob (?te)
M9 Sante’ (?te)
M10 Dear (森崎ウィン)
M11 Don’t Cry (森崎ウィン)
M12 NEXT ASIA (全員)
Enc. 万殊の灯りに想いを馳せて (全員)

(取材・文/夏見幸恵 撮影/片山延立及、Yusuke Kimura(?teのみ))

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