【COLORful Interview】松原のぶえが自信を持って届ける、デビュー45周年記念曲「下北半島哀愁路」
松原のぶえが1月29日、デビュー45周年記念曲「下北半島哀愁路」を発売した。冬の下北半島を舞台にした王道演歌で、恋に破れた女性が好きだった人の面影を胸に生きようとする強さを、切なく歌い上げている。カップリング曲の「龍となり」は、松原が歌手になろうと決意したときの思いを表現した、松原自身が作詞を手がけた作品だ。デビュー当初から素直な声と安定した歌唱力で知られる松原が、新曲のことやこれからの抱負について、またプライベートについても話してくれた。
詞もメロディーも、すーっと自分の中に入ってきました
デビュー45周年、おめでとうございます。これまでの活動を振り返られてどうですか?
松原 私がデビューしたころは、テレビの歌番組がたくさんありました。いい時代にデビューできたし、そのおかげでいまもこうして歌っていられるんだと思うんですよね。北島三郎先生の事務所に20年所属させていただいて、そこから独立したことが私のターニングポイントでした。この45年の中には、いろいろな出来事がありました。いいこともあれば、悪いことも……。でも、順調にここまで来られたんじゃないかな。もし辛いことがあっても、悩んでもどうにもならないようなことだったら、私は深く考えないようにしています。なるようになる。ケセラセラですね(笑)。
記念曲となる新曲「下北半島哀愁路」は、日本人が冬に聴きたくなるような曲ですね。
松原 石原先生の詞は初めてですが、すごく素敵な詞を書いてくださって、ありがたいなと思いました。1番、2番はまだ別れた人への想いを引きずっているんですね。でも3番では、好きだった人の面影だけが胸に残っていれば、それを糧に前向きに歩いていけるとひとつの恋にピリオドを打って、新たに旅立つ女性の歌です。寒立馬(かんだちめ)だって、あんなふうに冬の寒さに耐えているんだという石原先生独特の詞が素晴らしい。実際に私も下北半島に行ったことがあって冬の風景を見たし、寒立馬も見たことがあったので、すぐに詞がすーっと入ってきました。
失恋をして北へ向かったら、心まで寒くなってしまいそうです。もし松原さんだったら、未練を断ち切って強くなって帰ってこられると思いますか?
松原 どうでしょうね……。恋に破れて寒いところへ行ったら、なおさら人肌が恋しくなったりするだろうから、想いを断ち切れないような気もします。余計にしゅんとなって帰ってきそう(笑)。でも私はあまり引きずらないタイプかもしれないですね。なかなか次へ進むことはできないけれど、お互いが納得して別れたんだったら追わないんじゃないかなぁ。ときどき、あのころは良かったなとか思い出すことはありそうです。
実際に歌われてみていかがでしたか?
松原 5年ぶりに、弦哲也先生に曲に書いていただきました。私はもともと弦先生のメロディーが大好きなので、曲もすんなりと自分の中に入ってきました。歌っていても、すごく歌いやすいです。歌いやすいというか、表現しやすい曲なんですね。いまの寒い季節にピッタリ。暖かくなってくると…?夏は暑さをしのぐのにいいかもしれませんね(笑)。
「原点に返って」自ら作詞に挑戦
カップリング曲「龍となり」はご自身の作詞ですね。どのような思いで書かれましたか?
松原 ちょうど45周年の節目なので、原点に返ってみようと思いました。自分が歌手になろうと決意したときの気持ちを、女性目線からではなく男性目線から書いてみました。タイトルがなかなか出てこなかったんですけど、たまたまテレビで「龍のごとく」というゲームソフトのCMを観て、“龍”っていいな、と思ったんですよね。歌手の道が茨の道であっても後悔しないように、前に前に上へ上へと昇っていくように頑張ろうと思ったときの気持ちを、そのまま詞にしました。自分自身の思いだけだともの足りないので、男性的な世界観で書き上げました。私にとっての“女房”は、ファンの皆さんや周りのスタッフの皆さんですね。
テーマを決められてからは、すぐに書きあがりましたか?
松原 いいえ(笑)。何度も催促されて、「まだできません」「まだできません」って言っていましたね。「龍」がいいヒントになって、まずはタイトルから入って詞を固めていったという感じです。弦先生が力強い曲をつけてくださって、「なんだかカップリングにするのがもったいないぐらい、いい感じになったよね」と言ってくださいました。それがすごくうれしくて、励みになりましたね。私が書きたいと思っていた世界観に仕上げていただけて、弦先生はやっぱりすごい!さすが弦先生だなと感動しました。
演歌が好きと言ってくれる方の年齢層を広げたい
45周年イヤーも半分が過ぎました。次なる50周年を見据えて思うことはありますか?
松原 今年の6月で45周年が終わって、7月1日からは46年目に突入していきます。50周年まで、歌っていられるかしら。私自身は元気なのですが、演歌がどんどん衰退していく気がして、あと5年持つんだろうかなんて考えたりもします。若い後輩たちがデビューして活躍しているので、歌謡曲寄りの曲と併せて、昔ながらの演歌のメロディーももっと歌ってくれたら、演歌ファンの層も少し変わってくるかもしれません。若い人が付いてくる、演歌が好きと言ってくれる方の年齢層を広げるというのは、なかなか難しいことですね。でもくじけてちゃいけないと思うし、絶対に演歌は残りますよね!昭和の良い時代のような、違うジャンルの方とご一緒できるような歌番組があったらいいな。また制作していただきたいと思います。それは私の夢のひとつであり、希望ですね。
カラフルがインタビューさせていただくのは初めてでしたが、読者の皆さんにぜひメッセージをお願いします。
松原 デビュー45周年の締めくくりに、石原先生と弦先生にいい作品を作っていただきました。私自身、大好きな曲です。前作が「たった一度の人生だから」という歌謡曲っぽい曲調の歌だったので、聴き比べてみていただけたらうれしいですね。これまで松原のぶえにあまり興味がなかった方も、今回のインタビュー記事を読んで私という人間を垣間見てくださったわけですから(笑)、次は実際にお会いして、もっと私のことを知っていただくと新しい発見もあるかもしれませんよ! ぜひ生で歌を聴いていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
松原さんは、おうちがお好き?!
Q、趣味がテレビショッピングと韓流ドラマ鑑賞とのことですが、詳しく教えていただけますか?
★テレビショッピング
松原 これまで運動器具とかいっぱい買いました。でも欲しいなと思って買っても、ほとんど使わない。家庭用トランポリンなんかも最初にちょっとやっただけで、いつの間にかお飾り状態になって人にあげちゃいました。買ったことだけで満足しちゃうタイプの人に、テレビショッピングは危険ですね(笑)。だから最近はなるべく観ないようにする、観ても観ているだけにしています。サプリは試しても効果がわからなかったのでやめました。化粧品は使ってみて良いと思ったものを、ずっと使い続けているので、あれこれ迷わなくなりましたよ!
★韓流ドラマ
松原 お休みの日は午前中にやることを済ませて、午後はテレビの前から離れずに録り溜めていたドラマを観たりして過ごしています。外出があまり好きじゃないので、いつも家にいますね。韓流ドラマのおススメは『魔女のゲーム』。おもしろいですよ! すごくドロドロしたドラマで、日本のドラマとは表現が違う。日本ではありえないんじゃないかという世界が描かれています。意地悪なんかも陰湿で、それを観ながらイライラ度がマックスになるけれど、それでも観ています(笑)。もの足りなくなるとTSUTAYAに借りに行くくらい韓流ドラマが好き。そのための外出は全然苦にならないです。その他はほぼ家にいます。おうちが大好きです!
(取材・文/夏見幸恵)
NEW RELEASE!!
2025年1月29日発売
松原のぶえ「下北半島哀愁路」
「下北半島哀愁路」
作詞:石原信一 作曲:弦哲也 編曲:猪股義周
c/w「龍となり」
作詞:松原のぶえ 作曲:弦哲也 編曲:猪股義周
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91602 1,500円(税込)
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